時の封印【6】
森の中を走り続けた。
恐怖のせいか息がうまくできない。
「はぁ・・・はぁ」
兵は追ってきていない。
だが、見つかると殺される。
「・・・・どうして・・・こんな・・・ところに・・・・・・くることになったの?」
涙で前が消えなかった。
怨霊封印も怖い、殺されるのも怖い。
自分の居場所が無かった。
(家に帰りたい)
そう思ったとき何かにぶつかった。
一瞬兵とぶつかったと思い体がこわばった。
「?大丈夫か?」
だが、兵では無かった。
鎧を着ていて腰には剣。
何より・・・・・・その人物は・・・
「アメリカ・・・人?」
ありえないと思った。
何故日本に外人が?
それだけじゃない、この時代ではなぜかアメリカ人と日本人の仲が悪いはず。
「・・・君、大丈夫か?」
「は・・・はい、すいませんぶつかって」
「・・・・・・・いや・・・私が怖くないのか?」
「なんで?」
「・・・・いや、だって私は・・・」
言いたいことがすぐわかった。
「アメリカ人・・・ですか?」
「ああ」
「ぜんぜん!!怖くないですよ」
その人は金髪で長髪のすごく優しそうな目をした人だった。
女性か男性かわからないが、たぶん男性だ。
「・・・・・それにしても、苦しそうにしていたが・・・・何かあったのか?」
「・・・・・・」
「話すのはいやか。無理に話さなくていい」
「あ・・・いえ!!」
彩華は今までのことをすべて話した。
初めてあった人で外人なのに何故か話しやすかった。
それに、この人も真剣に話を聞いてくれていてうれしかった。
「なるほど・・・殺されそうということか」
「だから逃げているんです」
「それにしても許せないな。嫌がる女性に無理やり怨霊封印をさせようとするその根性が」
「そうですよね!!」
「・・・・・・行く場所が無いのか?」
「今のところは」
少し考えてこういった。
「近くに私たちアメリカ軍の船がある、そこにいくか?」
「え!?いいんですか!?」
「ああ、リーダーには私が話をつける」
「・・大丈夫ですか?」
金髪の男性は少し笑った。
「これでも私はアメリカ軍の副リーダーだからな」
「え!?」
「・・・・名を聞いてなかったな。私はエルウィー」
「あ・・・彩華です」
「そうか、彩華いこうか」
エルウィーの後をついて行った。
少しだけ心が落ちついた。
それだけじゃない、何故かドキドキする。
(まさかこれは・・・恋!?)
など、変なことを考えながらエルウィーの後をついていった。