ルークとアッシュが生まれたとき【1】
ND2000―、おれは、キムラスカ王国のファブレ公爵邸で生まれた。
「おぎゃあ、おぎゃあ!」
元気な産声だ。
「おお、生まれたか!」
ファブレ公爵―、父は歓喜の声をあげ、生まれたばかりの子を抱きしめた。
母―、シュザンヌも喜ぶ父と、生まれたばかりの子を見て、優しく微笑んだ。
「あなた、この子の名前はどうしましょう?」
二人は考え込み、父がひらめいたように顔を上げた。
「そうだ、ルークと言う名はどうだ?」
「いい名前だと思うわ」
シュザンヌも賛成し、生まれた男児はルークという名になった。
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ルークは1歳になり、歩けるようになっていた。公爵邸内でガイと遊んでいる元気な
ルークを見て、両親は微笑み、ガイも楽しく遊んでいた。
「ルークが私の後を継いでくれるのだな。」
「ええ、そうですよ。」
質問に答えるようにシュザンヌが言う。
「では、継ぐに相応しい知識、剣術を教えねばならないな。」
顎に手をあてて、公爵が言う。
「でも、それ相応の剣術を取得している方がおりませんわ。」
「そうか・・・」
公爵は落胆する。
「失礼いたします!」
全身に鎧を纏った騎士が二人のいる部屋に入ってきた。
「さきほど、お二人がされていたお話を耳にしまして・・・・・・・・」
騎士は、自分が知っているある男の話をし始めた。
≪続く≫