« suggestion【3】 | メイン | suggestion【5】 »

suggestion【4】


大切なものがあった。
それは、守るという程弱くなかったから。
だから
守ろうだなんて思わなかった
でも
やっぱり人間なんだ

人間って弱いんだよ
やっぱ。
どんなに頑張っても
自ら自然には勝てない
そういう生き物なんだよ。
儚い位に
どうしても
そして
そう思う時が来た





「大丈夫?佑樹。」
「ああ。」
何も知らなかったら、こんなに悲しくなかったのだろうか。
知らない方がいいかもしれない。
知らない方が幸せかもしれない。
こんなに辛い気持ち
知らない方が良かったよ。
ああ
心から・・・・・・でも
生きているから
生きなくちゃいけない。
立ち上がり
自分を信じることしか、生きる術はないと実感した。
だから

時間は過ぎていく。
「佑樹・・・・・・。」
・・・・・・・・・・・・亜沙・・・・・・・・・・・・
「会えたか?家族に。」
「ううん。やっぱ、ダメだった。私の家方面が1番ひどいかも。」
「そうか。」
水の上にこの国はあったから
何かのはずみで壊れたのだろうか。
残ったのは俺も含めて3人だけだった。
もう1人居たけれど・・・・・・
「佑樹も亘も会えたの?」
「いや・・・・・・・・会えたのは佑樹だけだ。」
「そう・・・・・・」
あまりに思い出したくない出来事。
「会っても、あまり嬉しくなかったよ。」
逆に辛いかも知れない。
血まみれの母
でも
本当に笑って
笑って

生きて。

それだけ。

みんな居なくなってしまった。
「学校が強かったからかな・・・・・・。」
建物は、この国で学校が1番強く造られていた
だからだろうか。
この建物だけは、原形を留めていた。
「助かったのも、俺達が窓際に座っていたからだろうね」
「うん。」

一通り話した。
これからのことは分からない。
ただ
前に進むだけだ。
 


ただ歩き続けた。
大萩利へ向かう。

生きるために
行きたいから
幸せになれなくても
生きたいから

 
このまま歩いて行ける事を望むよ



コメントする