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七色の鳥の伝説【3】



「・・・異世界・・・」

絶対に常識では、考えられない事だった。異世界なんて夢の世界だと思っていたから・・




七色の鳥の伝説~2~




「お前・・・・・頭大丈夫か?」

当夜が心配そうに私に声をかけてきた。それに「大丈夫だ」と答える。

「にしても、伝説まで知っていないなんてな・・」

「当夜。もしかしたら・・・・選んだんじゃないのか?この少女を・・・・」

選んだ?私を・・・・?誰が?

「考えられるが、しかし、龍火。本当に存在するのか?」

「事実だ。現に・・・・・五百年前に現れているという真実もある」

こ、この二人はいったい何を話しているんだ?ついていけないのだが・・・・

「あ、あの・・・」

「ん?なんだ?」

「言っている意味がよく分からないのだが・・・・・」

私がそう言うと、当夜が私のおでこに手をあてた。

「て、おい!私は熱など無いぞ!!」

「だ、だって・・・・七色の伝説も知らないなんて、な?龍火」

「まあ。普通は考えられない事だがな・・・・」

普通は・・・・と言われても、此処は私の知らない世界だぞ?知らなくて当たり前だ!!
とは、言えない。てか、言った方が良いのか?「此処の世界の住人ではない、私は異世界から来た者」と・・・
だが、そうすれば怪しまれるだろうし・・・・で、でも本当のことだしな・・・・どうしたものか・・・・・

「どうしよう・・・・」

「なにがだ?」

し、真実を話そう!この人たちだけには・・・・もしかしたら、いろいろと教えてくれるかもしれないし

「あ、あの・・私は、此処の住人ではないのだが・・・・」

「「・・・・・・」」

な、なんで黙るんだ!?

「お前、頭を強く打ったか?」

「し、失礼な!当夜!!!」

あっ。しまった・・・・呼び捨てにしてしまった。

「でも、これだけ元気なら体の何処も異常は無いだろうし」

「だから!私は、この世界の住人じゃないの!!」

「当夜。どうやらウソはついていないらしい」

わかってくれるか?!龍火さん!!!!

「まあ。火龍が言うなら信じるが・・・・」

なんか、無性に腹が立つのは気のせいか?

「異世界から召喚されし少女か・・・・・伝説と少しだけ似ている部分もあるし、力も感じられる」

「お、おい。そんなに凄いのか?五月は」

龍火さんは、信じるのに・・・・・当夜は、信じないんだな

「なあ。お前はどこかの術者の弟子か?」

「弟子?いや。私の家は、代々受け継がれてきた力だ。術者なんて私の家族全員がそうだ」

な、なんか・・・・私って説明するのが苦手なんだよな。なんて言ったほうが分かりやすいかな?
まぁ。この説明でも理解してくれている様子だし、大丈夫だろう。

「まあ。それだけ凄い力を持っているのは、間違えない」

「それで、七色の鳥の事を聞かせてもらいたいのだが・・・・」

「まあ。待て!異世界から来たのなら、此処の世界の常識も知らないわけだろ?」

「し、知らないな」

当夜。お前は、私の事を信じているのか、信じていないのか、どっちなんだ・・・?

「当夜・・・・俺は、外に出ていくから、いろいろと教えてやれ」

「はぁ!?俺は、説明下手くそなんだぞ!?お前がやれよ!」

「俺はこれから用事だ。悪いな」

ニヤリと笑って部屋から出て行った龍火・・・・本当に悪いと思っているのだろうか?

「ちっ。仕方ないな・・・・まず、なにから話したら良いかな?」

「七色の鳥!」

「だから、急がすなって!まずは、この世界の事から話そう」

此処の世界の名前は【リュシティール】と言う世界の名前・・・・そして、此処は【リュシティール】の南の大陸【エクスリムズ】と言う町
それから、二人は旅人で世界中を旅している冒険家。それに、この世界では魔物が出るとか・・・
魔物と言うのは、人を襲う敵。人の負の心が生み出したものだと言う。

「だいたいは、わかったか?」

「まあ。だいたいは」

「そうだな・・・・あとは・・・・・そうだ!お金は、これだ」

そう言って金貨やら銀貨やらを出した。金貨が1ゴールド
私の世界では、1000円だ・・銀貨が100円で銅貨10円か・・

「そうだな・・・・少しだけお前に分けておく。ありがたく思えよ!」

「うん」

それぐらいの感謝は、絶対に忘れないさ!あ・・・・それぐらい、ではダメだな。

「でだな。七色の鳥のことだが・・・・」

待ってました!!

「今から話す。この話はきっと、お前と深く関係があるのかもしれないからな・・・・」

私と関係が・・・・いったい、どんな事が?






つづく  作 クロス

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