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another Legendia ~We Are the Wonderful~【2】

まぶしい朝日が部屋いっぱいに入ってくる。

俺はゆっくり頭を上げようとするが、痛い。

うっ、昨日飲み過ぎたツケがきたか。

意識をしっかりと保とうと、少し横になったまま大きく深呼吸。

「・・・参ったな 今日は歌えないぜ」

昨日は、あの後、あの旅人・・・えーと、名前なんだったかな?まぁいいか。

とりあえずあいつと夜中まで飲んでたな。

ったく、フェイトの野郎。銘酒中の銘酒『神殺し』なんか送りやがって。

おふくろの魚と野菜がなかったらこの程度じゃ、うぅ気分が悪いな。

「おい大丈夫か?ジョニー」

「ん?あぁ なんとか、な」

「ほらよ 水でも飲め」

サンキュ、と俺はどうもトゲのあるそいつの差し出す、水の入ったコップを受け取る。
そして、一気に飲み干す。

ふぅ。やっぱり2日酔いには冷たい水だ。

ちょっとした頭痛の後、気分が良くなっていくのを感じる。

「ありがとな、えーと・・・」

「アッシュだ」

「そうそう アッシュだったな」

おっといい忘れていたな。

昨日の旅人は、この目の前のアッシュ。

焦げた赤のような髪の色、鋭い眼光、全身黒めに固めた鎧。

そんでもって長めの剣を収めてる鞘。

俺の国じゃ、こんな重装備な兵はいないな。

ま、他国がどうだろうと関係ないしな。

「すまねぇな昨日は。未成年なのに酒勧めてよ」

「いや、いい 気にすることはない」

そりゃまあ俺が悪いんだけどよ。

べろべろにやってたが、記憶はあったんだがな。

あいつに無理やり酒を勧めちまったらしい。

あの『神殺し』を。

アルコール度が高すぎるから1対9でも足りないぐらいだ。

そんなのを未成年に飲ませたら、俺は一夜で犯罪者か。おぉ怖い。

まぁ飲んだかどうかは記憶はあやふやだから分かんないが。

あいつも結構足取り大丈夫だし、飲んでないだろうな。

少し冷めてきた頭を振りつつ、アッシュに言葉を放った。

「ところでよ、アッシュ。昨日の話しだが・・・」

「なんのことだ?」

「とぼけるなよ、酒が入る前の話だ。」

一呼吸置いて、こう続けてやった。

「どこの軍人さんか知らないが、なぜここにいる?」

「どういう意味だ?」

「じゃあこう言うか 普通の方法では入れないこの遺跡船に、なぜいるんだ?」

「・・・!!」

「そういや、お前さんが俺の前に来た日、でっかい流れ星が山のほうに落ちたが・・・」

「関係ないだろ!!」

恐ろしい形相で睨みつけられた。

ま、その程度の眼力じゃ、俺は黙らされないぜ。

それに、吹っかける前の質問でアッシュのやつ、ボロ出しやがったぜ。

一瞬顔がこわばったのが分かった。

やはり、こいつの裏にはなんかあるな。

そう、この遺跡船は普通の方法じゃ入ってくることは不可能だ。

なぜなら、この船はその名の通り動いている。

しかも、船だってのに、船の上は湖やら山やらで自然であふれている。

船っつーよりも、島だな。

しかも大地の下はばっちり地下水やマグマだまりまである始末。

世の中不思議なものもあるもんだな。

ま、その恩恵のおかげでその上に街を起こすことができたんだ。

あいつがそこまで話したくないならそれでいいけどよ。

「・・・・・・」

「まぁいいや、これはなかったことにしてやるよ」

あちゃ。不機嫌になってやんの。

しょうがない。昼飯もおごらなきゃ駄目そうだな・・・ん?

「こ、これは!?」

「なんなんだ、こりゃ?」

突然、オレンジの綺麗な光が部屋を通り抜けた。

オレンジの光なんぞ、夕方になればイヤになるほど見えるもんだが、今は状況が違う。

朝っぱらだ。しかもまだ8時代。

「・・・この光はなんなんだ?ジョニー」

「さぁ 俺も初めて見るぜ?」

一体全体、どうしたっていうんだろうな。

こんなこと、一度もなかったってのに。

「・・・なんかあわててるな 街の奴ら」

「さぁな 俺もここ一年すら経っていない新参者だ よく分からないさ」

さて、こうしてても始まらないな。

今日の気分は・・・アコースティックギターだ。

「何をする気だ?」

「表に出る。こいつで稼ぎつつ情報収集だ。来るかい?」

「そうさせてもらう。他にやることはないからな」

「決まりだな。じゃあ行くか」


・・・・・・アッシュの奴とこの光。

関係性がない、とは言い切れないが・・・

まぁいい。詮索は後だ。とりあえず、演奏できるぐらいに酸素取り入れねぇとな。

すぐに酔いが回ってきちまう。

フェイトめ、実家に帰ったら覚えてろよ・・・


                                        続く

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