« 『Tales of Grandia』【2】 | メイン | 『Tales of Grandia』【4】 »

『Tales of Grandia』【3】


第ニ章 『By Darkness』 前編

空間の歪み、それは破滅の教えである。
ネックスは教会に来ていた、良く晴れた日の事だ。
『ヒットリー神父、この世界はどうなるの?』
長く白いヒゲをした神父姿の老人と、彼は話していた。
『これも定めなのかもなネックスよ.....サーガの主に従うしかない』
ネックスはそれを聞くとこう思った、”サーガ........か...”

サーガ、それはこの世界『グランディア』の創造主で、神の名である、そもそもこの世界は七つの星によって保たれている。
覆いなる輝きを放つ太陽『クルス』
銀色の誘惑を放つ月『ディオミール』
そしてネックスの住むサーガの生まれ故郷『サーガ』
一番巨大で、龍神が支配する『ローク』
三つ子で最小、砂漠の『スス』、氷原の『ファミ』、荒れた不毛の地『コリ』が三角形を描きながらある。
これが『グランディア』だ。

ネックスは無言のままどこかえと去った。
彼はいくつも並ぶ墓地へと来ていた。
『母さん、このグランディアは本当に消えるの?』
彼は亡き母の墓へと問いかけた、当然の事だが返事なんて無い、ネックスの母は彼がが生まれてすぐに病気で死んだとクリフトから聞いた。
母さんの事をクリフトに聞こうとしても、彼はすぐ話しをそらそうとする、あまりにわざと見えるのでネックスは母さんとクリフトの間にある妙な物を探したがっているのだ。
ネックスは一本のバラの花を置き、それから空を眺めて、すぐまたどこかに途方も無く去っていった。
彼が来た所は小さな剣術の特訓場だった。
子供や大人までもがここで剣の力を付けている、ネックスはさっそうと中へ入った。
『お?ネックスか?』
そこにいたのはここの師であるハージンクレイターだった。
彼は鎧に身を包んでいた、いつも道理癖っ毛だ。
『剣でも習いに来たか?』
ネックスこう答えた。
『もっと強くなりたくて...』
静かに彼は言った、そしてハージンはこう言った。
『なら来い』
そして二人は同時に剣を引き抜いた。
『行くぞ!』
ネックスは前に突っ込んだ。
『突飛翔剣!!』  (トットビショウケン)
突きの体勢で前方へ向かうネックス、するとハージンは両手で剣を振り上げ、大地に向かって振り下ろした。
『喰らえ!魔神剣!!』
突然地を這う一筋の鋭い剣圧が、魔の手のごとくネックスへと走り出した。
危なくネックスは横っ跳びで剣圧をかわし、彼も遠距離狙いの技を仕掛ける。
『蒼破刃!』
素早い横振りから風の刃のごとく真空波が刃となり、ハージンに襲い来る。
ハージンは剣を盾変わりにして真空の刃を受け止めた。
そこにネックスはスキも与えず新たに攻撃する。
『突風雨連撃!』  (トップウウレンゲキ)
連続の素早い突きから豪快な斬りの一撃を与える奥義でハージンを苦しめる。
ハージンは少し後ろに下がり、体勢を立て直した、それからまた剣を振るう。
『なら、これはどうだ.....』
ネックスはスキを狙おうと、うずうずしながら待った。
そしてハージンが来た。
『爪竜!斬光剣!!』
目に止まらぬ速さの閃光がこと走り、その光と共に彼は残影となり、ネックスへとその剣で彼を倒した。
『技はいい、スキありの所で連続技で来るのも考えたな、あの親父さんに似てるな』
ネックスは起き上がった、<親父に似てる>と言われ彼に、怒りながらこう言った。
『父さんなんかと一緒にしないでよ!』
しかしハージンは大きく口を開けて笑い、それから彼にこう言った。
『そんな所もアイツそっくりだ!』
ネックスは何も言わずに去ろうとした、そのときだ。
『辛くても、頑張れよ...』
その言葉を彼は聞いていたが、聞いてないふりをしてその場を背中に向けてまたどこかえ去って行った。
次に彼が来たのはケンリーのいる魔術学校だった。
白い外壁に包まれた綺麗で整った学校だ。
『あれ?ネックスか?』
そこにはケンリーと教授がいた、何やら「次元の歪み」について調べているようだった。
『お前がここに来るなんて何年ぶりだ?』
ネックスは『グランディア サーガ』の宇宙地図を見て、それと関係あることなのかを考えた。
『ファルスが異常な速度で一カ所に集まりだしてる...それで空間自身が自らを維持できなくなってるのか...』
教授の話を聞いて、何がなんだかわからないネックスはその教授のそばまで来た。
『あ、あの教授』
すると教授はネックスの方を向き、彼にこう問いてみた。
『くだらん事を聞くなよ...』
ネックスはまさにそれに当てはまる質問だった。
”ファルスって、なんだっけ?”

