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メッセージ【2】


 人を信じちゃならない。
 人を愛しちゃならない。
 いつかは裏切られるものだから・・。
 本当に信じられるのは・・弱い自分だけ。

第二部「花畑と英雄」

朝がきた。昨日がことが嘘のように空は澄み切った青色に染まっていた。
ティル「ほぁ~~~おはよう・・。眠れた?」
眠れるわけがない。そう言おうとしたが、やめた。喧嘩になるといやだからだ。
とりあえず僕は君の弱いボディーガード。いつさっきの兵士に見つかるかわからない。
見つかったときは起こして逃げることしか出来ないが、とりあえず僕は一晩見張っていた。
ティル「もしかして、ずっと起きてたの・・?」
マリウス「あぁ・・・。」
僕は適当に答えた。そうすると君は決まってこう言った。
ティル「・・・・。君、怒ってない?」
この言葉を聞いたのは確かこのときが初めてだった。その時の僕は何かを信じるという勇気がなかった。
マリウス「いや・・。怒ってないが・・?」
ティル「いや!絶対起こってる!!!!さあ寝な!」
いきなりこんな言葉を投げかけられ僕はビックリした。
ティル「寝てないんでしょ?なら寝なよ。ね?」
嬉しかった。僕のことを気にとめてくれてる人が、まだこの世にいるなんて。
マリウス「僕はいいよ。それより早く行った方がいいんだろ?」
僕は彼女の優しさに気づいたが遠慮しておいた。
ティル「ふ~~ん・・・。ならいいや♪」
そう言うとしばらくの沈黙が続いた。
マリウス「そうだ。剣の手入れしないと。」
僕は腰から剣を抜き、ポシェットから手入れをするための道具を出して磨き始めた。
ティル「いつもそんなことしてるの?」
ティルが不思議そうに言った。僕は手入れをしながら言った。
あの頃のこと・・最強で最高のの英雄に会ったときの話を・・・・・・。

西暦5026年 11月 ガルバン北西の山地の村「マシューム」
ここは山に囲まれた小さな村でこれといった名物もなく観光客などめったに来ない。
しかし、この村に彼はやってきたのだ。
村の子供「やーーい!また泣きやがった!」
マリウス「ヒック・・ヒック・・。いきなり殴るなんて卑怯だよ!!」
この時の僕はまだ14歳親も親類もいなく、この村で僕は一人で暮らしていた。
農作業も一人でするし、洗濯もする、掃除だって料理だって出来るのに村の皆は僕を白い目で見た。
そして、毎日のようにいじめられていた。
村の子供「ざまーみろ!バーカ!!」
???「こらっ!!何をしてるんだ!やめろ!!」
そこには緑色のマントを羽織り赤色の剣を腰に差している剣士が立っていた。
村の子供「うわっ!!逃げろぉ!!」
そう言うとそいつ帰っていった。
マリウス「ありがとう・・。名前は?」
僕はその時。何故か運命的な出会いのような気がした。
ソナタ「ん?俺か?俺はソナタ。ソナタ=エクリックだ。」
そう言うと手を差し出してきた。そして、固く握手をした。
ソナタ「それじゃあ、ちょっと村長に話があるんだ。終わったらまた来てやるよ。」
そう言うとソナタは村長の家のほうへと歩いていった。

ソナタ「おう坊主!何してんだ?」
後ろから声がして振り向いたらそこにはソナタがいた。
マリウス「もう話は終わったの?」
僕は言った。ソナタは頷いてそれに答えてくれた。
ソナタ「畑仕事なんて親に任せて遊べばいいのえじゃねえのか?」
マリウス「僕・・親いないんだ・・・。だから・・。」
ソナタはしばらく静かになった。しかし、次に出た言葉で僕の運命が変わったのかもしれない。
ソナタ「それなら俺がしばらくいてやる。なぁ~に、この村には長くいなきゃならないんでね。
    別にいいだろ?迷惑をかけるつもりはないんだが・・。もちろん畑仕事も手伝うし料理もするぞ!」
思いがけない言葉だった。なのに僕の内心ではとても嬉しかった。
マリウス「・・・・いいですよ。」
この僕の言葉が後の未来を変える大きなものだったのです。

月日は流れ6ヵ月後・・・。
西暦5027年 5月
事件は起きた。
村人「来たぞぉーーー!!!!つ・・・ついにきたぁーー!!」
その声で村の中は一瞬静かになった。しかし次の瞬間誰からともなく悲鳴を上げて逃げるものもいれば、
その場に泣き崩れるものもいた。僕はそのとき畑仕事をしていたため。何が起こったかわからなかった。
しかし、近くにいたソナタが僕に怒鳴って言い聞かせた。
ソナタ「マリウス!!この村から逃げろ!!」
そう言うとソナタは家からあの赤い色の剣を出してきた。
ソナタ「何ぼさっとしているんだ!逃げろ!!」
僕は逃げなかった。ソナタの近くに行き僕は聞いた。
マリウス「何が起こったの?ねぇ!?何なの?」
ソナタは冷静に答えてくれた。
ソナタ「ここはだいぶ前からガルダ帝国の支配下になる有力な土地候補だったんだ。
    そして今日、あいつらは攻めてきたんだよ・・・。さあ、わかったんならお前は帰れ。」
そういうとソナタは走り出した。その先には何千人という兵士の数があった。

