デスティニー外伝【1】
デスティニー外伝
~第一章:存在~
ー少年は悩んでいたー
リオン「はぁ・・
シャル「・・どうしたんですか?ぼっちゃん。さっきからため息ばっかりですよ?
リオン「・・・なんでもないさ・・・
少年ーリオン マグナスは、今、共に旅をしている仲間に、本当の事を喋るべきかど
うか・・・悩んでいた。
仲間ー否、ルーティ カトレットに喋るべきかー
彼女は、リオンの姉だ。リオンはそれを知っている。
しかし、ルーティは知らない。今の今までそれを隠してきた、黙っていたから。
リオン「姉さん・・・・か・・・・
シャル「・・その事・・早く言ってあげましょうよ・・僕だったら、『早く本当の事
を、打ち明けてほしい』って、思いますよ・・
リオン「・・それは、シャルだったら、の話だろう?
シャル「確かに・・そうですけど・・・
少しの間、二人の間に沈黙が流れた。
「おーいリオーン!!居るんでしょう?入るわよー!!
ドアの外から、威勢の良い声が聞こえた。
リオン「・・・・入れ
途端、勢いよくドアを開く音がした。
入ってきたのはルーティ。
リオン「何の用だ
ルーティ「これからアイテムの買出しに行くのよ。あんたも誘っておこうって、スタ
ンがうるさいから、あたしがわざわざ呼びに来てやったのよ。・・で、行くの?行か
ないの?
ーこれほど本当の事を喋るには、良い機会は無かった、とリオンは後々気づく事にな
る。
シャル(坊ちゃん!ナイスタイミングじゃありませんか!?今、本当の事を告げるべ
きですよ!!
シャルが、リオンにしか聞こえないほど、小さな声で言った。
リオン「-行かん。お前等にも、有利に買い物をする事位出来るだろう?
リオンはシャルの言葉を無視して言った。
シャル(ぼっちゃん!?
ルーティ「あっそ、やっぱりね。そんな返事がくるだろうと思ったわ。じゃあ、スタ
ンにはそう言っておく。じゃあね。
ーパタン・・
静かな部屋に、ドアの閉まる音が響いて、消えた。
シャル「どうして言わなかったんですか!?あれほどいい機会は無かったって、ぼっ
ちゃん・・きっと後々、後悔しますよ!?
リオン「わかっていない!!
リオンは、いつにも増してきつい口調で言ったため、シャルは思わず、びくりとして
しまった。
リオン「・・シャルは・・・わかっていない・・僕には・・あの人意外にもう・・頼
れる身内が居ないんだ・・!!
シャル「・・・
リオン「あの人に・・・姉さんに裏切られたら・・・僕はもう・・・本当に独りぼっ
ちになってしまうんだ・・・・この関係が崩れるのが・・それが、怖いんだ・・・
リオンは、声を上げることなく・・泣いた。
膝に涙が2,3滴落ちた。
シャル「でも!!・・ぼっちゃんは・・誰かに・・知って欲しいはずです!!『エミ
リオ カトレット』-この人物が居るって事を・・・その事実を・・誰かに知って欲
しいはずだ!!
リオン「エミリオの・・存在・・そんな奴が・・・存在して良いのかすらもわからな
いんだ・・僕には・・それすらもわからないんだ・・!!
シャル「・・・『エミリオ』ぼっちゃん・・・わかりました・・・そうですよね・・
・ぼっちゃんは、今とても、不安定な場所に居る。そこから抜け出そうとすると、凄
く危険な状態になってしまいそうで・・・そんな事、簡単に出来るはず、ないですよ
ね・・
リオン「すまない・・シャル・・おまえにも・・心配を掛けてしまったな・・
シャル「いいえ・・・僕こそ・・・口を挟みすぎました・・
二人とも、どちらとも無く謝る。
そしてまた、部屋に沈黙が戻った。
リオンは、ふてくされたのか?今まで座っていたベッドに潜ってしまった。シャル
ティエも黙ったままだ。
-はたして、『エミリオ』という少年は居た事になるのだろうか?-
それは、後々わかること・・・
~後書きらしき物~
いきなりこんな、姉弟同盟のような小説で良いのかな?(良くないって)まあ、こん
な感じで、シリアスっぽい内容で書いていくつもりです。
『エミリオ』を中心としたリオンの心境?小説、読んでいただいた御方に感謝いたし
ます♪
次回、第二章。『祝』ですお楽しみに♪(なにが『お楽しみに』、だか