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すず・OF・フューチャー【17】


          すず・OF・フューチャー

マリア?「この章のあらすじの説明は四人でやります。あ、私はクレスの母マリア=アルベイン。」
メリル?「私はミントの母親のメリル=アドネードと、いいます。」
アミィ?「みなさんこんにちは、チェスターは私のお兄ちゃんです。名前はアミィ=バークライト。」
リア?「私だけ親類じゃないんですけど・・・・リア=スカーレット、生前はアーチェの友達でした。」
マリア?「あら!メリル!いつもクレスがミントにご迷惑をかけて・・・これ、つまらない物だけど・・・」
メリル?「そんな!気にしなくていいのよ!逆にミントの方が、クレスに迷惑をかけてるんじゃ・・・」
マリア?「いえいえ、いつもクレスに食事を作ってもらってるこっちの方が・・・」
アミィ?「えっと・・・・マリアさんとメリルさんは親の会話をしています・・・ね、リアさん!」
リア?「え・・・・あの・・・・は、はい・・・そうですね・・・・・」
アミィ?「・・・・(リアさんは人見知りが、少し激しいみたいですね・・・・・)あたし達しかいないから、二人で一緒に頑張ろうね!」
リア?「あ・・・はい!・・・・・あ、でも・・・マリアさんとメリルさんは・・・?」
アミィ?「あ・・・・まだ終わってない・・・・・・話が終わったら参加してくれると思うから、先に説明しましょう!」
リア?「そうですか・・・・・えっと・・・・今みなさんはバルーセルさんの城で、バルーセルさんと戦っています。」
アミィ?「(バルーセルは呼び捨てでもいいんじゃないかなぁ?)・・・あ!他の敵は、精霊と同じ形をしたモンスターで、お兄ちゃんもクレスさんも精一杯戦ってたの!」
リア?「その時、ゼロさんとベルさんが現れて、オスロンさんとルミナさんのピンチを救ったんです。」
アミィ?「二人も加わり、戦いはさらに本格化して行くのです・・・・・・。」
リア?「・・・・・終わりましたけど・・・マリアさんとメリルさんは・・・・」
アミィ?「あ・・・・・今度は世間話になってる・・・・」
リア?「・・・・・どうしようか・・・・アミィちゃん・・・?」
アミィ?「・・・・・とりあえず終わらせよ?二人で。」
リア?「あ・・・・はい・・・・(深呼吸)・・・・それでは。」
アミィ?、リア?「それでは、本編をどうぞ!(です。)」

          第十七章 幻惑・NO・ナカデ

ゼロ「・・・・・・・・・・・・・・・・」
オスロン「・・・・・・・・・・・・・・・・」
バルーセル「・・・・・・どうしました?来ないのですか?」
だが、ゼロ達は動けなかった。
こちらが先に動けば返し技が来る・・・だからもし敵の方が先に動いたら、すぐに攻撃できるよう、それぞれの相手に一足飛びで攻撃できるよう間合いを詰めていた。
これならたとえ呪文を詠唱しても、接近戦が得意な者は攻撃を、呪文や弓が得意な者はすぐに抑えられるような呪文を使えるからだ。
だから、今は安易に敵の挑発にのらないで、耐えるのが最善の手だ・・・しかも、おそらくバルーセルも同じ事を考えてるから余計に動けない。
以上の事から、ここは我慢比べをして、先に動いて状況が不利になる事を防ぎ、こちらを有利な状況に置こうとし、どちらも動かなかった。
バルーセル「さあ・・・・来ないのですか?あなたの愛する者を殺した男は目の前ですよ?」
ゼロ「くっ!・・・・・ぐうう!・・・・ぬ!ぐっ!!・・・(耐えろ!・・・耐えるんだ!・・ここで動いてもすずの仇は取れない!!)」
バルーセル「・・・おそらくは早く仇を討てと藤林すずは天国であなたに懇願してますよ?・・・無念を晴らしてくれ・・・と。」
ゼロ「!!うるさい!!お前にすずの何が分かる!!すずは!・・・・すずは!!!」
ルミナ「ゼロ!落ち着いて・・・・・・挑発にのっちゃ・・・・」
ゼロ「はあ・・・はあ・・・・すまない・・・・」
怒ったゼロを、ルミナが押さえ、再び静寂な膠着状態に陥った・・・
膠着状態のまま、時間だけが刻々と過ぎていき、一部の者はそろそろこの緊迫した状況に耐えられなくなっていた。
イグミス「まだ・・・・まだ動かないのか・・・・・」
ミレア「はあ・・・はあ・・・少しでも気を抜いたら・・・・こっちがやられる!」
ルミナ「いっそこっちから先制攻撃したら・・・・ううん・・だめ・・・もう少し・・・もう少しだけ・・・」
こうゆう状況は初めてなのか、無限に思えてくる時間が焦りを産み、彼らの気力もそろそろ限界に到達しようとしていたその時!
