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フロートの門【4】




フロートの門~始まりの書3~ 作 クロス






新しい新学期が始まり、いよいよクラス決めの時がやってきた。 
大広間の中に、沢山の生徒が居て、そして先生が居て・・・机や料理も沢山だ。
そして、その沢山の生徒の中に栞が居る・・・ただ、じっと先生たちが居る机を見ているだけ・・・。

「皆さん。 よくぞいらっしゃいました。 私が教頭をしています。 篠と言います。 
これから皆さんは、6年間・・・ここに居てもらうわけですが、その為には、自分の住む場所を決めなくてはいけません」

など、いろいろ話しているにも拘らず・・・栞は、黙って先生たちの居る机に目を向ける。
栞が見ているのは、一人の老人・・・この学校の校長をしている人物だ。 白い長いひげがトレードマークの老人。

「と言うわけで、今から自分たちの入る場所を決めたいと思います」

そういい終わると、教頭の篠は、一つの紙を取り出した。 そして、それを次々と読み始める・・・
もう、すでに自分たちの場所は決まっているみたいだ。

「泉水、襷、勇、栞・・・以上で、グランディーラの組の発表を終わります。 次は・・・・」

栞の名前が呼ばれて、栞は自分のチームのグランディーラの机に移動する。 そして、椅子に座ると、わっ! と人が栞の周りに集まってきた。

「ねぇ。 貴方、名前は?」

「金色の髪なんて珍しいね・・・どこの出身?」

などなどの、いろいろな質問をされる栞。 さすがに、こんな事を質問されるとは思っていなかったので、どう答えていいのか分からない栞。
とりあえず、一つ一つの質問にちゃんと答える栞。 その光景を黙ってみている襷・・・

「ねぇ。 あの見ている人・・・知り合い?」

「え?」

突然に、言われた言葉に戸惑う栞。
そして、女子が指した指の方向には襷が座っていた。

「なに、あの人・・・・すごくかっこいいんだけど!」

「知り合いなの? ねぇ。 紹介してよ!!」

また、キャッキャと騒ぎ出した女子に、怒りを抑えつつも黙って怒りを静める栞・・・



「ずっと栞を見ているけど、どうかしたの?」

「?」

襷は、突然に誰かに声をかけたれたので後ろを振り返る。 
すると、そこに居たのは、さきほど知り合ったばかりの男子生徒の和馬が居た。
茶色の髪に透き通った青色の綺麗な瞳・・・

「・・・・和馬・・・・」

隣の席に座る和馬・・・そして、ニッコリと笑う。
なんだか、似た者同士・・・なのかもしれないこの二人・・・

「君は、いつでもニコニコ笑っているわけではないでしょ?」

突然に、そう言われて襷は、戸惑った。
どうしてそう思うのだろうか? 確かに、襷は・・・人前では、ニコニコしているが、一人の時は、ニコニコなんてしていない。 
口調も変わるし・・・でも、この少年の和馬には初めて会ったのに、どうしてそんな事がわかるのだろうか?

「どうして・・・そう思うんだ?」

襷が和馬に聞く。

「だって、そんな感じがしました。 一人の時と、皆で居る時の雰囲気が違いましたからね」

ニッコリと笑っている和馬・・・それに、お返しとばかりにニッコリと笑う襷・・・・
なんだか、他の人々が、ぶるぶると震えているのは、気のせいだろう。

すか~ん!!!

突然に聞こえてきた音に、ビックリする周辺の人々・・・

「いたた・・・・」

頭を抑えて、うずくまる襷・・・そして、瞳を大きく開いて襷を見る、和馬・・・

「あぁ。 悪い」

突然に聞こえてきた声は、栞の声だった。

「し、栞?」

少し涙目なのだが、それは気にしないでおこう。
栞の周りには、沢山の女子が・・・・(汗)

「な、何かな~?」

なんだか、いや~な感じを、感じつつも襷は栞に話しかけた。 そして栞は、ニッコリと笑う。

「実はね。 この私のお友達が襷とぜひ! 友達になりたいって言うのw」

「へ・・・・へ~。 そうなんだ~」

冷や汗を流しつつも、会話する襷・・・・これから、もしかしたら苦労する人物になりえるかも・・・(なに?!)

「さっ。 存分に会話を楽しんでねw」

襷にそう言うと、女子たちが襷の横やら後ろやらに配置(?)して、襷と会話を始めた。 
どうやら襷もこんな事にはなると思っていなかったらしく、困った顔をしながら会話をする。

「みなのもの・・・静まるのじゃ」

校長の声が部屋の中に響いた。

「さて、新入生たちも組が決まったことだし、宴を始めようぞ!!」

そうすると、生徒たちは「わ~!!」と大喜びして、皿の上にある料理を食べ始めた。

これから、この魔法学校で大変なことが怒るとも知らずに・・・・








つづく

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