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逃げられない!負けられない!地獄の球技大会!!!【3】


ドッヂボール編 D対E 前半戦

「はてさて、ハロルド様の実験台になれる、ラッキーな主人公さんは誰か大会、こと、テイルズ球技大会、いよいよ、はじまりますっ!!!」
ハロルドの威勢のいい声は、スタン・エルロンの耳にずっと響いていた。
「なあ、ルーティ?」
スタンは、自分の横で着々と準備をしている、ルーティ・カトレットに話しかける。
「特技とか、晶術とか、召喚魔法とか使っていいって、主催者の人が言ってたけど、危ないよな?」
「はあ?危ない???」
この突飛なスタンの問いかけに、ルーティは、顔を上げる。
「あんた、バカ?」
「な!?バカはないだろ!!!」
スタンの金髪が、ふわりと風になびいた・・・この世界にも風は、存在するようだ。
「やるかやられるか、よ。勝たなきゃ実験台!絶対にごめんだわ!そんな試合、普通にやったって、はやく終わらないじゃない!・・・だって私たちは、はやく帰って・・・」
ルーティは、そこで言葉を切った。スタンは、ルーティがしゃべるのをやめて、うつむいたのを見て、
「そうだね。はやく終わらせて、世界を守ろう・・・。」
としか言えなかった。ルーティは、思い出していたのだ。つい先日、自分の手を染めて亡き者にした、弟のことを―――。

「キール♪メルディな、がんばるよ♪」
メルディは、スキップしながら、キールに近寄ってきた。
「そうか。がんばってくれ。僕は、外野に・・・!」
そう言って、椅子から立ち上がろうとしたキールは、すごい勢いで、内野コートへと背中を押された。
「キール!」
ファラだった。
「だめよ!外野って案外大事なんだから!わたしが外野にいく。大丈夫!メルディも、リッドも内野だし♪うん、いけるいける!!!」
彼女の口癖がでた。こうなっては、キールは外野をあきらめるしかなかった。
「まったく、なんで僕が・・・。」

「は~い!試合、開始ぃ!!!よ~い・・・」
「ピーーーーー!!!」
ハロルドの声の後、彼女が吹いた、笛で試合が始まる。
エターニアチームは、ファラ外野の、他三人が内野。ディステニーチームは、フィリア外野の、他三人が内野。
ボールは、先ほどの、キール対ルーティのジャンケンで、ディステニーチームの物となった。
「よぅ~し!いっくわよ~!!!」
ルーティが威勢のいい声で、ボールをかかげた。
「いっけ~!!!スナイプエア!!!」
その瞬間、宙にまったボールは、勢いをつけて、キールに向かう!
「うわあ~~~!!!」
キールは、あまりにも突然の攻撃に、防御を考えていなかった。
「キール!!!」
ファラ、リッド、メルディが叫んだ。
「クイッキ~!!!」
そのとき、メルディの肩に乗っていたクイッキーが、後ろ足をけって、ボールに向かって、大ジャンプした。
「クイッキー!」
メルディが叫んだが、クイッキーは、キールめがけて飛んできたボールをしっぽではじき返した。そのボールは、相手コートのウッドロウが見事にキャッチした。
「よくやった♪クイッキー、えらいな。」
メルディが、戻ってきたクイッキーの頭をなでながら言う。
「ちょっと~、当たったわよ!」
ルーティが、まだ朝礼台にあがっているハロルドを見上げた。
「ん~。そうね♪じゃあ、メルディ、外野にでなさい。」
ハロルドに指名されたメルディは、立ち上がると、
「はいなっ!!!」
と、威勢のいい返事を残して、外野にでていった。
「おい、キール!今度は、へますんなよ!」
リッドがキールの耳元で、ささやいた。
「!うるさい!・・・僕はだいたい・・・」
「くるぞ!」
キールの台詞をさえぎって、リッドが叫んだ。
「スタン君、いい考えがあるのだが・・・。」
ウッドロウは、その後、スタンにボールを渡し、耳打ちで何かを伝えた。スタンは、こくりとうなずくと、ディムロスを抜いた。
「スタンっ!何をするつもりだ!?」
剣からソーディアンの声が聞こえる。
「心配ないさ、ディムロス!」
スタンは、そう言うとフィリアに向かって、叫んだ。
「フィリア~~~!この間覚えた特技、使ってくれ!!!」
スタンは、ディムロスを振り回しながら、はやくやるよう促した。
「えっ!・・・はい!」
フィリアは、メガネのずれを直した。
「・・・ストップフロウ!」
その瞬間、リッドとキールは固まった。
「キール!リッド!」
外野の二人は、叫んだ。
「いくぞ!魔神剣!!!」
ボールは、ぐんぐん加速する。そして、見事リッドにヒットし、その後、フィリアのいる外野へと、ころころと転がっていった。
「くっそ~!」
10秒たったため、自由に動けるようになったリッドは、悔しそうに外野にでる。
「やった~!」
ルーティが、ガッツポーズをきめた。
「しょうがないんだから!」
今まで外野を守っていたファラは、キールのみの内野に向かった。
「よしっ!あと、二人だ!」
スタンが、ファラとキールを見た。すると、フィリアの声が、外野の方から聞こえてきた。
「スタンさん、あの・・・これ、どうすれば・・・」
フィリアが持っていたボールを、前に差し出す。
「ああ、フィリア!それ、こっちに投げて!」
「はい!」
スタンの答えに安心したように、フィリアはボールを大きく振りかぶって投げたが、とてもゆっくりだった。
「やった!とった♪」
そんなゆっくりなボールは、簡単にファラにとられてしまった。
「よしっ!反撃開始だよ!」
ファラは、その言葉の後に、キールの方を振り返って、がんばろうね!キール!と付け足したが、彼の返事は、曖昧だった。
「しまったあ!」
ルーティは、そう言いつつ、アトワイトを抜く。
「ルーティ!?こんな馬鹿馬鹿しい事に私達を使わないで!」
「馬鹿馬鹿しいですって!?」
意外なところから、返事が返ってきた。朝礼台のハロルドだ。
「アトワイト!誰のおかげで、こうやって、生きてられると思ってんの!?」
「ハ、ハロルド!!!」
アトワイト含め、全員のソーディアン達が驚いた。
「私の意見に反対ならそれでいいわ!でも、開発者の私を敵にまわすと、大変よ~♪」
そう言って、微笑するハロルドをみて、その場にいたすべての人物が、恐怖を感じた…。
「はあ。しょうがないわね。ルーティ、行くわよ!」
アトワイトがルーティに向かって言った。
「そうこなくっちゃ♪」
ルーティは、嬉しそうに答えた。
その後ろでは、スタンが、ディムロスにハロルドのことを聞いていた。その姿を見てルーティは、当たるんじゃないわよ、という言葉をはきすてた。
「よし!いける、いける♪」
ファラの口癖が、会場に響きわったた。

*あとがき*
すみません・・・。かなり、投稿が遅れました…(汗。Eの資料が全くもってないので、反撃の技がわからない…(今更、インターネットで調べりゃいいじゃんと感じました…。前半戦なので、後半、どうなるか見物ですね~。このまま、Dが逃げ切るか、Eが逆転するか!?どっちにしようか、私も悩んでいます(オイ!。それにしても、この物語は、いつ終わるのか…(ぇ。少なくても、あと、2~4種目位はやらないと、球技大会とは言えませんよね。何年かかるでしょうか…(オイ。ではでは、この辺りで、今回は失礼します。

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