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テイルズオブアドベンチャー【2】


何が起こってしまったのだろうか? 今、この瞬間にも、理解に苦しむ自分がいたりする。
吹き抜けた風が、無情にも過ぎ去ってしまうのを感じる自分がいた。笑えないぞ。
 「あ、驚かせてしまって悪りぃな。俺、ロイド。ロイド・アーヴィングっていうんだ」
鳶色の髪の少年は改めて自己紹介をする。いや、そうじゃなくってさ。セネルは小さく突っ込んだ。
自己紹介して欲しいという訳ではなくて、こいつは何でこんな奇怪な行動を行っているんだということを聞きたいのに。
 「あ、オレ、カイル! カイル・デュナミス! 未来の大英雄さッ!」
金髪の少年――カイルも、改めて自己紹介をする。だから、自己紹介して欲しいんじゃなくて!!
ロイドに訊こうとした事を訊こうと思ってたんですがね~。みたいな突っ込みを心の中でやってみた。
自分でいうのもなんだが、怖くなった。のでやめた(爆)
 「ところで、ここは何処なんだ?」
ウィルが周囲を見渡した後にいった言葉はこれで、
 「イセリアよ。私たちの世界」
銀髪の女性が言った言葉はそれだったわけで、
 「ここは何処なんだよ―――――――――――――――――――!!!」
次に自分達が叫んだ言葉はそれだった。


  テイルズ オブ アドベンチャー
          第一章  先生の大暴走+ロイドの回想劇


いきなり騒ぎ始めた謎の旅人達に、彼――ロイドは唖然とした。少なくとも、自分達とは違う世界からきた人物らしい。
でも、カイル達も自分の世界とは違う場所から来たと言っていた。と、いうことは、この面々は知り合いなのだろうか?
 「なぁ、カイル。お前、知り合いでこういう人は」
 「「見たことない」」
即答で答えられ、ロイドはため息をついた。では、異世界から来た人間達は何でここにいるのだろう?
 「失礼だけれど、あなた達は何処から来たの?」
 「「「「「「「「遺跡船から」」」」」」」」
彼等の答えは一緒だった。瞬間、リフィルの目が輝いていくのが見えた。かなりやばい事になる。
このままでは、先程あった悪夢と全く同じではないか。
思わず、ロイドはため息をついた。


    *****


少し時間を戻そう。
ロイドたちは、夕飯を作っている真っ最中だった。
鍋から立ち上る湯気と共に、美味しそうな香りが周囲を包む。今日はクリームシチューだ。
ちなみに、食事当番はジー二アスとコレット。二人ともシチューが得意なので、今日のシチューは美味しくなる事受け合いだ。
もちろん、リフィル先生は食事当番を強制解雇されている。ってか、解雇しないと地獄へ落ちてしまうだろう。
 「もうすぐ味付けが終わるよ~」
ジー二アスがビシッと親指を立てて合図する。コレットも皿を出しながら頷いた。
他の仲間も集ってくる。今日は楽しい食卓になることも受け合いだ。たくさんの仲間達と共に行う団欒の時間が、だ。
クラトスやリフィル、ゼロスやしいな、プレセアやリーガル…。九人の旅は、けっこう楽しい。喧嘩やいざこざは時折起こるが良い仲間だ。
 「そんじゃ、いっただきまーっす!」
ロイドの掛け声がかかった。その瞬間!
 「「「「「「うわぁぁぁぁぁぁああああああああああああ!!!」」」」」」
異口同音に、無数の悲鳴が響いたと思った。視界が真っ暗になり、次に目に入ってきた光景はひっくり返ったシチューの鍋。
それだけではない。見知らぬ人々がそこにいた。
金髪の少年、ショートカットの少女、赤い髪の女性、銀髪で肌黒の男性、仮面をつけた少年、寝癖が爆発しているピンク髪の女性――。
ハタからみれば、自分達と同じく不審者だ。(特に仮面をつけた少年)
 「あ、あれ!? ここは…!? 俺たち、確か…マグナディウスと戦ってて…」
 「何ッ!? マグナディウスだと!?」
金髪の少年が呟いた言葉に、すかさずリフィルが反応した。
自分には全く理解できない単語だったが、彼女にとっては重要な単語なのだろう。
このままいけば、確実に彼女の意外な人格が爆発するであろう。いや、もう爆発していた。
 「あの、魔界の王者と呼ばれるマグナディウスだと!? 素晴らしい! 素晴らしすぎるぞッ!
  お前達、どこでそのマグナディウスと戦ったァァ!? 答えろぉ―――――ッ!!」
 「うわぁぁぁああああ!? な、な、ななな…!?」
 「な、何が起きたって言うんだ!?」
困惑する仮面剣士に、リフィルの弟であるジー二アスは深いため息をついた。
 「出た…姉さんの遺跡モード…」


    *******


 「遺跡船だとぉぉ!? 素晴らしい! 素晴らしすぎるぞ!」
案の定、げらげら笑いながら完全に遺跡モード化。もう止まる事はない。
いきなりこんな人に出会ったら、不安になる人受け合いだ。
と、思いきや、
 「うわぁぁ! 良かったねウィルっち! 学者馬鹿の仲間がいたよ~!」
黄色いワンピースに身を包んだ少女が楽しそうに飛び跳ね、めがねをかけている男性を見た。
が、次の瞬間に目に入ったのは、ピンク髪の学者とめがねをかけている学者と共に、リフィルが狂喜の笑い声を上げている真っ最中だった。



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あとがき …前回投稿したとき、主題と名前しかなくてそのまま入力してしまいました。
     主題はテイルズオブアドベンチャー,副題が序章です。次回から気をつけます。
     ロイドたちの目の前に現れたカイルたち! そして、今度はカイル達の回想劇です。
     では、次回をお楽しみに!

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面白~次を楽しみにしてる(*+*)

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