バルーセル「いい事を思いつきました・・・・」
そう言ったバルーセルは両手に魔力を集結させ始め、徐々に黒い玉が出来てきた!
ベル「させない!」
ゼロ、ベル、オスロン、ルミナが一斉にバルーセルに飛び掛ったが、それよりも早くバルーセルは両手に集めた黒い魔力の球体を上空に投げた!
黒い玉は、天井近くで膨張し、あっという間に部屋全体を包み込んでしまった!
そして全員が目をつぶり、防御の姿勢を取っていたが、痛みも何も感じずに目を開けると、黒い玉も、それが膨張した物も、影も形も無かった。
みんなが単なるハッタリか?と思った時、突然アーチェが悲鳴を上げた!
アーチェ「止めて!お願い!あたしを!あたしを一人にしないでええぇぇぇ!!!」
チェスター「アーチェ!アーチェどうした!・・・・アーチェ!!」
アーチェ「・・・みんな・・・・・みんな死んでいく・・・・リアも・・・お父さんも・・・・クレスもミントも・・・・!やめて!チェスター!チェスター!!起きて!!」
チェスター「しっかりしろアーチェ!・・・・バルーセル!アーチェに何をした!」
バルーセル「・・・・・彼女は今夢を見ていますよ?・・・・昔の事・・・そして近い内に必ず事を。」
そう・・・アーチェは夢を見ていた・・・・しかし・・・それは最後には必ず不幸になる悪夢を・・・・

アーチェの夢の中・・・
アーチェ「なにこれ・・・・あ・・・この場面は始めてチェスターにあった時の・・・・」
アーチェはホウキも無いのに空に浮き、モリスンの家の前で、昔の自分や、チェスターを見ていた。
クレス『アーチェ、紹介するよ。僕の幼なじみのチェスターだ。』
もう一人のアーチェ『ふ~ん・・・・なんか弱そう。』
チェスター『な、なんだと!!』
アーチェ「あはは、この時こんな事言ったっけ?でもホントはちょっとカッコイイ奴とも思ったっけ。」
そして急に周りが暗くなり、明るくなるとアーリィの宿屋の前に立っていた。
チェスター『誰が嫌いだって言った!?俺は会った時からお前のこと・・・・!!』
もう一人のアーチェ『え?・・・・・え??』
チェスター『・・・・・・・・・・・・・・・。』
アーチェ「これ・・・結婚した後聞いたら、あたしの事好きだって言おうとしたって言ってたっけ・・・恥ずかしくて言えなかったらしいけど。」
その時、チェスターの方を向いて、呆気に取られていたもう一人のアーチェがアーチェの前に立った。
アーチェ「え??」
もう一人のアーチェ『でも・・・・種族の違うあたし達は幸せにはなれないんだよ。』
アーチェ「ど、どういう事!?」
もう一人のアーチェに問い掛けるアーチェだが、答えを聞く間も無く、周りが闇に覆われ、また場面が変わった。
アーチェ「ここは・・・・ハーメルの町・・・?」
変わり果てた町を、アーチェがとぼとぼと歩いていると、人の気配を感じ、そこを覗いてみた。
もう一人のアーチェ『・・・・・リア・・・・リア・・・・・・』
アーチェ「これは・・・・リアの・・・お墓を作った時の・・・・・」
もう一人のアーチェ『だいじょうぶだよ・・・・あたし・・・リアに体を貸して上げる・・・・だから・・・・仇は取らせて上げる・・・・』
そしてリアの体から白い魂が抜け出し、もう一人のアーチェの体の中に入っていった・・・
アーチェ「・・・・この後・・・クレスとミントとクラースが通りかかるんだよね・・・・そして・・・デミテルを倒す・・・。」
思い出に浸ってるアーチェに、またもう一人のアーチェが話し掛けてきた。
もう一人のアーチェ『でもこんな事普通の人間には出来ない・・・・ここにも種族の違いがある・・・。』
