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すず・OF・フューチャー【16】


         すず・OF・フューチャー

スタン「今回のあらすじは俺達がやるんだって、ルーティ。」
フィリア「私もいますよスタンさん。」
スタン「え!?フィリア!??」
ウッドロウ「スタン・・・二人だけじゃなくて、私達全員だぞ。」
エミリオ「まったく・・・・何を考えていたのか・・・・」
ルーティ「早く説明しちゃいましょうよ!出来ないとギャラもらえないんだから・・・」
ウッドロウ「そうだな・・・・ここで話しているだけでは、無駄に時間を浪費するだけだ。」
ルーティ「ええと・・・・バルーセルの空中城でこの世界の勇者達が、苦戦してて私達が呼ばれたの。」
エミリオ「ふっ・・・・・あらすじは毎回見ている者にとっては意味の無い物だ。」
フィリア「まあそうですけど・・・・でも見ていなかったら必要ですし・・・・」
スタン「でも、あらすじだけだと物語の全体を把握できないんじゃないのか?」
ウッドロウ「確かにそうかも知れないが、説明が無いよりはいいだろう。」
エミリオ「だが、物語を飛ばして見るような奴が本当にいるのか?」
フィリア「それはわかりませんが・・・・世界は広いですから・・・・」
ルーティ「うるさーい!無駄な話してるとそれだけで時間終わっちゃうでしょーが!!」
エミリオ「ふっ・・・・もう遅い・・・・・時間切れだ。」
ルーティ「え!嘘!!・・・・・!!・・・・・そ・・・・そんなぁ・・・・・・」

        第十六章 再会・NO・チカラ

ルミナ「やあぁ!凍牙!炎爆襲!!」
氷を纏った矢の中に、さらに炎の魔術を入れて爆発させ、飛び散った氷の破片と残った矢で攻撃する、チェスター流魔弓術の秘技の一つだ。
だがその攻撃も、バリアクリスタル(以後BC)によってバルーセルには当たらず、弾かれてルミナは反撃を食らった!
バルーセル「甘いですよ!テンペスト!」
部屋全体に、大嵐と竜巻が巻き起こり、全員にダメージを与えようとして来る!
ミレア「ファイアストーム!」
ルーティ「ブリザード!」
炎の嵐と猛吹雪がテンペストを押さえつけ、相殺させた!
ウッドロウ「サイクロン!」
オスロン「エクスプロード!」
巨大な竜巻と炎の力を圧縮させた玉が、バルーセルに襲い掛かる!
だが、BCのバリアはやはり破れず、BCの体当たりを食らう!
フィリア「フィリアボム!」
スタン「紅蓮剣!」
イグミス「獅子!閃空破!」
爆発する薬品、炎を纏った剣、衝撃破と獅子の闘気を連続で放ったが、BCはそれでも耐え、反撃の体当たりを繰り出してくる!
バルーセル「無駄ですよ。その程度で私は・・・」
エミリオ「まだだ!空襲剣!!」
その瞬間、エミリオはバルーセルの背後に回り、激しい突きを繰り出した!
バルーセル「その程度・・・ですよ!」
バルーセルは振り向き様に、エミリオの腹にカウンターのパンチを喰らわせた!
エミリオ「があっ!」
エミリオは壁に叩きつけられ、かなりのダメージを受けた!
ルーティ「エミリオ!」
バルーセル「私はただの魔術師ではありません・・・・ある程度なら接近戦も出来るんですよ。」
バルーセルに弱点は無いのか・・・?そうみんなが考えていたその時!
アーチェ「タイダルウェーブ!!」
大津波が、カーテンのようにクレス達とルミナ達を分けていたファイアストームを消した。
ミレア「母さん!父さ・・・・・」
チェスター「許さん・・・!許さんぞバルーセル=ゾルン!!」
チェスターは一直線にバルーセルに向かって走り出し、拳を振り上げた!
アーチェ「チェスター無茶だよ!!」
バルーセル「ふう・・・まったく・・・・甘いですよ!」
バルーセルは走ってきたチェスターの力を利用して、腹にカウンターを喰らわせた!
