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蒼海【3】

オレの名前は、重村龍二。
今年で中学三年生だ。

両親はカメラマン。そして、小説も書いている。
カメラマンということもあり、日本各地を転々としている。
そのおかげで、転校も多い。今までに何度転校したやら・・・。
そして、今日転校した学校には二年間通っていた。今までで一番長く居たのさ。
だから・・・正直、とても寂しい。
いままで何度も出会い、別れ、そして出会った。

流石に、二年も居たら寂しさがこみ上げ、頭の中を駆け巡る。
でも・・・思うんだ。
また、いつかみんなと会える。ネガティブな考えなんて何もない。
人生、ポジティブが勝ち、って言うからな!


そういえば、花束を貰ったんだっけ。
一旦、部屋に戻って休もう。
最近は・・・色々忙しすぎたもんな。
それに、長い船旅だ。疲れを残すのも嫌だしな。
そして、次の転校先は昨日住んでいた場所よりもずーっと田舎だ。
どんな風な田舎なのかなんて分からない。
ただ、分かることはかなり南側にある島国だという事だ。
・・・眠ってスッキリしたあと、両親に移住先のことをもっとくわしく聞いてみるか。

オレは船内の指定された部屋に向かい、すぐにベッドに飛び込んだ。
枕にギュウっと顔を押し付ける。息苦しくてハッと枕から顔を離す。
そして、乱暴にシーツを被った。
気づいたときには、すでに浅く、心地の良い夢の世界に旅立った後だった。

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