アーチェ「っ!だから何!?それでもあたし達は結婚したし!子供も出来た!」
もう一人のアーチェ『確かにそうね・・・・でも・・・・人間とエルフでは絶対に違うものがある・・・・。』
アーチェ「な、何よそれは・・・・いったいなんなのよ!絶対に違うものって!」
もう一人のアーチェ『あなたはあたし・・・・だから分かってるはずだよ?絶対に乗り越えられない壁を・・・・』
もう一人のアーチェは、最後に自分とは思えないような、不敵な笑みを浮かべて先程と同様に、アーチェの回りは闇に覆われた。
再び闇が晴れた時、アーチェはローンヴァレイの山小屋の中に居た。
アーチェ「ここは・・・・・お父さんと暮らしてた、ローンヴァレイの山小屋・・・今度はいつの・・・・・」
もう一人のアーチェ『お父さん!お父さんしっかりして!!』
隣の部屋から、涙声の自分の声を聞いたアーチェは、隣の部屋を覗いた。
そこにはベッドに寝ている、アーチェの父バート=クラインと、涙を流しているこの時代のアーチェがいた。
もう一人のアーチェ『もうすぐ・・・もうすぐ医者が来るから・・・だから・・・・だから・・・・・』
バート『・・・・・・アーチェ・・・もういいんだ・・・・・この病気にかかったら・・・・もう治らない・・・・医者がそう言ったんだ・・・・。』
もう一人のアーチェ『でも・・・・・・でも・・・・』
アーチェ「・・・・・・・・・これは・・・なら今は・・・・・・・今の時代は・・・・・・・・・・・」
アーチェは昔の記憶を辿り、思い出した・・・・この日・・・この場所で何が起こったのかを・・・・・
バート『アーチェ・・・・人間も・・・・エルフも・・・・・いずれはみんな死んでしまう・・・・お父さんは・・・・・その時が来たんだ・・・。』
もう一人のアーチェ『そ、そうだ!クラースに頼んでさ、エターナルソードの力で未来に行けば助かるよ!』
もう一人のアーチェは、今より技術の進んでいるはずの、未来に行けば治療法もあると考えた・・・だが、
バート『・・・・・アーチェ・・・もういいんだ・・・・ただ・・・・・お前の花嫁姿を見れなかった事だけが未練だがな・・・。』
もう一人のアーチェ『お父さん・・・・そんな事言わないで・・・・・・・・お父さん?・・・・・お父さん!ねえ!返事してよ!!お父さん!!!』
アーチェ「・・・・・・・・・お父さん・・・・」
気が付くともう一人のアーチェに続いて、アーチェも泣いていた・・・・
もう一人のアーチェ『お父さぁん・・ひっく・・・・起きてよぉ・・・・目を開けてよぉ・・・・ひっく・・ひっく・・・』
アーチェ「・・・・・・・・・・・・」
アーチェは自分を慰めようと、もう一人の自分の肩をポンと叩こうとした・・・だがその手はすり抜け、虚しく空を切った。
アーチェ「・・・・・・触れない・・・・やっぱりこれは過去の世界なの・・・?」
その時もう一人のアーチェが振り向いた・・・だがその目にもう涙はない。
もう一人のアーチェ『もうわかった?人間とあたし達との一番の違い・・・・そう・・それは寿命と病気に対する強さ・・・あたし達は人間の何倍もの寿命があり、病気にも強い。』
もう一人のアーチェは、一度会話を止め既に息の無いバートを見た。
もう一人のアーチェ『だから、あたし達は生きている間に何度も別れを経験していく・・・・これからもずっと・・・・』
アーチェ「こ、これからってどういう事!?それにあんたはいったい誰なの!?」
もう一人のアーチェ『あたしはあなた・・・・そしてこれから何が起こるか・・・分かってるんでしょ?・・・見せてあげる。』
