Tales of Japan【1】
血みどろの服・・・。
僕の右手には血がついた刀・・・。
そして目の前には両親の死体と異形の生物・・・。
その日・・僕の壮絶な冒険が始まった。
第一予言「1999年」
ノストラダムスの大予言。
それは1999年の七の月に恐怖の大王が世界を滅亡させる‥と言われるもの。
僕はそんなものは信じていなかった。
今日もいつもと同じように都内の高校(府丘高校)に通う。
クラスに入ると一人の青年が寄って来た。
青年「お~い!幸太!久しぶり!!」
僕の名前は(中坂 幸太)高校一年生だ。
クラスの中でもたいして目立たない方だか、友達は多い方だと思っている。
部活は剣道部。趣味は映画鑑賞。どこにでもいる高校生だ。
幸太「んっ?あぁ、まあ元気・・かな?」
連休明けで、久しぶりに会った友達に素っ気なく返した。
幸太「で、政也は元気?」
先ほど声をかけてきた青年の名前は(夏川 政也)。
小学校からの古仲間で、同じクラスで同じ剣道部に所属している。
普段はへらへらしているが、いざという時には役に立つ奴で友達も多い。
政也「そういえば明日だよな?世界滅亡の日。」
そう聞くと僕はクラスの壁にかかっているカレンダーに目をやった
幸太(6月30日・・・か。)
僕は心の中で日付を確認した。
幸太「そうだな。って、お前そんなの信じるわけ?」
僕は鞄から教科書を出し机の中に入れながら言った。
政也「だってお前テレビでも散々やってたぞ!?隕石が降るだの大陸が沈没するだの!!」
興奮して言う政也を見て冷静に僕は言った。
幸太「隕石ならとっくに観測されてるはずだし、沈没するのであれば、地震か何かが
起こるだろ?そんな大きな地震が起こることが今わかってないことがおかしいだろ?」
それを聞くと政也は確かにという顔をして自分の席のほうに歩いていった。
部活が終わって自宅に帰った幸太は自室でテレビをつけた。
テレビはどれも普段と変わらない内容だった。時たまニュースでノストラダムスの話がでる程度であった。
幸太「・・・・来るわけないよな・・。」
幸太は一人つぶやき部屋の隅に置いてあるギターを手に取り弾きだした。
曲名は「HOPE&WILL」・・・。女性の歌手が歌っている歌だが、とても静かで心が洗われる歌だ。
(いつでも僕は君を思い続ける たとえ永遠の別れであっても それでも心はいつも共に)
と、サビの部分を口ずさみながら歌った。
その時、家のチャイムがなり、母が呼びに来た。
母・千代美「幸太~。同じクラスの夕美ちゃんが来たわよ~。」
母のクセ・・いつも語尾をのばすのだ。
幸太「今行くよ!!」
そう言うと幸太はベッドにギターを置き部屋を出た。
夕美「はいっ!これ。」
玄関で会うなりいきなりノートを渡され、幸太は戸惑った。
幸太「えっ・・こ、これは?」
夕美「何って、今日の帰り教室に落ちてたのよ。ちょうど、帰り道がこっちのほうだから
わざわざ届けてあげたんだからね。感謝しなさいよ。」
得意げな顔をして喋る夕美を見て幸太は腹が立った。
幸太「で・・何だよ。」
少し小さい声で言った。
夕美「えっ・・別になにもないけど・・。怒った?」
夕美が幸太の顔を覗き込んだ。
幸太「別にっ!」
そういうと幸太じゃリビングの扉を開け入っていった。
玄関には夕美一人が残された。
夕美「何あいつ・・結構可愛いじゃん。」
そういうと夕美は玄関を出て自宅に帰った。
午後11時26分。政也から一通のメールが来た。
(メールで人類滅亡のときを待とう!!(^□^))
幸太(・・馬鹿が・・・。)
幸太は苦笑するとメールを返信した。
そんなたわいもない時が過ぎていった。
少し時間が経った時少し揺れを感じた。
幸太(地震・・?)
そう思ったとたん大きな揺れがあった。
幸太(おいおい!マジか!!?)