チェスターの体は後ろに吹き飛ばされ、チェスターを追ってきていたアーチェに受け止められた。
チェスター「くっ!まだ・・・まだ・・!ゴホッ!ゴホッ!」
言葉とは裏腹に、チェスターは腹を抑え、口から血を吐いた!」
アーチェ「チェスター!チェスター!!ミント!ミント早く来て!!!」
ミント「キュア!!」
ミントはすぐに詠唱を終え、少しでも早くチェスターの傷を癒そうと、一番強力な回復法術を唱えた。
アーチェ「よくもチェスターを!・・・・・・ゴッドブレス!!」
空から大気を圧縮させた風を、バルーセルに向かって落とした!!
だがバルーセルは、BCを自分の上の方に集め、ゴッドブレスを防いだ。
バルーセル「無駄ですよ・・・・しかし・・・・・・・・ほう・・・・自害しましたか。」
バルーセルは胸に手をおいて安らかに眠っている、マリア?メリル?リア?アミィ?を見た。
バルーセル「どうやら強制力が少なかったみたいですねえ・・・・次はもっと強く・・・」
クレス「魔神剣!」
ミント「ピコハン!」
アーチェ「レイ!」
地を這う衝撃波、空から落ちてくるピコハン、天から降って来るレーザーがBCに弾かれた。
クレス「バルーセル!お前は人の命を何だと思っているんだ!!」
アーチェ「あんたが・・・あんたが人の心を捨てたって事が良くわかったわ!!」
ミント「あなたは自分の大切な人が、目の前で亡くなることをなんとも思わないのですか!!」
バルーセル「・・・!!・・・・違・・・・・私・・・は・・・・・・」
その時バルーセルの態度が急変した、目がうつろになり、頭を押さえ、髪を掻き毟っている。
みんながその豹変ぶりに驚いていたが、バルーセルはすぐに元の状態に戻った。
バルーセル「・・・・・・そうですよ・・・・深く考えましたが思いつきませんでした・・・・さて、敵も増えましたし、味方を呼びましょうか。」
バルーセルは指をパチン!と鳴らし、壁が崩れてどこか見た事があるモンスターが現れた。
バルーセル「さあ、来なさい・・・レッドシルフ、セラフ、ケマゾツ、フレイムロード、ソクラム、エキム。」
そのモンスター達は、精霊達と同じ形をした、類似型のモンスターだ。
バルーセル「このモンスター達は、私の力でより強力になっていますから、簡単には倒せませんよ・・・・行きなさい!」
バルーセルの掛け声と共に、勢い良く飛び出し・・・はしなかった、その場ですぐに呪文の詠唱を始めた。
だが、間合いを詰めてくると思っていた為、間合いが開き、詠唱の邪魔が出来ない!
レッドシルフ「ゴッドブレス・・・」
セラフ「タイダルウェーブ・・・」
ケマゾツ「アースクェイク・・・」
フレイムロード「エクスプロード・・・」
ソクラム「メテオスォーム・・・」
エキム「インデグネイション・・・」
ルミナ「嘘でしょ!そんな!!」
オスロン「くっ!!」
天から来る空気圧、押し寄せてくる大津波、特大の地震、大爆発する玉、落下してくる隕石、そして巨大な落雷が一箇所に集まった!
すさまじいエネルギーと音、閃光、爆発が起き、辺りは白煙に包まれた・・・・・・。
バルーセル「・・・・・・・・・跡形も無いですか・・・・もう少し張り合いがあるかと思いましたが・・・・・・・」
もうもう周りを覆っていた白煙が消えた時、誰一人・・・・破片一つ残っていなかった・・・・・・・・・。
バルーセル「・・・・・・やれやれ・・・それでは邪魔もいなくなった事ですし、残りの邪魔者を・・・」
???「ビッグバン!!」
バルーセル「なにっ!?」
突如バルーセルの背後から聞こえた呪文の名、そのすぐ後、バルーセルの周りに強力なエネルギーが集まり、爆発した!