そして瞬く間に一時間は過ぎていった。

僕はまだ村の中にいた。ソナタが帰ってきてくれることを願って待っていたのだ。
兵士「おい!!こんなところにガキがいたぞ!!」
僕は兵士に見つけられその場で捕まりそうにが、なんとか逃げた。
しかし、兵士は追いかけてきた。初めは3人だった兵士も10人に増えていた。
僕は怖かった。逃げても逃げても兵士は追いかけてくる。手には武器を持って皆追いかけてきているのだ。
その時、一人の兵士が苦痛の叫びとともにその場に倒れこんだのを僕は横目で見た。
マリウス「えっ!!?」
兵士「だ・・誰だ・・ぐえっ!!!」
そういってる間にも二人目、三人目の兵士も血を吐きながら倒れた。
僕はそこにいる、一人の英雄をみた・・・。
ソナタ=エクリックだ。
兵士「くっ・・・くそぉ!!」
一人の兵士がソナタに向かって剣を振り下ろしたが難なくかわされスキが出来たところで切り捨てた。
ソナタ「おいっ!逃げるぞ!!敵は大体片付いた。後は、カノン王国とミリオム王国に任せておけばいいだ・・。」
大きな銃声。飛ぶ血。倒れこむソナタ。銃を構える兵士。僕には永遠の時のように時間が流れた。
すべてが遅く見えたのだ。僕は声が出なかった。
兵士「今だ!!皆押さえ込め!!!」
その途端、周りにいた兵士が襲い掛かってきた。
ソナタ「ぐおぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーー!!!!」
ソナタが体制をたてなおし剣を大きく振り、襲い掛かってきた兵士を切り刻んだ。
マリウス「だ・・・大丈夫なの!!!?」
そう言うと同時ににソナタは僕の手を取って走り出した。
兵士「逃がすな追えーーーーーー!!」
そして、僕らは何処までも走り続けた・・・・。

そこは一面綺麗な赤色の花畑だった。僕たちはそこで休むことにした。
もう敵の兵は追ってはこなかった。
マリウス「ねえ・・。ソナタはもしかしてこのために村に来てたの?」
花畑に二人寝転んで話した。
ソナタ「あぁ・・。そうだ。しかし、やっぱいくら強くてもあの軍隊には勝てねえな。」
苦笑混じりにソナタは言ったがとても苦しそうに思えた。
マリウス「大丈夫なの!!?」
ソナタ「・・・・・。無理だ・・・。もう・・死ぬなこりゃ。」
そう言うと、口から血を吐いた。
マリウス「!!!ソナタ!!!死んじゃだめだ!!!」
その言葉を聞いてるのか聞いていないのかソナタは淡々と話し出した。
ソナタ「この剣を・・お前にやるよ。かなり使い込んであるから使い勝手はいいぞ・・。
    しかし・・こんな死に方になるなんて俺は思ってもなかったな・・。
    マリウス・・。いままでありがとな。これから・・この世界はもっと汚くなってくる・・。
    でも・・お前はそうは諦めんな。生きて・・生きて生きぬけ!!」
マリウスは顔を涙でくしゃくしゃになりながらも頷いた。そして剣を受け取った。
剣は重たく、上手く持てなかった。そして、時はきた。
ソナタ「・・・・じゃあな・・・・。」
そういうとソナタは静かに息をひきとった。
真っ赤な花のさく花畑で僕の鳴き声がいつまでも響いた。その傍らには、
世界の英雄ソナタ=エクリックは花に見守られていつまでも、そこに眠っていた・・・・。

話終えて僕は一息ついて言った。
マリウス「どうだ・・。くだらない話だろ?」
そう言って、自分にもいつも言い聞かせてた。
過去の思い出・・。僕にとっては辛いことしかない。
このことがあってからだった。僕がこんなにも(弱く)なったのは。
ティル「・・・・・・。そうなんだ。君も大変だね。」
何故か声が震えていた。ふと顔を見るとティルは泣いていた。
マリウス「泣いてるのか・・・。」
ティルは何も返事をしなかった。何故か、僕の目からも涙が流れてきた。
今までこらえてきたものがすべて出てしまいそうだった。
そして、僕は決心したんだ・・・。
絶対・・・・(強く)なる・・・と。
                                ~続く~

「あとがき」
どうも、メシアです。
さて、今回はかなり長くなってしまいました(汗
なんとかマリウスの過去は一話で終わらしたかったからね・・・。
とりあえず、これでマリウスの過去がわかってもらえたと思います。ここからどう、
マリウスが変わっていくかはお楽しみです!さて、次回はようやく旅立ちます。
そこである人に出会い・・・。おっと・・ココから先は次回をお楽しみに。

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