時の封印【4】
笹倉さやか・・・・。
少し前のことだった。
彩華の親友でとても明るい女の子だ。
舞を習っていてその姿はとても美しかった。
だが、ここ1週間学校に来ていなかった。
電話をしても出てくれなくてずっと気になっていた。
「さやかが・・・ここにいるの?」
「知り合いなのか?」
篤鳴は不思議そうに彩華を見た。
篤鳴の黒い髪が風に吹かれてゆれる。
「うん。親友なの!!」
「そうなのか・・・・」
篤鳴は何かを考えているようだ。
そのときだった。
「篤鳴殿。柏木殿が呼んでおられたぞ」
「わかった、すぐ行く」
篤鳴は彩華のほうを見て微笑んだ。
「師匠に助けてもらえるように頼んでおく。少し待っていろ」
「うん・・・」
彩華は再び暗い闇の中に1人残された。
「ですから、あの女は未来から来たものです。アメリカ軍ではございません」
篤鳴は師匠の邸にいた。
黒い長髪の男は鋭い目つきで自分の弟子を見た。
「未来?さやか殿と同じことを言うやつがまた現れたのか」
「はい、さやか殿もアメリカのものではなかったじゃないですか。怨霊封印能力をあの子も持っております」
「・・・・・・・・・。未来のものは怨霊封印能力を持っているのか?」
美しい顔のこの男は顔をしかめていた。
彼の名は柏木龍之介(かしわぎりゅうのすけ)。
篤鳴の剣の師匠だ。
「だが、まだ安心できると思えない」
「師匠・・・」
そのときだった。
近くで家が破壊されたような音がした。
篤鳴は音のしたほうを見た。
「!!」
それは彩華のいる牢屋がある邸だった。