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「テイルズ・オブ・外伝」“激突!破滅の使者”


常闇の町アーリィ 

   クレス「あれ? すずちゃんは?」
   宿屋ナイトドリーム受け付け前でクレスが問い掛ける。
チェスター「? そういやぁ今日は見てねぇな…」
     そこへミントとアーチェが走ってきた。
   ミント「大変ですクレスさん!」
 アーチェ「これ見て!」
    アーチェが差し出したのは一枚の紙切れ。そこにはこう書いてあった。
  
    すぐに戻ります。心配しないで下さい。

  クレス「一体何処に・・・」
  ミント「わかりません・・・」
     そこにクラースが欠伸をしながら歩いてきた。
 クラース「どうしたんだ? こんな所にあつまって・・・」
     クレスが事の成り行きを説明すると。
 クラース「すぐ戻るのなら心配する必要はないだろう」
  ミント「でも・・・」
 アーチェ「やっぱり心配だよ・・・」
  クレス「・・・探しに行こう!」
 クラース「おいおい。行き違いになったらどうするつもりだ」
  クレス「それでもここでジッとしてる訳にはいきませんよ!」
チェスター「俺も同感だぜ。すずは仲間だからな」
 クラース「ふぅ・・・仕方が無い・・・私も行こう」
  クレス「じゃあ早速・・・!」
  ミント「待って下さい!」
 アーチェ「?」
  ミント「あの・・・レアバードがあと三機しか・・・」
    一機はすずが乗っていったようだ。
 クラース「1」
  クレス「2」
   ミント「3」
チェスター「・・・4」
 アーチェ「チェスター居残りけってぇい!」
チェスター「なにぃ!? なんで俺なんだよ!」
 アーチェ「だってあんた一番弱いじゃん」
チェスター「弱くねぇ!」
  ミント「で、では、ここは公平にジャンケンで・・・」
  クレス「うん。そうしよう」
 アーチェ「あたしはホウキがあるからいいもんねぇ」    
チェスター(・・・ホウキ・・・? なんか思い出しそうで思い出せない・・・)     
     アーチェは自分のホウキを取りに行った。が、
 アーチェ「あーー!! 折れてるぅぅ!!」
チェスター「ギクッ そうだ・・・忘れてた・・・」
 アーチェ「あんたまさか・・・」
チェスター「や、やろうと思ってやったんじゃねぇよ!」

昨夜のナイトドリーム寝室
  
チェスター「う----寒い!」
     余りの寒さで夜中だというのに目が覚めてしまったチェスター。
チェスター「暖炉・・・暖炉っと・・・」
     バキッ!
チェスター「バキ? ・・・うわぁ!」
     足元を見ると無残に折れたアーチェのホウキがあった。
 アーチェ「う--ん・・・」
チェスター(頼むっ! 起きるなっ!!)
 アーチェ「・・・ばかぁ・・・」
チェスター(ふぅ、寝言かよ。にしても、どーするよ・・・これ・・・)
     暫し考えていると突然睡魔が襲ってきた。
チェスター「ふぁ・・・(ま、いっか・・・明日にでも考えよ・・・)」

チェスター「という訳だ」
 アーチェ「このバカッ!」
チェスター「あれぐらいで折れる方が悪い!」
 アーチェ「問答無用!」     
     アーチェは呪文を唱え、そして
 アーチェ「トラクタービーム!!」
チェスター「うわっ! 降ろせ! 降ろしてくれぇ!!」
     その時チェスターはある重大な事に気付く。
チェスター「ん・・・ ! おいアーチェ! 後ろ見ろ! 後ろ!!」
     逆さづりの状態で必死に叫ぶ。
 アーチェ「はぁ? 後ろぉ?」
     振返ると、居る筈の三人の姿が忽然と消えていた。
 アーチェ「あー!!」
     その拍子にトラクタービームが解け、チェスターは真っ逆さまに落ちる。
チェスター「いてっ!」
 アーチェ「あんたの所為で置いていかれたじゃない!」
チェスター「俺の所為かよ!」
 アーチェ「もういい! 新しいの買ってくる!」
チェスター「金は?」
     パーティの所持金は全てミントが管理している。
 アーチェ「チェスターの・・・バカァァァァァァ!!!」
     風がとても冷たく輝いていた…。スターダストに気付かない二人…。