ファルス、それはこの『グランディア サーガ』に漂う「超自然的潜在力」すなわち
この世界に存在するエネルギーであって、全ての自然を保たせる超自然の活力の事である。
そのファルスのバランスが崩れると、世界その物がいつかは滅びてしまうのだ。
ファルスには11個の属性が存在している。
まず自然元素となる、炎、水、風、地、氷、雷、とあり、その上に基本素体となる、光、闇、さらにその上に存在している、空間保体となる、
元、時、最後に今だ解明されていない、精、が存在している。
基本素体は自然元素と結ぶ付き、あらゆる能力を発揮する、空間保体は基本素体とも自然元素とも結び付く事ができる、しかし精は単体でしかその恐るべき能力を発揮できない、心を狂わし、ときには癒す源力ともなる。
精神の象徴でもあろう。

『って事!わかった?』
密かにケンリーはネックスの耳もとに話し掛けていた。
少し間があいてから、ネックスはこう言った。
『やっぱケンリーって頭良いよな』
”全然わかってないし...コイツ”
ケンリーはため息をつき、椅子に座ろうとしたそのとき、教授が彼にこう言った。
『もう手伝わんでいいからな...』
そしてケンリーはぎこちなくネックスを連れて魔術学校を出て行った、そのうち彼らは町はずれの森まで来ていた。
『あ~あ、教授にしかられちまった』
ケンリーは下を向いて残念そうだった、ネックスはこの森であった幼いころの二人を思い出していた。

あの頃はいつも気まぐれではしゃいでたっけ...............

今思うと、あの頃は何も知らなくて、ただ大人に連れられいてた存在だった、そんな俺達ももう17歳の大人になっていた。
それが今、世界の破滅へと向かう時代へと急転換だ、たしかにこのままでは確実に『グランディア サーガ』は消えて無くなる、それは運命、
全生命への定め........いや、あの夢が本当なら自分は今からでも何かできるはずだ。
ネックスは心の中でときめいていた、そのときであった。
目の前が何の前触れも無く、マーブリングの様に歪みはじめた。
『何だ一体!?』
その向こうから見た事も無い謎の生物が姿をあらわにした。
長く敵をかきむしる様な爪、黒く小柄な体、紫色に染まったいびつな面、人そっくりな体格をしている。
そいつは影のごとく消えた、どこに消えたか見つけようとしているとき、ネックスの背後から柴色の怪光線が飛び出した。
もう少しで当たるところで彼は横っ跳びでその怪光線をよけた、するとその怪光線の付近にアイツがいた、獲物を狩る様な爪を空に向け、その身からから青白い炎の様な光が淡く輝いている。
そしてアイツの頭上から三つの燃え上がる火球が並んでネックスを飛襲して来た。
『あぶねー!!』
ケンリーがネックスの体を突き飛ばして、火の玉を無理矢理よけた。
地面に転んだ二人はアイツを捜そうと起き上がった、が、いない、影の様に消えた。
突然ネックスの目の前にアイツが現れた、その長い鮮麗された爪がネックスを斬り付けた、前からと思ったが背後からまた鋭い爪で何度も斬り付けられ、その連発が彼の身を襲った。
その後すぐアイツは消えた、影のごとく...。
さっきの攻撃で体に傷を負ってしまったネックスは、耳もとで微かに唸る風の切れる音を聞き取った。
”そうか!風か!!”
彼は全神経を集中させた、唸る風に。
”アイツは右?.....いや真後ろだ...............今だ!!”
そして彼は先攻を取った。
『虎牙破斬!』
そう、アイツは真後ろにいた、力の限り敵を斬り上げ、そして真っ二つにするごとく剣を斬り下げた、地面に足が着いたその瞬間、さらに技を浴びせる。
『魔神鮮烈破!!』
地面えともろ刃の刃となる剣圧を滑らした後に、多数の連打突きを浴びせた。
そして起き上がるヒマ無しにネックスは突きの構えで走り出た。
『トドメだー!』
そこに倒れる見知らぬ生物に、尖った鋭い突きをその身に突き刺した。
『突飛翔剣!!』
そのまま剣を空に向けて突き上げ、この怪物を空中に吹っ飛ばした。
しかしまだ息の根があるようだ。
ネックスも空中に飛んだ、両手で持った剣を振り上げた。
『断裂斬!!』  (ダンレツザン)
全身の勢いを込めて、その敵を一刀両断する。
ネックスが地上に降り立つ頃、見知らぬ怪物は彼によって倒された。
二人はその生物から屍体えと変わった生き物を見下ろしていた、さっきのが空間の歪みなのだろうか、ネックスとケンリーはこの事態をどう受け止めるか、決心していた。





後書き~
ども、リッド~で~す。
第二章『By Darkness』 前編どうでしたか?
新人が出しゃばってと思ってる方もいると思いますが、よろしくお願いします。
あと、誤字脱字があると思いますが、あったときはごめんなさい。
それじゃ、また。

コメントする