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『Tales of Grandia』【4】


『By Darkness』  後編

二人は無我夢中で駆け走った。
ひょっとすると、自分だけじゃない誰かが被害にあってるかもしれないからだ。
森の中を足が体力の限り走り、とにかく急いであせった。
空間の歪みは目の前起こった、もう止まってはいられない、今自分が動かなきゃ、きっと皆『サーガ』の
せいにして何もせず運命なんて言うデタラメにまかせて滅んでいく一方だ。
暗闇からの魔の手はもうすぐそばだろう。
薄暗い森をぬけ、眼がくらむ日差しをあびながら町に着いた..........たしかに町に着いたはず、だが。
町、そんな物はどこにもない、大きく地面を抉り取ったクレーターがぽっかり虚しく空いているだけだった、一体どうなってるんだと、ネックスとケンリーはただ絶望してるしかなかった。
『遅かった、のか?俺達は.......』
ケンリーが何も無いその場見て言った。
ネックスは立ちすくんだ、その内全身の力が抜けその場で膝をついた、どうやって生きてけばさえわからなくなった。
と、そのときだ、後ろから一人の男の声が響いて来た。
『悔しいか?』
二人はその男を見た、黒いロングコート、少し重そうなブーツ、赤く目立ちのあるズボン、肩辺りまで伸びた銀髪の髪、見かけない姿の男だった。
『あなたは、誰ですか?』
ネックスは丁寧に聞いてみた。
『俺か?...........俺はカイパーハーツだ』
”カイパーハーツ?”
名前も聞き覚えの無い感じだ、顔も眼もどことっても満点の男だった。
『お前らが困ってる様だから、助けてやろうかと思ってな』
”はあ!?何様のつもりだ!?...........まー利用価値はありそうだな”
っと、ケンリーは考えた。
ネックスはふと疑問がわいた。
剣も槍も戦う武器も無いのに、どうやってこの道進むって言うのか。
『あの、カイパーさんは、何か戦う武器とか無しに来たの?』
するとカイパーはこう言った。
『この時代のただの刃物よりは、強い刃物ぐらいあるが.....』
”この時代?”
全く意味がわからなかった、第一時を超える方法なんてあるわけが.............................ある。
『ま、まさか!?’時の間’を使って、時代を超えて来たんじゃ!!??』
ケンリーが驚きのあまりに叫んだ、少しの沈黙が流れた。
そしてカイパーは言った。
『そうだが、何かおかしいか?』
”え!?まさか!?伝説は本当だったのか!?”
時の間、それはこの『サーガ』の星に伝わる時空をも移動する場所の事である。
しかし、時空間移動は死刑罪となっている、この’カイパーハーツ’なんて言う男といたらこっちも死刑判決を受けるなんて当たり前の事だ。
ケンリーは消えた町と、カイパーを見て悩んでいた。
ネックスは今の自分達が何も出来ないのならば、この男に助けを求めるしかない。
ネックスは決断を降した。
『僕達はどうすればいいんだ?』
カイパーは少し考えてから答えた。
『君達が来る気なら、着いて来るんだ』
カイパーは森の方に歩み出した、二人も彼の後を追う。
一体この男は誰なんだ、ひょっとして何か重大な鍵を握ってるのかもしれない、未来から来たのか、過去の世界から来たのかは不明だが、ともかく黙々と二人は彼に着いて行った。

その内もう夜だ、フクロウの鳴き声が森中に響き渡っている。
『今日はここで休もう』
カイパーはその場に座り込んだ、二人もそこに座った、青臭い森の臭いが漂っている。
ケンリーはため息をついて木に腰掛けた。
カイパーはポケットから小さな物を出し、木の枝に火を付けた、ネックスは不思議とそれを見ていた、あんな小道具で火を付けるなんて信じられないからだ。
『僕達はどこに行くの?』
ネックスは少し不安そうに言った。
『この後は港まで行くぞ』
”港?どこに行くんだ?”
静まり返ったその場に、何かが近くをうろつき回っている。
三人はいっせいに神経を尖らして周りを見つめた、が、何もいない、気のせいかとは思ったが、空間の歪みで突然凶暴なモンスターが襲って来てもおかしくない。
暗闇の中から何か怪し気な物が動いた、息を潜めてじっとこらえる、そのときだ。
『化け物めー!!!』
草むらの中から人が飛び出して来た、その人はネックスに飛びつき、短剣を喉に突き付けた。
『................ネックスか?』
その人はクリストキリアだった、倒れた身をを起こして短剣をしまい込んだ。
『って、父さん.......』
二人は顔を見合わせた。
緊張が解けた、ケンリーはまたため息をついた。
『君は誰だ?』
クリストはカイパーの方を向いた。

『時の間を行き来できるだと!?』
あり得ない話にクリストは仰天していた。
死刑罪の男は何も思わない表情でクリストの方を向いた、時の間はある呪文を唱えないと時代を行き来できないのだ、まさかこのカイパーはその呪文を知っているのだろうか。
『少し難しい話しかもしれないが、この事件は人間が引き起こしてる物だったら..........どうする.....』
カイパーは何ぐわぬ顔で言った。
そこにクリストが突っ込んだ。
『は!?馬鹿な!?人が自らの世界を滅ぼすって言うのか?』
皆が沈黙した、まさか、同じ人間が......
『だが、人間も関わっている事は間違いない』
どこの誰がやったのか、ネックスは恨みとして持った、だが一体何のために世界を滅ぼすのだろうか、ケンリーはそこにひっかかていた。
権力、いや人がいなければ権力も意味が無い、地位、それも権力と同じだ。
じゃあ、何が目的なんだ、もしかしたら目的なんて無かったりするかもしれない、なら虐殺同然の事だ。
『僕達の手で、どうにかなる?』
ネックスがあせりながら、カイパーに問いてみる。
彼は静かに答えた。
『その気になれば、きっと何だってできるさ』
そして彼は次にこう言った。
『まだ決まったわけじゃない、この’グランディア サーガ’が、死んだ訳じゃないからな』
その場がまた沈黙した、死んだ訳じゃない、たしかにそのとうりだ、終わってもいない、今、そうたった今、始まったばかりである事をカイパーの話しを聞いていた三人は理解していた。

夜明けの日差しが、宝石の輝きの様に、目を貫いた。
四人は歩きだした、諦めてはいけない、背には暗闇が迫ってるから、どんなに遠くても、必ずやり遂げられる事を、カイパーは教えてくれた。
一瞬暗闇からの手招きに誘われそうになったネックスと、ケンリー。
不思議な感覚が漂う謎の男、カイパーハーツによって彼らは一歩、前進していくのであった。


だが、その一方で、闇も暴れ始めようとしていた..............






後書き~
まず初めにおわびと訂正です。
なんだか『クリスト』が『クリフト』になったいたり、『ケンリー』が『ケイリー』になっていたりと
大変申し訳ございません(ペコリ)  (`_`,)”
今後充分気を付けていきます。
感想や意見は『なりきりチャット』で聞きたいと思っています。
いつもリッドでいると思いますので、今後もよろしくお願いします。  「(^0^)# >Bye! Bye!

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