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『Tales of Grandia』【8】


第四章  『The Fact』 後編


ネックスとアンネルの二人はあの少女の後を追って行った。
なぜだかわからないが、後を追いたくなったのだ。
しかし、少女はどこか闇の中に消えてしまった、無駄な足とりだった。
二人は断念して『パルクルート』の町を出て行った、あの事件の二日前だった。
そう、あの事件、本当の闇が暴れだす前触れだ。

ネックス達がまだ少女を捜している頃、『パルクルート』よりも北に位置する『メイ
リン』の町では残虐な事件が起こっていた。

奴らは必ず夜に現れる、暗闇が得意なのだ、集団で大勢の人間を殺すのが好きらしい。
まだその姿を見て生き残った者はいない。
その夜、たった数分で『メイリン』の人々は奴らの餌食となった。

ネックス達は何も知らずにできる限り歩けるだけ歩き、そして次の町を目指していた。
『何だか凄い暇ね』
アンネルはあくびをしながら言うと、ネックスはこう言った。
『僕達がどこにいるのかわからなくなってきたな』
その言葉にアンネルは仰天した。
『ちょ、ちょっと!わからないってどうゆうこと!?』
だがネックスは何も心配いらないという表情で呑気に歩く。
『ここからまっすぐ行けば絶対王朝に着くはずだ』
たしかにそうだった、長い道のりだが、真正面には大きな山が聳えたつ、『ミッドハ
ンク山』だ。
その横には海が広がり、港を行けば王朝のある島『エルクランド』に到着できる。
そこで何か情報得ればいい、ネックスはそう思っていた。
草原と森が続くこの『サーガ星』で世界の破滅を知っているのは五人だけ、早くしな
ければ。
と、そこに馬に乗った一人の男が彼らに声をかけた。
『そこの若者!どこに行くんだい?』
その男は鎧を着て剣と盾を持っていた。
『久々にサーガ星に来たら、色々と大変だな』
”ん?久々?”
ネックスはその男にこう質問した。
『どこ出身ですか?』
男は自信溢れた顔つきでこう言った、何だかクリフトそっくりだ。
『俺はローク星の突撃歩兵団の竜頭大佐だ』
”え!?大佐!?しかもローク星の??”
そうすると男はこう言った。
『俺の名はシルド バンサーだ』
”シルド バンサー........どこかで聞いたような.....”
そこにアンネルがこう聞いた。
『エルクランドに行きたいんだけど、道を教えてくれませんか?』
シルド バンダーは少し考えてから、彼らにこう言った。
『よかろう、まぁ俺も暇な旅だから一緒に行かないか?』
アンネルはすぐにいいと答えたがネックスは少々迷いぎみに了解した、旅の仲間は三
人となり、また行くべき道を歩みだした。

そうしている間にも夕日が差し込んできた。
その頃にはもう小さな村に到着していた、早速宿屋に泊まる。
アンネルは個室で過ごす事にした、後の二人は同じ部屋だ。
『君の父さんは何をしているんだい?』
シルドはネックスに問いてみた。
『僕の父さんも軍で大佐をやってます』
するとシルドは窓を開けながら言った。
『ほう、ネックスの父親も大佐か、奇遇だな』
そこで話が止まった、空はもう暗闇に覆い尽くされていた、月がほのかにも明るい夜
だった。

