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日常【1】


西暦2010年
今から少し先の話。でも今とほとんど変わらない。強いて言えば学校がある日がばら
ばらになったこと、人口が少し減ったこと、学校に行く期間が長くなったこと、そし
て、10年後に地球が終わるということがわかったこと。


2010.10.18

その日二人は学校の屋上にいた。

司「あと、10年かぁ・・・」
晶汰「ん?なにが?」
司「『運命の日』に決まってるだろ、5年間が、ずいぶん早く感じた・・・・・・」

五年前、西暦2004年ある有名な科学者が『2020年に地球は滅びる』と言った。
最初はみんな見向きもしなかったが、やがて他の科学者たちもそのことについて考え
るようになり、西暦2005年、15年後に地球が滅びるということが確定した。
そして、ある科学者がその日を『運命の日』と名づけた。
そのころはほとんどの人が取り乱し、約1年間、地球はひどくあれた。

晶汰「そういや『地球人宇宙移民計画』だっけ?あれ、そう思う?」
司「ああ、あれか、まぁ世界中の国が戦争をやめて研究に没頭しているのはいいと思
うが、
  多分出来ないと思う。」
晶汰「まぁ、まだ戦争してる国があるけどな、」
司「え?どこ?」
晶汰「オレの国と司の国♪」
司「ゲームの話だろうが~!」

そう言いながら司が晶汰の首をしめる。もちろんじゃれあう程度だが、たまに本気で
ヤバイときがある。

晶汰「ああっ!ギブギブ!!」

晶汰がそういうと、司は首を締めるのをやめた。一人で「うぃなー司~!」
とガッツポーズしながら言っている。
二人は本当に仲がよかった。クラスは違うがほとんどいつも一緒にいる。
司がこの町に引っ越してきて運動会の係が同じになったときから『友達』と呼べる
仲になっていった。そのときはまだ地球が滅びるなんて、だれも考えはしなかった。
二人は性格が本当に良く似ていた。単に二人ともマイペースなだけかもしれないが、
姿がみえなければだれもが双子と思うくらいだった。

身長はやや晶汰が上。髪は司は普通にしてあるが、晶汰はそれより短い。
成績はどちらもほぼ互角。たまに司が大幅に引き離したりするが、次のテストではま
た同じ
になるくらいだった。二人はゲームの趣味、映画の趣味、本の趣味なども一緒だっ
た。
食べ物の趣味だけは少し違う。それに、司はテレビをみるときは、テープに収めて
そのあと、見るらしい。リアルタイムでみることはまず、無い。
それに二人は友達も多かった。

晶汰「あ~苦しかった。10年待つ前に逝っちまうかと思った」
司「大げさな・・・・・・・」

言い終わるか終わらないかというときに屋上のドアが開く音がして、二人は一斉にド

の方を見る。すると二人が屋上に入ってきた人物を確認する前に
「あ~!やっぱりここにいた~!!」とほんの少し怒ったような大きい声が聞こえ
た。
司が「何だ、風夏か・・・」といった直後に風夏とよばれた女子が「何だとは何だ~
!」
といいながら手を前に出しクロスさせて司に飛び込んできた。
司はおもわず後ろにたおれてしまった。風夏は空中でうまくバランスを取ったらしく
平然とした顔で着地する。

晶汰が「お前が何なんだよ、」と小さくいった。

風夏「こら~司!人をみていきなり「何だ」とはシツレイではないか!そこになおれ
いっ!」
司「いってててて、お前なぁいきなりなにすんだよ!」
風夏「ほんの挨拶がわりだって、気にすんなっ!ドンマイドンマイ!」
司「あぁ~もうわかったよ!で、何か用でもあるのか?」
風夏「あ!そうそう、いやさぁ、『今日くらいは授業でろよ~!』って言おう 
    としたんだけどね、」
晶汰「あ、そういや今日授業参観だっけ?道理で車がおおいわけだ。」
風夏「だからぁ、授業でろっつーの!」
晶汰「じゃぁ、お前は?」
風夏「・・・さぼった・・・・・・」
司「人のこといえないじゃん。」
風夏「う、うるさいなー!だって今日お母さん来てないんだもん。」
司「だったら俺らも一緒だよ。オレもショウもいつも来ねぇもん。
晶汰「そうそう」
風夏「あ、そうだったんだ、ゴメン・・・」
司「ま、今日はみんなで仲良くさぼりましょうか、」
晶汰「お、いいねぇ、さんせー♪」
風夏「右に同じー。」

その日は風もいい具合に吹いていて少し涼しいくらいだった。
屋上で三人は色々なことを話していた。やがて、チャイムが鳴り、司は1組へ、
晶汰と風夏は2組に帰っていった。



続きます。
初めてテイルズ系以外の小説を書きました。
できれば、感想をかいてくれるとうれしいです。

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