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時の封印【7】

「これが・・・アメリカの船?」

すごく大きい。
こんなに大きければ普通日本人に見つかるはず・・・
船の前にはアメリカ兵が2人立っていた。

「何だ貴様は!!女だからといって容赦はしないぞ!!」

「待て」

彩華に銃を向けるアメリカ兵の前にエルウィーが立つ。

「こ・・・これはエルウィー様!?」

アメリカ兵は驚き後ずさった。

「このこは私の客人だ。勝手に何かをすれば許さない」

「で・・・ですが、アメリカ船に日本人を連れ込むなど・・・」

「リュウザイ様に言っておいてくれ。エルウィーが客人を連れてきていると」

「・・・は!」

アメリカ兵の一人が走って船内へ行った。
残ったアメリカ兵はエルウィーを見てため息をついた。

「いくらリュウザイ様でも・・・・日本人の女を連れ込むことは許さないと思いますが」

「説得して見せるさ」

そういうとエルウィーは彩華を見た。

「待たせたな。私の部屋へ行こう」

「は・・・はい!!」


★「ここが私の部屋だ」

ひとつの部屋の前で立ち止まった。
エルウィーがノックする。
すると・・・。

「はい・・・・・・エルウィー様!!」

女の子が部屋から出てきたのだ。

(まさか彼女!?)

だが、かなり年下だ。
10歳ぐらいの子。

「ユリエル。しばらくの間この子がこの部屋を使う」

「はい、わかりました」

女の子はにっこりしてうなずいた。
メイドの服を着ている。

「この子はユリエル。私のお手伝いをしている子だ」

「はじめまして、彩華です」

「はじめまして!ユリエルです。精一杯アヤカ様のためにがんばります」

「あ・・・・彩華様!?」

驚きだ・・・。
様とよばれたのは初めてだ。

「エルウィー様、先ほどリュウザイ様がお呼びしていました」

「・・・・そうか、では行ってくる。アヤカはここで待っていてくれ」

「え・・・」

「大丈夫、ユリエルがついている」

そういうと部屋を出て行った。


★「・・・・なるほど、日本人に殺されそうになっている女性か」

エルウィーはリーダーの部屋にいた。
彩華のことを説得しにきていた。
今目の前にいるのがリーダーだ。

「その女を人質にするのもいいな」

「リュウザイ様!!私は彼女を助けるためにここにつれてきたのです!そういう考えは・・・」

「わかっている」

リーダーの名はリュウザイ。
金髪で青い目。
美しい顔をしている。
彼は笑いながらエルウィーを見た。

「いいだろう、その子をここにおいてもいいぞ」

「本当ですか!」

「ただし、一度あわせることだ」

「・・・・・・・・」

「何もしないさ。ただ怨霊封印能力を持っているものなら興味がある」

エルウィーは少し自分のリーダーをにらんだ。

「彼女は怨霊封印能力を持っていることを嫌がっています!!」

「・・・・わかった。そのことについては話さないから」

「ならいいです、失礼しました」

そういって部屋を出ようとした。

「まて、少し話がある」

「?なんでしょう」

リュウザイはコーヒーを一口のみエルウィーを見た。
真剣な目だ。

「私は先ほどまで日本のことを調べていた。調べた結果、日本は怨霊を操ることができるのは一部のものだけらしい」

「一部・・・アヤカを仲間にしようとしていたものですか?」

「そうだ。だが、やつらは怨霊封印をしていて有名人だった」

リュウザイの髪が風で揺れる。
空気が変わった。

「アメリカでは怨霊を封印できるのは私とお前だけだ。日本のやつらは封印だけをして怨霊を操ることはしていないらしい」

「・・・・・怨霊を操ることができるのは・・・・怨霊封印能力をもつものだけ」

「そうだ、アメリカでも日本でも怨霊を操れるものはいない」

「・・・では」

「だが、一人だけ操れそうな人がいる」

「だれですか?」

リュウザイの瞳にエルウィーの顔が映る。

「お前が今日連れてきた女は・・・封印能力を持っているが、日本で怨霊封印をしていない。・・・可能性があるのは・・・」

エルウィーは息を呑んだ。

「アヤカ・・・・・」

「そうだ、怨霊を操り日本とアメリカを攻撃しているのはそのアヤカという女の可能性が高い」

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