だが、その夜中だった.........奴らが現れる絶好の場面だ。

突然耳を張り裂けるような叫び声が村中に響き渡った。
それに伴いあらゆる民家から悲鳴が次々と聞こえて来る、恐怖に満ちた叫びだ。
ネックスとシルドは直ぐさま起き上がり、ネックスはアンネルの部屋に急いだ。
『おい!アンネル!!起きろ!!』
ドアを激しくノックすると、アンネルが眠たい顔を見せながら出てきた。
『もう、何なのよ~こんな時間に~........』
その時、外からいくつもの悲鳴が彼女の耳に響き渡った。
『いいから!ここを出るんだ!!』
アンネルは持てる物を持てるだけ持って走り出た。
外に出るともうほとんど人の声は無かった、さっきまであれ程騒がしかったのに。
暗い村の中を突っ走る、だが、彼らの前に現れたのは、黒よりも黒い見た事もない生
き物がいた。
そいつは低く唸り、こっちを見た、しかし眼がどこにあるのか見当たらない、その前
に怪物の姿がおぞましくあらわとなった。
小型の恐竜の皮をはぎ捨てた様な体、だが大きさは人よりも大きい、先が真直ぐ尖っ
た尻尾、獲物をしとめる巨大な爪、そして頭は口しか見当たらないツルツルした細い
顔、前方に倒れる姿勢と体に沿って後頭部から伸びた尾のような物、牙は無造作にも
生えている。
未知の生き物だ、一体この生物は何なのか彼らには分かるはずもなかった。
すると次々とその生き物は出て来る、いつの間にか辺りを囲まれた。
『ついに見つけたぞ、選ばれし者を.......』
そしてそこに現れたのは斧を持った男だった、まるで生き物をペットの様に扱ってい
る。
『誰だお前は!!』
ネックスは念を入れて聞いた。
『ん?俺か、俺はガルディス リョーグだ、貴様を殺しに来たんだぜ.........』
”何だって!?”
どうやらこいつはネックスを殺しに来たらしい。
『さぁ、殺れ.........』
ガルディスがそう言うと、怪物は物凄い速さでネックスに襲い来る。
と、その時だった。
突然大きな火球がガルディス目掛けて飛んできた。
その向こうにはカイパーがいた、重々しい一発ずつ装填するタイプのグレネードラン
チャーが片手に握られていた。
ガルディスは火球を斧で弾いた、ガルディスは攻撃目標をカイパーにしろと怪物達に
言った。
『カイパー!!』
カイパーは何も言わずにそのままどこかに消えて行った。
ネックスはガルディスの正面に立った、戦う気であった、するとシルドとアンネルも
ガルディスに立ちはだかる。
『ほう、この俺に立ち向かうザマかいいだろう、あの世に逝かしてやるよぉ!』
ガルディスは向かってきた、初めに攻撃に出たのはシルドだった。
『何者か知らんが、負けてはいられん!』
ガルディスとシルドの刃物が互いにぶつかり合う、激しい金属音が辺りに響く。
シルドは一歩素早く下がり、技を仕掛ける。
『これでどうだ!空破!絶衝撃!!』
神速なる速さの突きが一度敵を突き抜けさらにもう一度突きを浴びせる。
さらにそこに。
『プリズムフラッシャー!!』
護法話を唱えアンネルが術を喰らわす、真上から光のカーテンが現れいくつもの光の
剣がガルディスを苦しめる。
『馬鹿にしおって、斬空覇刃昇!!』  (ザンクウハジンショウ)
斧を回転させながら空中に敵を舞い上げる、シルドは斧に巻き込まれ空高く吹っ飛ん
だ。
『行くぞ!閃空裂破!!』
ネックスは体を回転させながら光を伴う突きが空中に舞いながら連続でガルディスを
攻める。
『ええい!邪魔だ!もういい、消えてもらおう............』
そう言うとガルディスは斧を構えて突っ走ってきた。
『死ね!!地獄に落ちろ!!』
そして。
『冥翔、堕天奈落!!!』
斧を振り回しながらネックスを宙に昇らせる、そして力を込めてさらに打ち上げる。
そして飛び上がりネックスを斧の平たい部分でたたき落とし、地面に落ちた所でさら
に真っ二つに斬る。
『逝っちまいなぁ!!』
だが間一髪でネックスは最後の一撃をかわした。
と、その時だ、空から一本の剣が降ってきた。
暗闇に光り輝く剣だ、傷付いた身を引きずりながらも、ネックスはその剣に接近する。
地面に突き刺さった剣をネックスは引き抜いた、すると剣は輝きだした。
刃が鮮麗された剣を掲げてガルディスの方を向いた。
『何?そ、その剣はぁ..........』
ガルディスはその剣に驚いていた、ネックスはこの身から湧き出る力を噛み締めてい
た。
『ガルディス、覚悟しろ.......』
ネックスはその剣を両手で持つとガルディスに向かい出した。
『炎よ、我が刃となれ、鳳翔剣!!』  (ホウショウケン)
炎を纏った剣を空中に突き上げ、そして燃え上がる相手を斬り飛ばす。
ガルディスは炎の舞いを喰らい、その場に倒れた、だがネックスの追撃はさらに強かっ
た。
『これが秘奥義、白熱の旋風、鳳仙!火撃衝!!!』  (ホウセンカゲキショウ)
白熱の炎を纏い、相手目掛けて炎の突きを放つ秘奥義が炸裂する。
そして着地と共に炎が舞い上がる爆発が周りを包んだ、ガルディスはボロを纏いなが
ら炎の中から現れた。
『く、くそ......今日はここまでか..........』
そう言うとガルディスは一人闇の奥に消えて行った。
天から舞い降りた謎の剣、その力は計りしれない物だった。



後書き’
どうもリッド~です、黒豹Vさんから頂いた『鳳翔剣』を使いました、ありがとうご
ざいます!
今後もたくさん続くので宜しくお願いしま~す!
あと感想待ってます!

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