忍者の里 お頭の家

   乱蔵「そうか・・・とうとうこの日が来たか・・・」
   すず「…はい」
   乱蔵「ならば、早く行くがよい。何を躊躇っておる・・・?」
   すず「・・・自信が・・・ありません・・・」
   乱蔵「?」
   すず「私が足手まといにならないか・・・不安なんです・・・」
   乱蔵「・・・そうか・・・」
     乱蔵は少し黙り込み
   乱蔵「ならば、試練の洞窟へ入るがよい・・・」
   すず「試練の・・・洞窟・・・」
   乱蔵「そこで己の答えを導き出すのじゃ」
   すず「・・・わかりました」
     乱蔵は部屋を出ようとするすずを呼び止め、こう言い足した
   乱蔵「試練は過酷じゃ。命の保証はない・・・それでも??」
     すずは首を横に振り、こう答えた。
   すず「大丈夫です。私には皆さんがついていますから・・・」
     そう言い残すと、部屋を出ていった。
   乱蔵「・・・随分と成長したようじゃな・・・すず・・・」

試練の洞窟

   虎助「汝に問う。汝が消すべき相手には子供がいる…
      汝はその子供をも、共に消す事を是とするか?」
   すず「・・・後に災いとなる恐れのある者は消すのが道理…でも…」
   虎助「?」
   すず「私には出来ません・・・。その子に罪など???」
   虎助「愚か者め!」
   すず「!」
   虎助「己の甘さを悔いるがいい!!」
     刀が振り下ろされる。すずはひらりと躱し、反撃に出る。

ユミルの森 入り口
  
 ????「ほう・・・ここがユミルか・・・」
    番兵「! 何者だ!」
 ????「五月蝿い・・・邪魔だ!」
     男が手を振ると、炎が迸り瞬く間に番兵を包み込む。
 ????「答えろ・・・。隠れ里は何処にある・・・?」
    番兵「し、知らない!」
 ????「嘘をつくと貴様の為にならんぞ・・・」
    番兵「ほ、本当に知らないんだ!」
 ????「そうか・・・では貴様に用は無い・・・死ね・・・」
    番兵「うわぁぁ!」  
   ???「魔神剣!」  
     ザシュ!
 ????「クッ・・・何だ!」
   クレス「大丈夫ですか!」
 クラース「ミント、法術を!」
   ミント「はいっ!」
 ????「ふははははは! 飛んで火にいる夏の虫とはこの事よ!」
  クレス「誰だ!」
 ルーイン「我が名はルーイン。貴様等を破滅へと導く者なり!」
 クラース「ダオスの手先か」
   クレス「だったら負けるわけにはいかない!」
 ルーイン「ははははは! 一瞬で葬り去ってくれるわ!」

試練の洞窟

   才蔵「見事・・・だ・・・」
   すず「はぁ、はぁ・・・。次で・・・最後・・・」
      奥へと進み、第五の試練に差し掛かった。
   左助「汝に問う。汝は汝の親と刃を交えることとなる
     汝は親を斬る事を是とするか?」 
   すず「! そ、それは・・・」
   佐助「どうした・・・答えよ!」
   すず「斬りたくなんか・・・! ・・・でも・・・」
   佐助「愚か者が! この程度で戸惑うなど笑止千万!
      汝、頭領の器にあらず!」
   すず(父上、母上・・・それでも・・・すずは・・・)
   佐助「はぁぁぁ!!」
     キィィィィン・・・