アーチェ「これから起こることってなに!?それに見せるって・・・きゃあ!」
山小屋の中に急に突風が吹き、アーチェは反射的に目を閉じた。
次にアーチェが目を開けた時、そこはミゲールの町の自分の家の前に立っていた。
そしてアーチェは何かに誘われるように、家の中へと入っていった。
アーチェ「・・・・・・誰も居ない・・・・二階?・・・・それとも・・・出掛けてる?」
アーチェは二階へと上がり、自分とチェスターの部屋のトビラが開いていてた。
トビラの影に、沈痛な面持ちのレオとミアン、それにロウがいた・・・そして三人に何があったのか聞いているミリエルの四人がいた
何があったのか、アーチェは気になり、人の気配がする自分とチェスターの部屋を、静かに覗いてみた。
そこには、フォルス、ベル、ルミナ、オスロン、イグミス、ミレア、そしてベッドで横たわっているチェスターにしがみ付く自分がいた。
アーチェ「これは・・・・・こんな光景見たことない・・・!・・見せてあげるってまさか・・・・じゃあこれは・・・・」
もう一人のアーチェ『チェスター!チェスター!!起きなさいよ!!あんたが寝坊なんておかしいよ!!いつも一番に起きるでしょ!ねえ!!!』
もう一人のアーチェはチェスターを起こそうと、必死に体を揺すり、声を張り上げて叫んだ・・・だが、チェスターは目覚めない・・・
ミレア『・・・・・母さん・・・・・父さんは・・・・・・もう・・・』
アーチェはミレアの言葉で全てを理解した・・・ここは・・・未来・・・・・そして・・・・・今からそう遠くない未来・・・・
アーチェは立っていることが出来ず、その場に座り込んだ。
もう一人のアーチェ『ねぇ・・・死んだふりなんてやめてよ・・・もう年なんだからさぁ・・・クレスも・・・ミントもクラースもすずちゃんも・・・・みんな・・・みんな死んじゃったんだよ?』
もう一人のアーチェのセリフに、さらにアーチェは絶句した・・・
アーチェ「クレスも・・・・ミントも・・・・・死んだ・・・?」
もう一人のアーチェ『これじゃあ・・・・これじゃあせっかくバルーセルを倒したのに!幸せに・・・平和になんかなれないじゃない!!』
もう一人のアーチェは、いったいどれくらい泣いたのか・・・・かなり声が枯れている・・・・
もう一人のアーチェ『あんた言ったでしょ!「お前は必ず俺が守ってやる」って!それなのに・・・それなのにあたし一人置いていく気!!?』
ミレア『母さん・・・・・』
もう一人のアーチェ『嘘つき・・・・嘘つきぃ!ほら!言いなさいよ!!いつもみたいな軽口!!!』
ミレア『母さん!抑えて!心を落ち着かせ・・・』
もう一人のアーチェ『う・・・・う・・・・馬鹿ぁ・・・・・馬鹿ぁぁぁ・・・・馬鹿ぁぁぁぁ!!!』
アーチェ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
アーチェの周りはいつの間にか闇に閉ざされ、一人ぽつんと座っていた。
そこにもう一人のアーチェが現れ、アーチェに話し掛けた。
もう一人のアーチェ『わかった?・・・どんなに好きでも、どんなに愛しても・・・・自分より先に居なくなり・・・そして最後には一人になる・・・・エルフと人間の子・・・その子と人間の子・・・・・寿命の長いエルフの血は、少しずつ薄れていき・・・やがて人間と同じになる・・・・・つまり・・・あたしよりミレアの方が先に寿命が来るかもしれない・・・・・・・・そんな未来に耐えられるの?・・・・・あたしは耐えられると思う?・・・ねえ・・・・聞かせて?あたしの考えを・・・』
