命
今まで・・・生きている意味なんて無いと思っていました・・・・・
母親には見捨てられ、どこに行っても嫌われて・・・・
僕にはもう死しか残ってないと思った。
けど、そんな僕に手を差し伸べる人がいた。
だから・・・・
僕は今もこうして生きている・・・・・。
「ねぇ!」
僕はいつの間にか、木の下で寝ていた。
目を覚ますと、前には僕と同い年くらいの女の子がいた。
太陽が眩しくて、よく顔が見えない・・・・。
「ねぇってば!起きてる?」
「なんでしょうか・・・」
「お腹、すいてない?」
「まぁ・・・・」
「じゃ、ハイ!」
女の子は僕にパンを差し出した。
親切な人だ・・・・。
こんな世の中なのに、僕に食べ物をくれるなんて・・・・。
でも・・・僕は呪われた子供だ・・・・。
この子の親に知られたら、叱られるに決まってる。
「いいです・・・・僕のことは気にしないで下さい・・・・」
「ダーメ!このままじゃ、君死んじゃうよ?」
「死んでも・・・・構いません・・・・」
パンッ
彼女は僕の頬を叩いた。
人に殴られたりするの慣れてるから、そんなに強い痛みではなかった。
彼女も本気じゃなかったと思うし。
「死んでもいいなんて言っちゃダメだよ・・・・。そんなこと言ったら、病気で苦しんでる人が可哀相だよ・・・・」
「すみません・・・。でも・・・・僕には生きている価値なんてありませんから・・・・」
「価値?そんなの私にだってないよ。でも、誰かのために生きていたいって、私はそう思う」
「僕には・・・・そう思える人はいないから・・・・・」
僕は、いつも一人だから・・・・。
そばには・・・誰もいないし・・・作ろうとも思わない。
さらに嫌われてしまうと思うから・・・。
だから・・・・・僕は一人でいいんだ。
いたとしても、その人は僕と一緒にいると不幸になる。
僕と一緒で、嫌われ者になってしまう。
悲しい思いをするのは、増やしたくないから。
「じゃ、君は私のために生きよう!私も、君のために生きる!」
「僕は君にふさわしくないですから・・・・・」
「ううん。そんなことない。私、君のこと嫌いじゃないし!あ、名前は?」
僕の言った質問の答えになってないし・・・・。
名前・・・か・・・・。
「僕には・・・名前はないんです・・・」
ないと言うか・・・・多分忘れた。
親にも、周りの人たちからも、「お前」とか「ガキ」とかしか呼ばれなかったし。
多分・・・あるんだろうけど。
名前なんて僕には必要ないし。
呼んでくれる人なんていないから・・・・・。
「では、僕は行きます。大人の方々に見つかったら大変ですし・・・・」
「逃げちゃダメだよ!そんなことしてるから、仲間はずれにされちゃうんだよ!」
「逃げてなんて・・・・いませんよ・・・・・!」
「逃げてる!」
「・・・」
「行くとこないんでしょ?私の家に来なよ」
彼女は僕に、手を差し伸べた。
でも僕は、その手をとることはできない。
人を信じるのが怖いから・・・・?
違う、彼女の未来を思ってだ・・・・。
「命!」
「・・・?」
「君の名前!命って書いて、ミコトって読むの!君にピッタリだよ!」
「はぁ・・・」
「じゃ、行こう!」
「へ・・・・?」
彼女は僕の手を引っ張った。
「じゃ」の意味が分からないけど・・・・。
彼女の手は、とても温かい・・・。
これが・・・人の手の温度なのか・・・・。
僕は、甘えていいのだろうか。
彼女には、到底かなわないと思うし。
これで受け入れてもらえたら、僕はもう逃げない・・・・。
「あ、あの!君の名前は・・・・?」
「私は聖(セイ)!よろしくね!」
「はい・・・・」
僕は、いい人にめぐり合えた。
彼女が住んでいる村は、いい人ばっかりだった。
赤色の瞳、白い髪の毛の僕を、どうってことないって言ってくれる。
生きているんだから、みんなと一緒で人間だって、言ってくれる。
これが・・・嬉しいって言うのだろうか・・・・。
生きていることが、こんなに幸せなんて、全然知らなかった。
感謝しなくちゃな・・・・。
僕を生んでくれた、母上にも・・・・・・。
終わり
あとがき?
えと、小説を投稿するのは今回が初めてなミモリです。
感動・・・・ではないですね。
と、いうか、実際こういうことがありました。
聖が言った、「価値?そんなの私にだってないよ。でも、誰かのために生きていたいって、私はそう思う」
って、姉に言われたんです。
無駄話はこれくらいにして、俺の小説を読んでいただき、本っっ当にありがとうございます。
また、俺が何か出しましたら、読んでくださると嬉しいです!