BCに守られたバルーセルの体は無傷であった・・・しかし、振り返った先には、先程から消えていた者達全員が立っていた。
バルーセル「な、何故そこに!」
ルミナ「残念ね、まったく・・・空間転移できるオスロンがいなかったら、危うく死んでたかもしれないじゃない。」
そう、オスロンは攻撃が直撃しようとした瞬間、周りにいる全員の空間ごと、バルーセルの背後に移動したのだ。
しかし、普通は空間転移は、自分のみを飛ばす・・・そのため13人もの人間のいる空間を飛ばす為に、オスロンはかなりの力を使ってしまった。
オスロン「・・ゴク・・ゴク・・・・・ふう・・・・いくぞ!バルーセル!」
そこでオスロンは、エリクシールを飲み干し、HPと空間転移の時に使った力を回復させた。
バルーセル「なるほど・・・・空間転移で逃げた・・・・か・・・・いいでしょう・・・・行け!」
バルーセルの指示通り、飛び出し・・・はしない、だがそれは既に解っていた!
イグミス、オスロン、スタン、ウッドロウ、エミリオは一気に距離を詰め、接近戦に持ち込もうとしたが、セラフ、フレイムロード、エキムに邪魔された。
先程と違い、セラフ、フレイムロード、エキムが前に出て、レッドシルフ、ケマゾツ、ソクラムが呪文の詠唱を始めた。
スタン・エミリオ「爪竜連牙斬!!」
後列の敵に連続で斬撃を繰り出したスタンとエミリオだが、なんとエキムが自身の電気を縄状にして二人を捕まえた!
スタン「な!絡み付いてくる!イテテ!これ、電気か!?」
エミリオ「くっ!離れない!」
ウッドロウ「スタン!エミリオ!食らえ!風神け・・・なに!」
ウッドロウが攻撃しようとした時、ケマゾツがミサイルのようになり、ウッドロウに向かって飛んでくる!
ウッドロウは攻撃を避けながら前進しようと試みるが、雨の様に降って来るので、避けるだけで精一杯だ!
イグミスはセラフと互角の戦いを繰り広げていて、後衛を攻撃する事が出来ない!
オスロン「くそっ!この状況を打開する方法があるんだが!邪魔だ!テトラアサルト!」
オスロンは拳と蹴りのコンビネーション技を使ったが、フレイムロードは全て叩き落として防いだ。
オスロン「くっ!はあああ!!」
レッドシルフ「ゴッドブレス・・・」
ソクラム「メテオスォーム・・・」
属性最強の呪文を、驚くべき速さで唱えてくる魔物に、ルミナ達呪文詠唱組(+α)は、ある程度ランクの低い呪文を複数ぶつけて相殺していた。
クレス「魔神剣!」
ルーティ「アイストーネード!」
フィリア「サンダーブレード!」
アーチェ「サイクロン!」
ミレア「イラプション!」
ルミナ「ス、ストーム!」
氷竜巻、雷の剣、竜巻、吹き上げるマグマ、突風と石がゴッドブレスとメテオスォームの力を何とか相殺した。
ミレア「ちょっとルミナ!もっと強いの出せないの!?」
ルミナ「そ、そんな事言ったって!」
ルーティ「何やってんのよ!次が来るわよ!」
クレス「全員!気を引き締めろ!」
今の現状は、何とか膠着状態が続いている状態で、しかもバルーセルが攻撃に参加していない状態である。
このまま時間が経過し、膠着状態が続けば、バルーセルも攻撃に加わり、状態を悪化させてしまう。
エミリオ「・・・・・・このままでは・・・・スタン!何とか隙を作れないか!?」
スタン「そ、そんな事言っても・・・・・そうだ!ディムロス!ファイアボールだ!」
スタンの剣、ディムロスが撃った炎の弾は、エキムに直撃し、僅かだが体に巻きついている電撃が弱まれ、その隙をエミリオは見逃さなかった!
エミリオ「いまだ!くらえっ!飛連斬!」
エキムの電撃を斬るように、剣を逆にして下から上げ切り上げ、その呪縛から逃れ、スタンの体に巻きついていた電撃も斬った!
スタン「よしっ!獅子戦吼!!」
獅子の形の闘気がエキムを吹き飛ばし、間合いが開いた!
スタン「エミリオ!ここは任せて、他のみんなを助けに行ってくれ!」
エミリオ「わかった!」
エミリオは一直線に、オスロンの方に走った!
