« 復讐の英雄 | メイン | パラレル・ワールド »

天使の願いが届くように





一人の少女がいた・・・・


自分の運命が終わりを告げていた・・・・


だが・・・少女の目は・・・・







      題  天使の願いが届くように・・・





                                    作者
 T・Y







俺は一人、雪の積もった墓の前にいた・・・俺は墓に積もった雪を素手で払った・・


雪を払うと、金色のプレートが現れた・・・

プレートには『享年13歳 天使のような少女 冬香 ここに眠る』

あまりにも寂しいがとても温かく笑顔が絶えない生涯だった・・・・



冬香「お兄ちゃん、今日は病院から外出許可がでたの、一緒に出かけよ。」

氷樹「ホントか!やったな、久しぶりに出かけれるな。」



冬香は生まれつき病弱で、病院生活が長かった

たまに外出許可がおり、二人で遊びに行くのが楽しみだった




実は妹でありながら血の繋がりがなかった

親の勝手な都合で冬香を引き取った

俺は一人っ子だったから調度よかった

その親もしばらくして事故で死んだ・・・




氷樹「よし、ならどこ行く?」

冬香「ん~~・・・遊園地がいい。」

氷樹「遊園地!?外は寒いぞ・・・」

冬香「それでも行くの!」

氷樹「そこまで言うなら遊園地に行こう。」




俺は気づいていた冬香の顔色が悪いことに・・・だが、俺はあえて言わなかった・・

いや・・・言わなかったのではなく、言えなかったのかもしれない・・・



氷樹「いくぞ、冬香・・」

冬香「うん」



俺達は遊びまくった、時間が経つのも忘れて・・・

冬香が二回ほど咳き込んだ・・・・・だが、冬香は俺に「だいじょうぶ」と言った・
・・




俺らは最後に観覧車に乗った




冬香「すごい高いね。」

氷樹「あぁそうだな。」




一番上に達する時に冬香が言った



冬香「お兄ちゃん・・好きです・・・」

いきなりだった・・・


だが・・・


氷樹「先に言われたね・・俺から言わして欲しい・・・」

冬香「えっ?」

氷樹「冬香が好きだ!3年後、結婚しよう!!」

冬香「うん」



俺達の乗るゴンドラが一番上に来た時、二人の唇が重なった・・・
とても長く時間が感じた・・・



氷樹「次、どこ行く?」

冬香「静かな場所がいいな。」



俺はすぐに思い浮かんだ

二人でよく遊んだ森の奥の大きな太木の場所・・・

だが・・・俺は感じていた・・・冬香はもしかしたら・・・・



氷樹「ここがいいだろう、昔よく遊んだ・・・・」



しかし、その場所には昔みたいな大きな木はなかった・・・あったのは切り株だけ・
・・



氷樹「なんてことだ・・・あの木が・・・」



       『バタッ』



氷樹「えっ!?」


俺の後ろで冬香が倒れていた・・・俺はすぐに切り株の上に冬香を寝かした・・・


氷樹「だいじょうぶか!!熱が凄い・・・」



周りには熱を下げる物は何1つなかった・・・空気が冷たかったが・・なんの役にも
たたなかった・・・
俺は助けを呼びに走ろうとしたが、冬香が止めた・・・



冬香「私を一人に・・・置いていかないで・・・」



俺は感じていた・・・もう持たないと・・・だから・・少しだけでも・・・


氷樹「俺はどこにも行かない!冬香と一緒にいるぞ!!」

冬香「ありがとう・・・」



いつの間にか空からは真っ白な雪が降ってきていた・・・



冬香「雪が綺麗・・・」

氷樹「あぁ・・そうだな・・・」

冬香「結婚式できなかったね・・・」

氷樹「いまからすればいいさ・・・」




氷樹「妻、冬香は氷樹のことを永遠に愛し続けることを誓いますか?」
冬香「はい」


冬香「夫、氷樹は冬香のことを永遠に愛し続けることを誓いますか?」
氷樹「はい」


冬香「では、誓いの口づけを・・・・」

だが・・・冬香は・・・


冬香「やっぱり駄目!氷樹は私を永遠に愛し続けちゃ駄目!私以外の人を好きになっ
て!!」


氷樹「そんなことできな・・・・・」
その時、俺は喋れなくなった・・・ふたたび唇が重なっていたから・・・・



冬香「お兄ちゃん・・ありがとう・・・・そして・・・永遠に愛してます・・・氷樹
・・・・・」

その言葉を最後に、冬香は永遠の眠りについた・・・・




氷樹「まてよ・・・俺を一人にする気か?・・・目を開けてくれよ・・・う
わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」



俺は泣き叫んだ・・・声が枯れても叫び続けた・・・・


いつの間にか雪がやみ、星空が見えた・・・


その時、1つの星が流れた・・・・


その星が、奇跡の始まりだと俺は気づいた・・・・














あれからちょうど3年・・・

やはり外出許可は嘘だった・・・

自分が今日、この世からいなくなることが冬香は分かっていたんだろう・・・

冬香との思い出の太木がある森を一面できるところに墓を立てた・・・



氷樹「いまでも、あそこに行くと子供のころの思い出が見えてくるよ。」



そして冬香がくれた奇跡・・・


氷樹「見てるのは分かってるぞ、出てこい。」


草むらから音がして、一人の少女が現れた



少女「やはりバレてたか。」

氷樹「バレバレだ。」



この少女のことは秘密にしておこう・・・

だが、1つ言えることは・・・天使がくれた奇跡の1つだと言うことだ・・・・



そして・・俺には見えていた・・・・

この少女の後ろで冬香が微笑んでいることを・・・・




氷樹 「いくぞ、冬香・・」

少女
&  「うん」
冬香




                                      
       Fin


 




~~あとがき~~

久しぶりの復活なので前から書いてたやつを投稿してみましたw

ほかのサイトさんのSSを読んでたら作者さんのSSに感動し、感動系のSSを書き
たくなって書きましたw

私的には一番の作品だと思いますw

感動してくれたら幸いですww

コメントする