アーチェ「そ・・・そんな事・・・・・・・させない!あたしが・・・あたしが必ずクレスも、ミントも、チェスターも守って見せる!!」
もう一人のアーチェ『それがあたしの答え?・・・・・でも、どれだけ守っても必ず分かれは来るんだよ?』
もう一人のアーチェの言葉に、アーチェは凍りついた・・・今しがた見た自分の父、バートが死んだ時の事を。
もう一人のアーチェ『それでも・・・それでもあたしは、生きる為に苦しむ愛する人を見続けるの?』
アーチェ「・・・・・イヤ・・・・・・・イヤ・・イヤ・・イヤ!イヤアァァァーーー!!!」

チェスター「アーチェ!アーチェ!!アーチェーー!!」
アーチェ「イヤ・・・・イヤ・・・・・」
アーチェの目からは、とめどなく涙が流れ、まばたきをする事もしない・・・。
チェスター「アーチェ!アーチェ!!アー・・・」
ミレア「いやああぁぁぁぁ!!!」
イグミス「ミレア!」
イグミスは、臨戦体勢を解き、ミレアへと駆け寄った。
イグミス「ミレア!ミレア!!しっかりしろ!・・・・・いったいどうしたんだミレア!!」
ミレアも夢を見ていた・・・・アーチェと同じ、悪夢を・・・・・
実はミレアもアーチェと同じく、イグミスとの寿命の差をすごく気にしていた。
ルミナ「う・・・・うう・・・・だめ・・・・・行かないで・・・・・」
オスロン「ルミナさん!?・・・・・くっ!なんだ!・・・母上!・・・やめろ!見せるな!」
さらに、ルミナ、オスロンと、バルーセルが使った術は、次々に発動していく!
ルミナはオスロンが目の前から去っていく所を、オスロンは母が自分を助けて落下してくる家の破片に潰される所を見せられていた。
イグミス「ミレア!な!ルミナ!オスロン!・・・!・・・なんだ・・・・!!やめろ!そんな事はない!・・必ず・・・守る・・!!・・・・やめろぉぉ!!」
イグミスは、目の前で家族を殺される夢を見せられた・・・イグミスはクレスとミントの二人から受け継いだ優しさが、仇となったのだ。
クレス「な・・・・ぐっ!・・・・やめろ・・・やめてくれ!!母さんを放せ!!父さん!!」
ミント「クレスさん!・・・・・!・・・いや・・・・・お願い・・・待って・・・・待ってください!!あ・・ああ・・・・・」
チェスター「そんな・・・・なんで・・・・なんでそこにアミィが・・・・やめろ!やるなら私を先にやれ!!やめろぉぉぉ!!」
クレスは、父と母が殺される時の夢を・・・ミントは、母が拷問の末、殺される夢を・・・チェスターは、恐怖に怯えるアミィが殺される夢を見せられていた・・・。
ルーティ「あ・・・ああ・・・・やめて・・・どうしてくるの?スタン待って!リオン!!」
スタン・エミリオ「ルーティ!!?」
フィリア「やめてください!リオンさん!あ!ウッドロウさん!ルーティさん!スタンさん!!」
ウッドロウ「やめるんだリオン君!フィリア!スタン!ルーティ!マリーーー!!!」
今度はルーティ、フィリア、ウッドロウが夢を見た・・・あの日、リオンと戦った時の夢を・・・だが、現実と違い、次々に仲間は死んでいく夢を・・・
ここで、現在夢を見ていない者は、ゼロ、ベル、スタン、エミリオの四人・・・だが・・・・それは唐突に来た。
スタン「な、なんだ!?ルーティ!ルーティ!!・・な・・・リオン!?・・・嘘だろ・・・・お前が・・・・ルーティを殺したのか・・・?」
スタンはあるはずのない夢、ルーティが殺された幻惑を見ていた・・・・そしてリオンの手には、赤く染まっているシャルティエがあった・・・という夢を・・・