先程オスロンが言っていたこと、この状況を打開する方法に希望を持ち、それに賭けたからだ。
エミリオ「下がれ!虎牙破斬!爪竜連牙斬!!」
エミリオは、上下に攻撃する斬撃から、連続攻撃に繋げ、オスロンとフレイムロードの間に入った。
エミリオ「いまだ!僕が止めている間に、状況を打開する方法を使え!!」
オスロン「・・・・わかった!・・・・心を闇に染め・・・」
バルーセル「やらせません!ライトニング!」
オスロンの頭上に、小さな電気の塊が集まり、オスロンに当たった。
オスロン「くっ!この位で!・・・・心を闇に・・・」
バルーセル「ストーンブラスト。」
小石がオスロンの頭上から降ってきて、またしても詠唱が中断されてしまった。
エミリオ「!!まさかあいつの狙いは!!」
バルーセル「そうです・・・・呪文の詠唱さえ完成しなければ、発動しませんから。」
オスロン「くっ!・・・・・心を闇に染め・・・」
バルーセル「無駄ですよ、ファイアボー・・・」
ルミナ「風雷閃空」
風と雷の力を宿した矢が、バルーセルに向かって行った!
ちなみにこれはチェスター流弓術で、魔弓術との違いは、魔弓術の方が強いが魔術を使うため詠唱時間が発生する・・・その違いだけだ。
だからこの時ルミナは、素早く使える弓術の方を使った。
バルーセルへの攻撃は、BCに弾かれたが、思いもしない攻撃に驚き、バルーセルは集中を解いてしまった!
オスロン「(ルミナさん!すまない!)光と闇の力に支配されしその体・・・」
バルーセル「くっ!よくも!サイクロン!!」
ルミナの周りに竜巻が起こり、ルミナの体を切り裂いていく!
ルミナ「きゃあああああぁぁ!!」
オスロン「ルミナさん!!」
ルミナ「オスロン・・・・・だめ・・・構わず・・・・・続けて・・・・・」
竜巻に巻き込まれながらも、ルミナは懸命にオスロンに呪文を完成させようと叫んだ!
オスロン「・・・・・・・・・・・・・出来ない・・・・・そんな事が出来るか!!」
オスロンは空間を移動し、自ら竜巻の中に入り、自身を切り刻まれながらもルミナを抱えて、また空間を移動して竜巻から出た。
オスロン「はあ・・・はあ・・・ルミナさん・・・・だいじょうぶですか・・・?」
ルミナ「・・・何で・・・・・何で私を・・・・呪文を完成させないで・・・・助け・・・」
オスロン「放ってはおけない!!・・・・あ・・・・・・・もう・・・誰も失いたくないんです・・・・誰も・・・・・」
ルミナの見上げた先にあるオスロンの顔は、悲しみと怒りの表情を浮かべていた・・・
バルーセル「失いはしませんよ・・・・・あなたも共に逝くのですから・・・・ファイアストーム!!」
炎の嵐がオスロンとルミナを包み込もうとしている!
オスロン「タイダルウェーブ!!」
大津波がファイアストームの火を消した、しかしタイダルウェーブの方が上位の魔術だが、結果は相殺しただけだ。
だが良く考えて欲しい、上位という事はもっと長い時間の詠唱が必要なはずだが・・・・
バルーセル「・・・・・・・消しましたか・・・・!・・・なるほど・・・・多少は時間を操れるのですねえ・・・。」
オスロン「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
バルーセル「図星ですか・・・・。」
バルーセルが言っていた事は本当だった。
オスロンは呪文の詠唱中の時間を短縮して、タイダルウェーブを発動させたのだ。
だが、この方法だと呪文を発動させる力と、時間を操る力の両方を使わなければならない。
元々時間を操る力は、空間を移動する何倍も力を消耗してしまうが、この状況ではしょうがなかった。
さらに詠唱を短縮したせいで、普段の何倍も魔力を使い、しかも威力が下がってしまった。
バルーセル「しかもその様子では、かなりの力を使ったみたいですねえ・・・同じ事はもう出来ないでしょう。」
オスロン「・・・・・・・・・・・そんな事はない!!」
バルーセル「ならばもう一度受けてみて下さい!メテオスォーム!!」
空から降って来る数個の流星が、オスロンとルミナの所に向かって落ちてきて、このままでは二人とも押し潰されてしまう!!
