« クリスマス・イブ | メイン | この星が輝く理由【2】 »

天使in悪魔【5】

いつもと違う気分だったから、違う道を通ってみた。
   
沢山の車が行き交い、たくさんの人が行き交う。そんな、都会の街を歩いている。
  
あの日から、私は1人になった。

そう、あの日から――

  
美沙に置いていかれた。私はそう思った。ため息をつき、靴を履き替える。

「それいぃ~マジ笑える。ブリッコのブ里子にチョー合ってる。」

美沙がスッゴイ勢いで笑ってる、いつもの3人―南深(なみ)と涛湖(とうこ)の3人で。
   
「ブ里子って真っ白だし~『由里子』って名前に合ってるぅーって言うか。」

南深が言った。
  
「南深って、小学校一緒だったんでしょ。小学校んときも『ブ里子』だったの?」
 
涛湖が聞く。

「ほんっとだよ、小学校の時からブリッコしてんの。男が惹いてるの見えてるっつぅーの。」

笑声とともに3人がこちらにやって来る。

そのまま、私は動かずそこにいた。

美沙が声をかけてくれるのを待ちながら。

美沙はこちらに目を向けた。

「あっ、春香ちゃ~ん、お、は、よっ!

涛湖が言った。その後に続き、美沙が思い出したように言った。

「あっ、春香、おはよっ!今日はごめんねぇ~当番が有ってさ。早く行かなきゃいけないんだ。今日から...1,2週間ぐらいかな?1人で行ってね。」
   
美沙と私、それから瑞樹、龍祐。

私ら4人「一生友達」って約束したよね。
   
そうだよね、美沙。私を置いていったり、しないよね。ずっと一緒だよね。

「勉強なんていい。遊びに毎日を尽くせばいい。」前、お姉ちゃんが先生に教えてもらったんだ、って言ってたっけ。 
   
この学校、エスカレーター式だから、勉強なんていいや。もう、学校なんて――

このまま私は、人通りの少ない渡り廊下で、倒れていた。

まるで死んでいるかのように――

その日は大変、皆が心配してくれた。

自分の不幸を喜んでいた私が、ちょっと憎い。
   
でも、その日は1人じゃなかった。
   
それから2週間が経った。その日の帰り、校門で美沙を待った。
    
「あっ、春香。明日からも、ずっーっとさ1人で行ってくんない?クラス委員になっちゃってさ、毎朝早く行かなきゃいけないんだ。んじゃ。」

私は、呆然としてそこに立ち尽くしていた。
   
私には分かった。

――美沙は、うそをついた。
    
美沙がクラス委員になったことは本当。

でも、早く行くなんて決まりはないはず。
   
だって、クラス委員の龍祐は、瑞樹と一緒に私の後にやって来るじゃない。
   
私と一緒に行きたくないなら、「春香と一緒に学校行きたくないから。」ってはっきり言って。ねぇ、美沙...
   
   
こんな感じで、毎日が過ぎていった。
   
こんな毎日は序の口、まだまだ恐い、恐怖が起こる。 
 


後書き
 こんにちは、茶味です。いよいよ書きたい事もまとまり、順調に進んでおります。
 最近って世の中物騒ですね。
 皆さん、気をつけて暮らしてくださいね。(自分、何言ってんだか。  
 いきなりなんですが、私、題名のセンスないんですよ~
 まあね・・・そういう面では気を使ってませんから。
 でわまた、皆さんお元気で。

コメントする