エミリオ「フィリア!ウッドロウ!スタン!な・・・・これは・・・・マリアン!!やめろ!ヒューゴ!!逃げてくれ!マリアーーン!!」
エミリオは、ヒューゴがリオンが死んで用済みになったマリアンを殺す夢を見た・・・
ゼロ「いったい・・・・どうなっているんだ!?・・・ベル?ベル!」
ベル「・・・・・・・・・父上・・・・母上・・・っ!私・・・・私は・・・・・」
ベルは、目の前で血を流し倒れている父と母を見ていた・・・。
ゼロ「みんな・・・・な!・・・・すず!すず!!か、体が動かない!そこは危ない!逃げろ!逃げてくれ!!あ・・・・・・すずぅ!!!」
ゼロは、あの時の夢を見ていた・・・・そう・・すずが殺された時の夢を・・・
これで味方の中で動ける者は、一人もいなくなった・・・
バルーセル「おやおや・・・全滅ですか・・・張り合いのない・・・・では、一人一人殺していきますか。」
そう言って、バルーセルは倒れているゼロの所に行き、無防備になっている頭に手をかざした。
バルーセル「では、一番厄介なあなたから死んでもらいましょうか・・・・・エクス・・・!!」
バルーセルがそこまで言いかけた時、バルーセルはとてつもない殺気を感じ後ろに跳んだ、その時バルーセルのいた所に、空気が切り裂かれた!
バルーセル「なにっ!?・・・・夢を見ていたのではないのですか?」
ゼロ「・・・・見ていたさ・・・・・・おかげで再確認出来た・・・・・お前を殺す事を。」
ゼロの目はそれまでと違い、凍てつく様な目になった・・・・全てを凍らせるような冷たい瞳に・・・
そしてゼロの体から出る気迫と殺気は、今までよりもさらに強くなり、それはBCで守られているバルーセルを後ずさりさせるほどだった。
バルーセル「・・・・・ですが、一人で私と戦おうと言うのですか?・・・それはあまりにも無謀・・・」
ベル「無謀ではありません・・・私もいるから。」
ゼロ「ベル・・・。」
ベル「!!・・・・ゼロ・・さんですよね?」
ゼロ「そうだ。」
ベルは感じた・・・復讐の為とは言っていても、どこか優しくて穏やかな感じがしていたゼロに、それらは一切感じられなくなっていた。
ベル「・・・・・二人なら、戦えるはずです。行きましょう!ゼロさん!」
ゼロ「・・・ああ。」
ゼロとベルは、バルーセルの前後に移動し、挟み撃ちにした。
だが残っているBCは四つ、二人ではバルーセルどころか一つのBCを同時に攻撃することは出来ない。
バルーセル「では始めましょうか・・・・一人が二人になりましたが、二人なら私一人で充分です。」
バルーセルは、モンスター達に手を出すなと言い、戦闘体勢に入った。
エミリオ「残念ながら、僕もいる。」
ベル「エミリオさん・・・。」
エミリオ「僕はあの時の選択を後悔してはいない・・・・一度死んだ僕はすでに過去を断ち切っている!」
ベル「行きましょう!三人で!」
ゼロ「バルーセル・・・お前は俺が殺す。」

次回 第十八章 ゼロ・NO・タタカイへ続く・・・













どうも!お久しぶりです。作者の緋色の龍です。
いきなりですが、聖竜さん、イートさん、感想ありがとうございました。
おかげでかなりやる気が出ました!本当に、ありがとうございました!
さて、小説の方ですが、やたらと他のキャラより長いアーチェの夢ですが、
あれは他のキャラよりも長い時間生きてきたアーチェは、誰よりも多い別れを経験してきたからです。
最後に、長い時間更新できなくてすみませんでした。
では今日はこの辺で・・・では、また。

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