時の封印【8】
―アヤカが怨霊を操ってアメリカと日本を滅ぼそうとしている―
エルウィーは机を思いっきり叩いた。
コーヒーがカップからこぼれる。
「そんなわけないです!!!!」
「可能性があるといっただけだ」
「疑っているじゃないですか!?」
エルウィーは咳払いをした。
「す、すいません。怒鳴ってしまい」
「いや、お前がそんなに否定するとはな。そんなにあの女が気に入ったか?」
「違います」
エルウィーはこぼれたコーヒーをタオルでふき取った。
「・・・・。私は、怨霊を操っているのは日本人でもアメリカ人でもないような気がします」
「・・・・・何?」
「怨霊が怨霊を操る。それはないのですか?」
「・・・・・・」
リュウザイはエルウィーを見た。
「・・・何故そう思った?」
「勘です」
「勘?」
「はい」
エルウィーはリュウザイをじっと見た。
リュウザイはため息をつき腕を組んだ。
「あるかもな」
「え?」
「可能性はある。それに勝手にか弱い女の子を疑うのはよくないしな」
「リュウザイ様」
「・・・しばらくその女の子を監視はする。いいな?」
「はい」
そういうとエルウィーは部屋を出て行った。
潮風が部屋に流れる。
「・・・・・・・・・怨霊が怨霊を操るか」
リュウザイは小さくつぶやいた。