オスロン「はあ、はあ、はあ、くっ!」
オスロンはルミナと共に空間を移動し、降って来る隕石を避けた。
だが軌道を修正して次々と落ちてくる隕石を、一つ一つ空間移動で避けるしかないオスロンは、どんどん力が無くなっていった!
そして最後の一個の時、ついにオスロンは空間移動するほどの力が無くなってしまった!
オスロン「はあ!はあ!はあ!はあ!も・・・・もう一度だけ・・・・」
だがオスロンに残された力では、後一回きりの空間移動も出来ない・・・
バルーセル「これで最後です!」
アーチェ「ルミナ!!」
イグミス「ルミナ!オスロン!」
スタン「あ!!!」
オスロンとルミナを押し潰そうとした、その時!最後の隕石がいきなり砕け散った!?
エミリオ「何だ!?」
メテオスォームを破壊した者は、砕け散った破片が落ちてくる中に着地し、顔を上げた。
大いなる大地母神の加護を受けた鎧、マム・ベイン、守るのではなく、攻撃を受け流すように作られた赤い盾、レッドラインシールド。
頭部は広範囲を見渡せるよう、あえて兜は装備せず、代わりに随分使い込まれた赤いバンダナを付けている。
武器は両手にそれぞれ剣を持ち、右手に伝説の炎の剣フランヴェルジュ、左手にも伝説の氷の剣、ヴォーパルソードが握られている。
短めのブラウンの髪、髪と同じ色で優しい感じの普段とは違い、鋭い眼差しになっている目、エルフの血を継いでる証拠のやや尖った耳。
??「・・・間に合った・・・・これ以上好き勝手はさせないぞ!バルーセル!」
ルミナ「・・・・・・・フォルス・・・・。」
ゼロ「ルミナ!だいじょうぶか?!・・ヒール!」
ゼロはルミナに自分に出来る精一杯の法術を使って傷を塞ぎ、続いてオスロンの傷も直した。
ルミナ「フォルス・・・・・・・・遅いじゃない・・・・いったいどれ位前に入ったの?」
ゼロ「一時間程前に・・・・それと今の俺はフォルスじゃない・・・ゼロだ。」
ルミナ「・・えっ?・・・・・・な、なんで?」
ゼロ「・・・・・今ここにいるのは世界の平和を守るために戦う勇者じゃない・・・ただ一人の復讐のために戦うただの剣士・・・そういう事だ。」
バルーセル「そうですか・・・・ですが油断してはいけませんねえ!ブラック・・・」
??「こちらのセリフです!」
上空から聞こえたその声は、ゼロと共にバルーセル城に入ったベルの声だ!
何故上空から聞こえたかと言うと、ゼロとベルはバルーセルを探している時、自分の真下(現在ルミナ達の居るバルーセルの玉座がある天井)からの声と振動を感じた。
そこで地面を壊し(戦いで既に部屋は滅茶苦茶なので瓦礫が多少増えても問題はなかった。)覗くと、今の場面に遭遇し、ゼロは一人飛び出し、ベルも今飛び出した所だ。
ベルは重力の力を利用し、一気にバルーセルの頭上を取り、グラブに三本の小型の刃を取り付けた武器で斬りかかった!
だがBCがバルーセルの盾となり、ベルの体ごと弾き飛ばした時、ゼロはバルーセルに向かって走り、攻撃を仕掛けた!
ゼロ「はあっ!はあっ!虎牙破斬!襲爪雷斬破!!」
ゼロはバルーセルに斬り、突き、切り上げと切り下げ、敵を切り上げ持ち上げた所へ雷撃を落とし二連続で切り上げと切り下げを繰り返し、連続攻撃を出した。
だがやはりBCを貫通できずに弾かれたが、今度はベルと共に同時に動いた!
