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七色の鳥の伝説【6】





突然、私たちの目の前に現れた謎の男性。
彼はいったい何者なのだろうか? そして…なぜ私を狙っているのだろうか?










七色の伝説~5~









「誰だ?」

突然に現れた謎の男性。 金色の長い髪に龍火みたいな瞳…右が赤で左が青だ。

「我が名は、切磋。 お前が七色の鳥に使わされた異世界より来たりし神子か……」

「……切磋……」

龍火が小さく呟いた。 そして、少しだけ体が震えている。 当夜も、瞳をキッとさせて切磋と言う男を見る。

「おや? 龍火じゃないか…こんな所に居たとはな」

金色の長い髪を、手で遊ぶ切磋。 と言うか、顔見知りなのか? この2人は・・・・

「そして、その隣が当夜か…二人とも変わらないな」

切磋の口ぶりからして、この三人は知り合いだろう。 でも、二人の雰囲気を見ていると、なんだか仲がよくないみたいだし・・・
もしかしたら、昔の友達? いや・・・昔の友達でも、こんな嫌がる事は、ないだろうし・・・・・

「俺は、あんまり会いたくなかったぜ。切磋!」

当夜が腰にある剣に手を置いた。 いつでも、剣を抜けるようにと…

「ふむ…嫌われたものだな。 私も」

「嫌われて当然だ! 世界を無に返そうとするなんて!!」

世界を無に返す? どういうことだ?? 私には、理解できない

「…異世界より来たりし少女よ。名は?」

「だ、誰が教えるものか!!」

だめだ、どうしても体が震える。 とまらない…これほど誰かを怖いと思ったのは、生まれて初めてだ。
それに、この二人の話し方から見てこいつは敵と判断して良いだろう。
さらに、私の事を知っているなんて・・・・どう言う事だ? 何者なんだ? この男は・・・・!

「おや。神子に嫌われてしまったな」

「……五月……」

小さい声で私の名前を呼んだのは、当夜だった。

「ここから遠くに離れろ!今すぐに!!」

当夜の声と同時に、龍火も背中にある剣を鞘から抜いて構える。

「私に敵わぬと知っていて、挑むか? 馬鹿な奴らだ…」

「ど、どう言う事だ!説明しろ!!」

「お前は馬鹿か!? 今この状況で説明できるか!!」

うっ…も、もっともだが…でも、説明してもらえないと納得できないと言うか、頭の中が混乱する!!
と言うか、もうすでに混乱しているが・・・・今よりかはましになるだろうし・・・・

「五月。 きっと、どこかで会える。 だから、それまで待っててくれ。 きっと説明するから」

「龍火」

私は、ここから逃げるべきなのか? この二人に頼って私は、逃げて良いのか?

「で、でも!!」

「良いから、早く行け!!」

「お話は終わったな? では、こちらから行くぞ!!」

切磋がそういうと、ものすごい速さで龍火と当夜に襲い掛かる。

「「早く、行け!!!」

二人の声が重なって、私は決意した。

「分かった。 また、どこかで会おう!!」

そうして二人に背を向けて、私はその場所から離れた。
すごく、悔しい気持ちを押さえつけながら・・・・・・・










つづく 作 クロス

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