ユミルの森
 
 ルーイン「天空の風よ! 降り来たりて龍とならん!」
     サイクロン
  クレス「うわぁぁぁぁ!」
   ミント「クレスさん!」
  クレス「ッ・・・まだまだぁ!」
 クラース「オリジン!」
     カラップス
 ルーイン「グオッ!」
   クレス「今だ!」
     時空奥義 虎空蒼破斬!
 ルーイン「おのれぇぇぇ! 我が真の力を思い知るがいい!」
     ルーインはおぞましい怪物へと豹変した。
 ルーイン「天光満つる所に我は在り・・・」
   クレス「それは・・・!」
 ルーイン「黄泉の門開く所に汝在り・・・」
 クラース「逃げるんだ! ミント!」
 ルーイン「出でよ・・・神の雷・・・」
   クレス「ミント!」
     クレスはミントを突き飛ばし、ミントは泉へと落ちる。     
   ミント「クレスさ??」
     ザパァン
 ルーイン「これで終わりだ!」
     インディグネイション
  
試練の洞窟

   すず「伊賀栗流忍法 鎌鼬!」
   佐助「ぐぉあっ! ・・・見事だ・・・」
   すず「これで・・・」  
     奥へ進むとそこには少し新しめの蒼い箱が置いてあった。開けると、
   すず「刀・・・?」
     刀と一緒に箱の底に紙が置いてあった。
   すず「これは・・・手紙? ・・・父上・・・!」

    無事試練を乗り越えたようで何よりだ
    忍びの道とは「己を殺し主を生かす生き方」
    だが…お前は何か別の物を掴み掛けている事だろう
    それ故に頭領としてはまだまだ時間が必要なようだ
    世界を見詰め己を見詰めろ
    それが、今、お前の歩むべき道だ

   すず「・・・父上・・・」
     その時だった。ドォォォンという爆音と共に衝撃波が洞窟内を駆け巡る。
   すず「! ユミルの方角から・・・!?」
     洞窟を抜け、辺りを見渡す。ユミルの森入り口の方角から煙が立ち上る。
   すず「あれは・・・!」
     
ユミルの森
  
 ルーイン「ハハハハハハハ! これぞ我の真の力!」
   ミント「クレスさん! クラースさん!」
  クレス「う・・・」
 クラース「・・・・」
   ミント「そんな・・・」
 ルーイン「安心しろ。貴様もすぐに殺してやるよ」
   ??「伊賀栗流忍法 雷電!」
     ピカッ  
 ルーイン「新手か・・・?」
    すず「皆さん!」
   クレス「・・・すずちゃん・・・逃げるんだ・・・」
    すず「・・・私は・・・逃げません!」
 ルーイン「ハハハハハハハ! 小娘一人に何が出来る!」
    すず「ミントさん ディープミストを!」
   ミント「は、はいっ」
     ディープミスト
     深い霧が辺りを覆った。
 ルーイン「馬鹿め! これでは自分も見えてないではないか!」
    すず「伊賀栗流忍法 五月雨!」
     斬ッ! 
 ルーイン「グオォォォォ! バカな・・・なぜわかったんだ・・・」
     徐々に霧が晴れる・・・
    すず「そんな大きな声を出していれば、
      私にとってあなたの居場所を特定するのは簡単な事です」
 ルーイン「まだだ・・・! 我はこんな処で…こんな処でぇぇぇ!」
     すずに襲い掛かるルーイン。しかし、クレスがその前に立ち塞がる。
  クレス「ルーイン!」
 ルーイン「!!」
     アルべイン流最終奥義 冥・空・斬・翔・剣!!
     ザシュッ!!
 ルーイン「この我が・・・この最強の…ッ…ダオス様ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
     雲散霧消
  ミント「クレスさん!」
     力尽きたクレスを見て急いで駆け寄る。
 クラース「う・・・どうなっているんだ?」
     クラ-スが眼を覚ます。
   すず「すみません・・・私が勝手な事をした所為でこんな事に・・・」
 クラース「いや、最終決戦前のいい運動になったよ・・・」
   すず「え・・・?」
 クラース「奴がダオスの手先なら、ダオスはもっと強い筈だ」
   ミント「私達もまだまだということですね・・・?」
 クラース「ああ、そういうことだ」
   すず「皆さん・・・」
   ミント「・・・帰りましょうか・・・」
 クラース「ああ、そうだな。今日もまた宿で寝るとするか」
  クレス「・・・ところで・・・あの二人は・・・?」
     瀕死のクレスがそう呟いた。
   一同「あ…」

