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星~スター~【1】

 彩音(あやね)「葵~起きなっ!学校遅刻するよ」
  
 階段の下から声がする。私は慌てて返事をする。
 
 葵「は~い。分かってるって、今行くから~」
 
 私が階段を下りていくと、お弁当が出来上がっていた。
 
 彩音「早くしないと遅れるよ。」

 葵「彩音は大丈夫なの?」

 彩音は私、小山 葵(こやま あおい)の姉。大学生で頭が良かったりで、評判がいい。私とは大違いの姉だ。

 彩音「大学は後、2日休みだから大丈夫。」

 葵「いいなぁ~まぁいいや・・・行ってきまーす」 

 私は家を飛び出した。今日は1月10日18年初の学校。

 朔亜(さくあ)「あっ葵、おはよっ。ギリギリだよ。」

 この子は私の友達、渡井 朔亜。(わたい さくあ)

 唯(ゆい)「朔亜ー英和貸してくれない?」

 朔亜「また忘れたの?英和。」

 唯「その反応は、貸してくれるんだ~ありがと。」

 朔亜「貸してあげるけどさぁ~また忘れたの?」

 唯「違うよ桜。啓太が忘れたから貸してあげたんだよ~ん」

 朔亜「じゃあ今日は持ってきたんだ。えらいじゃん!」

 キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

 そのとき、予鈴が鳴った。私はほっと胸をなでおろした。このラブっぷりにも我慢の限界だったから。

 このとおり(ってわかんないか)私はかわいくも無く美人でも無い、短所ばかりで長所が無い女だ。

 帰り―

 前から紙が回って来た。私は目を丸くした。

 先生「名前書いたか?これは見てのとおり、進路調査票だ。将来の夢に向かっていけるような高校を選ぶんだぞ。

    来週に集めるから、きちんと書いておくこと。」

 海堵(かいと)「先生ー夢ねぇんすけどどうすりゃ良いっすか?」

 おちゃらけ男の皆見 海堵(みなみ かいと) が言った。

 先生「自分で考えなさい。では、みなさんさようなら」

 先生は海堵が気に入らないらしい。

 朔亜「あれは無いよね。先生。」

 靴に履き替えている私に、朔亜が言った。

 葵「いつの?」

 朔亜「帰りの時の。海堵に対しての言い方。」

 葵「あーそうだよね。(夢が無いのって、海堵だけじゃないと思うけどなぁ~)」

 そう、私も海堵と同じ…夢が無いから。

 葵「そういえば、朔亜は、何処の高校受けんの?」

 朔亜「S高校。唯と一緒なの。葵はどうなの?」

 葵「何処にしようか迷ってるんだ。」

 実は迷うに迷えない。そんな事考えてないから。

 朔亜「でもさ~S高ってレベル高いんだよね。唯はバスケの強い所に行きたいからさ~

     近くって言ったら、S高しかないからね。」

 葵「え”レベル高いん?、S高。」

 朔亜「うんうん。そこの生徒の三分の一は、毎年、東大受けてるらしいよ。

    その半分は、受かってるらしい、地元じゃ超・有名天才学校だよ。葵、知らないの?」

 葵「だったら、S高やめとけば?」

 朔亜「何を言ってるの?唯の居ない学校生活なんて考えらんないもんねー」

 葵「そんなに唯が良いのかな~あんなバスケ馬鹿が。」

 朔亜「唯じゃなくても、葵も”恋”すれば分かるよ=なんなら、啓太でも紹介して上げよっか?」

 葵「良いよ~自分で見つけるから。」

 朔亜「そんな事言ってると、彼氏なんか出来んぞ!」

 葵「家こっちだから、バイバイ!」

 朔亜「バイバイ!」

 恋・・・・か。したことないもの。

 そろそろしなきゃって思っても出来ないから苦労する。それが恋の嫌な所。

 !ドンッ! 誰かがぶつかった。

 私はよろめいて、転んだ。顔を上げるとそこに見えたのは、唯と同じクラスの(=隣のクラスの)伊茄 啓太(いな けいた)だった。

 啓太「あっごめん。あ・・・たしか隣のクラスの・・・小山 葵さんだ・・・ね。・・ごめん。」

 私は初めて伊茄の顔を真近で見た。いや、男の顔を間近で見たのも初めてだ。

 葵「こっちこそごめん。ボーっとしてたから。あっ、伊茄 啓太君だよね。」

 啓太「やっぱりそうだ。・・唯からよく話を聞いてたけど・・・話に聞いてたとおり・・。」

 葵「伊茄君のことも朔亜から聞いてるよ。」

 啓太「・・・それの仮はまた今度。・・・メルアド・・・教えて」
 
 葵「んっ・・・」

 伊茄君の指の先を見ると私の服は汚れていた。

 啓太「汚れちゃってる・・・制服。」

 葵「べっ、別にいいよこんなの。何時ものことだし。」

 啓太「いいから・・・汚しちゃったのは・・事実だし・・・。」
 
 葵「でっ・・・でも・・。」

 私は伊茄君のペースに乗せられていく・・

 啓太「またメールする・・・今度からは気をつけて・・・小山さん・・・。」

 伊茄君が去っていく。私は伊茄君の後姿を見ながら頬を赤らめた。

 そう、私、葵にも”恋”の季節がやってきました。             ~続く~
 

後書き
 こんにちは。羅維です。とにかく長くなってしまった事を謝ります。すいません。
 長くなってしまったので読んでくれた人も少ないと思いますが、いかがでしたでしょうか?
 見てのとおり、ラブストーリー(?)です。次回作が何時になるかは分かりませんが、宜しくお願いします。 でわv
これの続きは出来ている。(頭の中に) 

 


 

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