内心冷静を保とうと思ったが無駄だった。
しかし、思って以上に揺れは短くすぐおさまった。
と、同時にメールが来た。もちろん政也からだ。
(きたぞぉ~人類滅亡の第一章だぁ~!!)
幸太(馬鹿馬鹿しいなぁ~・・。)
そう思い幸太は、
(はいはい・・・さっきのは序曲にすぎないであろうなぁ~(笑))
と冗談交じりで送った。そして時が瞬く間に過ぎていった・・・。
午後11時53分。
幸太(・・・そろそろだな。)
時計を見ながら幸太はおもった。
幸太(・・・にしても、政也の奴どうしたんだ?さっきからメールをよこさないで。)
鳴らない携帯をベッドに投げ、幸太はテレビをつけた。
テレビではどのチャンネルでもニュースをやっていた。先ほどの地震に関するニュースもやっていた。
キャスター(先ほどの地震の被害は今のところなく震源地は東京湾沖10キロ地点と判明。東京都では震度4を記録しました。)
幸太(震度4か・・結構大きかったな。)
そう思い携帯をちらりと見たが、いまだにメールはこない。
すると臨時ニュースが入った。
キャスター(臨時ニュースです。ただ今東京都新宿区で異形な生物が現れ、人々襲うという事件が発生。
異形の生物は警察官の発砲により死亡を確認しましたが。正体は解剖しないとわからないそうです。)
幸太(異形ねぇ~・・・。)
幸太はあくびをし、ベッドに寝転んだ。
時計は11時55分を指していた。
その時、テレビの時計が目に入った。
(午前0時12分)
その時背筋が凍った・・・。
部屋の時計はまだ55分。遅れていたのだ。
幸太(・・・まてよ・・政也から最後にメールが来たのが7分ぐらい前・・。
と、考えると地震が起きたのがちょうど0時!その5分後・・・。音信不通になった。これは・・・?)
幸太は嫌な予感がした。その時、テレビから悲鳴が聞こえた。
幸太がテレビを再度見るとキャスターが血まみれで倒れている。そしてそこには異形の生物・・・・。
幸太(もしかして・・いや、そんなはずは・・。)
しかし、冷や汗が出てきて手が汗まみれになっていた。
幸太(もしも・・もしものことを・・。)
そう思うと、クローゼットの奥から日本刀を出した。
これは、幸太が高校進学の前に父から買ってもらった刀・・・。
高校に入ったら居合いも習おうと思っていたのだが、勉強との両立は無理だと考え断念したのだ。
幸太(・・これで勝てるのか・・?)
内心不安になりながらも刀を抱く幸太。その時、一回から母・千代美の声が聞こえた。
千代美「きゃぁぁ~あなたたぁぁ~!!!!」
その声と共に窓が割れ、翼の生えた鳥形の人間が入ってきた。
幸太(うっ・・うわぁぁー!!)
幸太はとっさに刀を握り居合い抜きをした。刀は空を斬ったはずだった・・が。
鳥形のモンスター(キェェェェェ!!!!)
断末魔と共にモンスターは横に真っ二つになり、返り血が幸太に降り注ぎ服が血まみれになった。
幸太は割れた窓の外を見た。
町はまさに地獄絵図で、家は赤く燃え、人の叫び声がそこら辺で聞こえていた。
幸太(これが・・人類滅亡の瞬間なのか・・・?)
そう思い、先ほどの千代美の声が気になり一階の寝室に行った・・。
幸太「・・・これは・・・。」
幸太は声が出なかった。
寝室の床に横たわった両親の死体。
そして、その死体をむさぼり食う異形の生物がいた。
その生物は体中にたくさんの尖った触手をもった人間型の生物だった。
幸太「な・・なんなんだよお前は・・・。」
その声を聞くとその生物は食べるのやめ喋りだした。
ガラ「私の名前はガラ・・・。闇の帝王(バルナ)様に仕える魔獣五人衆の一人なり。
今からこの地球は我ら(マララガンダ)のものになるのだぁ!!」
そういうと、無数の触手が幸太目がけて襲い掛かってきた。
~続く~
・ どうも作者の武蔵です。
・ え~・・・今回初めて投稿したオリジナル作品です。楽しんでもらえると非常にありがたいのですが、皆さん最後まで応援よろしくお願いします。