常闇の町アーリィ

 アーチェ「えぇ? なんでぇ?」
     店内にアーチェの声が響き渡る。
   店主「悪いねぇ。さっきまでなら最後の一本が有ったんだけど
      金髪でエプロン姿の女の子が買っていったよ」
 アーチェ「そう・・・ありがと・・・」
     店を出るとそこにはチェスターが居た。
チェスター「おい 有ったか?」
 アーチェ「あんたにはカンケーないでしょ」
チェスター「・・・俺だって・・・責任ぐらい感じてんだからな・・・」
 アーチェ「・・・・」 
チェスター「な、なに黙ってんだよ! バーカ! バーカ!」
 アーチェ「あーもう! あんたに期待したあたしが馬鹿でしたよーだ!」
チェスター「それ前も言ったよな。同じ事しか言えねぇのかよ」
 アーチェ「フンだ! なにさ、この「スケベ大魔王」!」
チェスター「なんだとぉ!」
 アーチェ「キャー スッケベーがうっつるぅ!」
チェスター「町のド真ん中でそういう事言うなぁ!」
 アーチェ「スケベー スケベー」
チェスター「じゃあ、てめぇは「××料理人」だ!」
 アーチェ「なんですってぇ!」
チェスター「それなら「ぺったんこ」だ!」
 アーチェ「人が気にしてる事言わないでよ! あーもう最低!!」
     ザク、ザク、ザク、
      ザク、ザク、ザク
 アーチェ「付いて来ないでよ!」
チェスター「泊まってる宿が一緒なんだから仕方ねぇだろ」
 アーチェ「じゃあ離れて歩いて!」
チェスター「そんなに怒んなよ」
 アーチェ「あんたが怒らせてんでしょうが!」
チェスター「・・・悪かったよ・・・」
 アーチェ「・・・そ、その手には乗りませんよーだ」
チェスター「・・・・」
 アーチェ「あ・・・ごめん・・・」
チェスター「・・・ぷっ なははははは また引っかかってやんの! バーカ!」 
 アーチェ「・・・・」
チェスター「あ? どうした?」
 アーチェ「このバカァァァァァ!!」
     ファイアボール!
     アイスニードル!
     ストーンブラスト! 
     ライトニング!

一時間後・・・
  
クレス「どうしたんだチェスター! その怪我!」
チェスター「ああクレスか・・・」
   ミント「なにかあったんですか?」
 クラース「全く、痴話喧嘩も程々にしておけよ」
チェスター「そ、そんなんじゃないっスよ!」
 アーチェ「そうよ、誰がそんな奴となんか!」
チェスター「なんだと・・・! いててててて」
   ミント「無理しないで下さい。法術にも限度がありますので・・・」
 クラース「当分・・・ダオスはお預けだな・・・」

   すず「父上、母上・・・すずは自分の信じた道を進みます・・・
      それでいいんですよね・・・?」

     月明かりに照らされ、忍刀“黒百合”はより一層光を帯びた。

次の日・・・

チェスター「ぎゃっ! 俺のエルヴンボウが! 友情の証がぁぁぁぁ!!」
 アーチェ「御愁傷様ぁ♪」

     ダオスとの戦いはまだまだ先のようです・・・   おしまい♪



<あとがき>    紅、初めてのテイルズ作品! 笑ってくれたら嬉しいです♪
            紅オリジナルキャラ、ルーイン。執筆中に考え付いた奴です
            ルーインのイメージ画を大募集! 落書き掲示板に書いてね
            出来たらでいいよ。やんなくてもいいし・・・
            質問・感想・意見は雑談掲示板で!

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