ゼロ「真空紅蓮斬!!」
ベル「連舞連撃!」
ベルが拳と蹴りの連続攻撃を当て、その後一時の間も空けず、ゼロの攻撃が始まった!(ゼロの攻撃は、出すのに少し時間がかかりベルが先に攻撃した)
真空の刃が襲った後、跳んだゼロがバルーセルに向かって炎を纏ったフランヴェルジュ(あんま変わんないか)を投げた!
だがバルーセルには切先一つ、当たりはしなかった・・・。
バルーセル「無駄だというのがまだ解らないのですか?それでは馬鹿の一つ覚え・・・」
ゼロ「・・・・・いや・・・・効果はあったさ。」
その時バルーセルの周りのBCの一つが、バリン!という音と共に砕け散った!
バルーセル「・・・・・・・・・これは・・・・・・・・・まさか!」
ゼロ「その結晶は、周り全部にバリアを張る事が出来ない・・・だからバリアの出ていない所を攻撃したんだ。」
そう、ゼロとベルは始めからバルーセルを狙ったのではなく、バルーセルを守るBCに狙いを定めて攻撃したのだ!
バルーセル「やりますね!ならばこれはどうですか!ビッグバン!!」
ベル「しまった!(今は全くの無防備!)」
今ベルは技を出した後のため体勢を崩している!そして巨大なエネルギーがベルの周りで圧縮され、今まさに爆発しようとしている!
ゼロ「ベル!危ない!!」
ゼロはベルを抱えて、精一杯跳んだ!その直後圧縮され続けたエネルギーは弾け、大爆発した!!
・・・だがゼロのとっさの判断で、ベルは無傷、ゼロは爆発の時に背中を少し火傷しただけだ。
ゼロ「・・・・・・・・バルーセル!」
バルーセル「バリアクリスタルを破壊した事は褒めましょう・・・・おかげで改良点がわかりました。」
ゼロ「バルーセル・・・・俺はお前を絶対に倒す!!」
バルーセル「ほう・・・ですが女性を抱えながら言われても凄みがありませんよ?」
ゼロ「え・・・・・・・あ!!」
ゼロはさっきからずっとベルを抱えていた、しかも世間で言う[お姫様だっこ]・・・・・
バルーセルの言葉に全員(モンスターも)一時戦闘を止めた・・・しかも一部では笑い声が聞こえる・・・・(笑)
アーチェ「ぷっ!あははは!な、なにやってんのよ!あはははは!」
ミレア「あら~・・・・フォルス・・・じゃない、ゼロったらもうそんな仲が良くなったの~?」
ゼロ「ち、違う!これは・・・・あの・・・・」
イグミス「違うならそんなに動揺するな・・・・」
ゼロ「だから!・・・・・これは・・・・・・助けるために!仕方なく!」
スタン「仕方なくにしても、もっと別のやり方もあるだろ・・・・」
ゼロ「あ・・・・・・み、見た事ないけど味方っぽい人まで・・・・」
ベル「あの・・・・・そろそろ下ろしてほしいんですけど・・・・」
ベルは申し訳なさそうにゼロに話し掛けた・・・今もベルはゼロに抱えられてるし・・・・
ゼロ「あ!ご、ごめん!今下ろすよ!」
ベルの言葉で、やっと自分がまだベルをお姫様だっこしている事に気付き、今やっとベルを地面に下ろした。
ゼロ「ごめん・・・・その・・・・・・何て言うか・・・・・」
ベル「いえ・・・・あの・・・・気にして・・・ませんから・・・・・」
バルーセル「おやおや・・・・恋人が亡くなったらすぐに他の子へと心変わ・・・」
ゼロ「違う!!!」
バルーセルの言葉は、ゼロの声と気迫に掻き消された。
ゼロ「ベルはそんなのじゃない・・・・・そんなのじゃ・・・・ない・・・・・」
ベル「・・・・・・・・・・・・」
ゼロ「お前はすずを殺した・・・・俺は絶対に許さない!!」
バルーセル「私も許してもらうつもりはありません・・・・さあ・・・・仇は目の前ですよ・・・・?」
オスロン「・・・・傷は癒えた・・・力を貸すぞ・・・ゼロ。」
ルミナ「あたしも・・・・・あ・・・あたしは・・・・」
チェスター「その必要はない・・・ルミナの空いた穴は任せてもらおう。」
ミントに傷を治してもらっていたチェスターも復活し、ルミナをバルーセルの方へ回す事がこれで出来る!
