蒼海【8】
ともかく、過ごし易い場所なのは間違いない。
恐らく今までの住んだ場所で確実に今までで田舎だった。
目を、閉じてみる。
何もない道に、絵に書き表せないような青い空。
うっとうしいぐらいに照りつける日差しを、睨んでいる。
そして、その果てまで続くような道の先にいる。
新しい仲間たち。
遠くにいてよく見えない。
走る。走る。近づいていく。
こちらに向かって元気よく手を振っている。
待っていたよ。そう言わんばかりに。
しかし、それは何かに阻まれたかのように急に現実世界に引き戻された。
何故か、分からなかった。空想の世界が、それも自分で作った空想が壊れた。
空想が、空想を破壊した。
急に不安になった。
オレは、次の学校でもやっていけるだろうか?
何度も転校し、そして出会い、別れたんだ。
今更何を不安がっている?
いや、何故不安がっている?
胸騒ぎがする。自分自身が、自分に何かを訴えるのに気がつく。
自問自答を繰り返す。
まるで、何かを作る無機質な機械のように。
その機械的に動かされたオレの脳が停止したのは、オレが眠ったときだった。