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七色の鳥の伝説【8】



私の目の前に倒れ居ている一匹の狼・・・・どうしたのだろうか?







七色の鳥の伝説~7~







私の目の前に血を流して倒れている一匹の狼・・・・銀色の毛をしていて、とても綺麗だ。
でも、どうして血なんて流しているのだろうか? 何かあったのだろうか?
と言うか、狼って人を襲う存在だよな? だから、誰かに襲い掛かって・・・・・とか・・・・考えられるな。
だが、このまま放っておくのもダメだし・・・・

「仕方が無いか」

残念ながら、自分では不可能だが・・・・・確か札がどこかにあったと思うが・・・
と言うことで、いろんな場所を探していたらポケットの中に札があった。

「全部で三枚か・・・・・」

仕方が無いな。 札を一枚使って助けるか

「癒しの水よ 今ここに傷をおいし者が居る その者の傷を癒せ! 癒しの雫!!」

札が水のように消えて、そしてその水は雫となって狼の上に降り注ぐ。
そして、徐々に狼の傷が癒される・・・・そして、雫がふり終わると狼の傷も完璧に治っている。

「よし。 これで大丈夫だろうな」

そうして私は、少しだけ狼を眺めていた。 すると、狼の瞳が開いた。
そして、私の存在に気がついてキッ! と睨みつけて牙をむき、そして急いで私のそばから離れる。
と言うか、助けてやったのに・・・・・

「・・・・それぐらい動ければ、大丈夫だろうな」

私の言葉に反応する狼。 そして怪我をしていた部分を見る

「私が治した。 でも、もう大丈夫だね」

そうして私は、その場を離れた。






サクサクサク・・・・・

・・・・・・・

サクサクサク・・・・・

がさっ・・・・

ピタッ

「・・・・・・はぁ・・・・・」

いったい、これはどう言うことなのだろうか? 後ろからついてくる先ほど助けてやった狼・・・・
なぜか私のあとをついてくるのだ。 狼とは、人を嫌う者と本で読んだことがある。
なのに、なぜこの狼は私についてくるのだ? 懐かれたのか??

「なぜお前は、私について来るんだ?」

・・・・なんて、聞いても返事が帰ってくるはず無いか! 馬鹿だな、私・・・・

「お前が、神子だから」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「今しゃべったのは・・・・お前?」

狼に聞くと、こくりと頷いた。

「えええええぇぇぇぇぇぇ!!!!!?????」

なぜだ!? なぜ狼がしゃべるのだ!? この世界は、本当に異常だぞ!?
はっ! そうか・・・・この世界では、狼はしゃべるんだな。 そうだ! きっとそうだ!!(現実逃避)

「落ち着け」

狼にそういわれて、落ち着いてしまう自分・・・・なんだか、情けない・・・・

「俺は、仁・・・・お前は?」

「私は五月だ」

「そうか・・・・五月。 お前は選ばれた神子だな?」

「・・・・・・・は?」

狼の仁に、選ばれた神子と言われて私は呆然とするのだった。





つづく   作 クロス

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