ルミナ「・・・・・・・・よし、いくよ!ゼロ!それに・・・・ベル・・だよね。」
ベル「はい・・・。」
ゼロ「・・・・・覚悟しろ!バルーセル!!」
バルーセル「・・・いいでしょう・・・・さあ!勝負です!!」

次回 第十七章 幻惑・NO・ナカデに続く・・・












どうも!作者の緋色の龍です!!
ついにルミナ達と合流を果たしたゼロとベル!
バルーセルとの戦いも、外は寒いがさらにヒートアップです!
ところで季節は冬となり、今日は25日のクリスマス!(今これを書いている時ね。)
そしてもうすぐお正月・・・・お年玉だ!・・・・何を買おうか・・・(貰えないかもね・・・)
は!小説の話から少しずつずれて行く・・・これはまずいので戻しましょう。
このすず・OF・フューチャーも書き始めて早3・・・4ヶ月かな?時が経つのは早いですねえ。
次回は第十七章・・・現時点で一番長いですね(1章2章の数が)投稿小説の中では。(密かな自慢です)
そこで!今回はクリスマス記念と、15章突破記念として番外編を載せます!(おい・・クリスマスの話は↑と関係ないじゃん。)
クリスマスは関係ないですけど、(少しはあるんじゃ・・・)ゼロとベルがバルーセルの城で迷ってた時の話です。
御暇のある方は見て下さい・・・・では、また。

ゼロ「・・・・・・・どこにいるんだ・・・バルーセルは・・・・・」
ゼロとベルがバルーセル城に入って、もう30分は経っているが、今だバルーセルに出会う気配もない。
モンスターはいないが、周り中にトラップが仕掛けてあり、しかもトラップを破壊して、そこを突破しても行き止まりである。
ベル「・・・・・何か手掛かりがあればいいのですが・・・」
ゼロ「そうだな・・・・・・・・・・・・・」
ベル「あの・・・私の顔に何か付いてますか?」
ベルは、ゼロが自分の顔を見ている事に気付いた。
ゼロ「あ・・いや・・・・・そうじゃないんだ・・・。」
ベル「なら・・・どうしてですか?」
ゼロ「それは・・・・・・・その・・・・・・・・なんとなく・・・・・」
正直な所、ゼロはベルが気になっていた・・・それはすずと一緒にいた時のような気になるだ。
ゼロ(・・・・・なんで・・・・なんで俺はベルがいる時が、すずといる時のような、安心感と不安があるんだ?)
ゼロはベルと共にいると、すずが隣にいるような安心感と、恥ずかしさ、嫌われないかという不安を感じていた。
ベル「・・・・・・ゼロさん・・・・おにぎり食べませんか?私さっき作ったんです。」
ベルは、ゼロに持っていたおにぎりを差し出した。
ゼロ「あ、ありがとう・・・・・・・あ・・・おいしい・・・。」
ベル「!・・・そ、そうですか・・・・・ありがとうございます・・・。」
ベルは少し照れながらお礼を返した。ゼロもやはり照れくさいようだ。
ゼロ(・・・・・・・こういう平和な感じ・・・すずと・・・・・・・してみたかったな・・・・・)
ゼロは、近くの草原へすずとピクニックに行ったような感じを想像した。
ゼロ(・・・・・・もっと・・・・すずに喜んでもらう事・・・・しておけばよかった・・・・・・・・)
ベル「・・・・・・・・・・・・・・・・」
ゼロ(でも・・・・・俺はベルとすずが重なる・・・・俺は・・・・・そんなに惚れっぽい性格じゃないのに・・・・・)
ゼロは自分の事を思い返していた・・・・今まですずといた時のような感覚を持ったのはいない・・・
ゼロ(・・・・今はそんな事関係ない・・・すずの復讐の為、俺はバルーセルを倒す・・・・そのために・・・・・そのためにこの命が砕けたとしても・・・・・本望だ。)
そして二人は、長い通路を歩いていった・・・・この戦いが終わり、二人がどういう運命を辿るのか・・・まだ二人は知らない・・・・

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