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『Tales of Grandia』【6】


第三章  『Hory Night』  後編


荷物を入れ、旅の旅行は準備万全なアンネルだった、その横でネックスは少し不安そうだった。
だけど彼女が会ったばかりの彼とこんなにも無邪気に喋れるのは不自然には見えなかった、むしろ普通程度だった。
鼻歌を歌いながらアンネルは家のドアを開けた。
もう昼近いだろうか、大地に舞い降りる『クルス』のから太陽光がまぶしく、少女は好奇心満々で新たな道を歩みだした。
森から出て村をそっと去り、広い壮大な草原へとその一歩を踏み入れた。
『遅いぞ!』
ネックスは待ちくたびれた表情で彼女を待っていた。
『ごっめん、待たせちゃった?』
陽気な気分で振る舞うアンネル、そして彼ら歩き出した、この広い広い広すぎる世界へと。
昨日と変わらず草原は静かだった、カイパー達は一体どこにいるのだろうと思っていたそのときだった。
『ネックスは好きな人とかいなかったの?』
突然アンネルがネックスに突拍子もない事を聞き出した、ネックスは少し迷いこう答えた。
『別にいないけど』
少しの間沈黙が流れた、ネックスは空を見上げて考えていた、母さんの事を、消えた町の事を。
『そういやアンネルっていくつ?』
ネックスはまだ聞いてない質問をしてみた。
『あたしは16だよ』
”一つ下か.....”
彼は何ぐわぬ顔でただそれを聞いていた。
『僕は17、一つ上か』
それを聞いてアンネルは言い返した。
『年上ぶんないでよね!』
ネックスは思いっきり笑ってやった、アンネルは怒って彼を追いかけだした。
何はともあれ、二人は愉快に見えるのだった。

その内草原を抜け、二人は商業の町『パルクルート』に来ていた。
小さな店が並ぶ商店街のようだった、色々な店が立ち並んでいる、二人はとりあえずここの宿屋で泊まる事にする。
『ちょっと! 夜に変な事しないでよ! したら魔法で燃やしてやる........』
小部屋でベッドが二つある、窓は普通の横開きしきの様だ、ネックスは彼女を恐れながら町へ買い出しに行った。
町は綺麗に整った良い所だった、きちんと舗装された道が長々と連なっている。
そのとき彼は町外れで少し休み、これから歩き出そうとしたときだった。
一人の黒いローブに身を包んだアンネルよりも幼い少女が、彼の肩とあたってしまった。
『あ、すいません.....』
彼は素直に謝ったが、その少女は何も言わずに過ぎ去ってしまった、何か隠しているようだった。
そして彼は寂しそうな小女の背中を見て、目でその後を追った。
彼が帰る頃はもう夜だった。
ネックスは買い物が済むとまた宿屋に戻った、だがそこにはアンネルの姿は無かった。
『あれ? アンネル?』
呼んでも返事は無い、不安になり宿屋の中を行ったり来たりしたが、彼女の姿は無い、一体どこに行ってしまったのか。
『おい! アンネル!?』
また呼んでも返事は無い、まさかと思い彼もあせりを隠せない。
そこで立ちすくんだそのときだった。
『もう、大声で呼ばないでよ~、隣の部屋まで聞こえるでしょ!』
ドアからアンネルがやって来た、髪が濡れている。
『お風呂入ってたの.....』
ネックスはため息をつき、近くの椅子に腰掛けた。
『で、どうかした?』
ネックスは少し黙ってから答えてやった。
『......何でも無い』
二人の会話が切れたところで、廊下からこんな話しが舞い込んだ。
今日は町が立って五十周年って事で祭りがあるらしい。
アンネルは迷わず行くと言いたがっている様だった。
『行く? お祭り?』
ネックスがアンネルに向かって聞いてみた、アンネルは明るくこう答えた。
『うん! 行こう!』
二人は宿屋を後にして町に飛び出した。

夜の静けさが人の声や物音でかき消され、にぎやかな町だった。
色々な人が集まり、お酒を飲んだり、騒いだり、とにかくうるさいくらい明るい。
二人は色んな店に立ち寄り遊んでいた、町の広場まで来たとき、何やら普通の騒ぎではない声が上がっていた。
『餓鬼のくせにいい度胸だな!!』
人ゴミをかき分け広場の中央には大柄な男達が一人の少女を囲んでいる。
”んん? あの少女は..........”
その少女は黒いローブに身を包んだあの少女だ、背中には一本の刀がある。
『その刀でもくれたら許してやるぜ.........』
だが、少女は一言も答えなかった。
『そんなに嫌なら.........』
と、一人の男が言って手をその少女の肩に伸ばしたそのときだった。
とっさに少女は刀を抜いた、そして見もしない間に男達からは血吹雪が霧となって舞い上がり、少女のローブとその面は返り血を浴びていた。
そのときネックスとアンネルには見えた、その少女の顔の全てが、短く黒い漆黒の髪に鋭い眼をし、だがその瞳はアメシストの様に麗しい
輝きがあった。
少女はとっさに逃げて行った、ネックスは彼女を見捨てる訳にはいかなかった。
彼もその後を猛然と走り、ついて行った。
なぜだかわからないが、とにかく走った、何か彼女が重要な気がしたからだ。

そして、これが彼女との出会いであった。


後書きっす!
どうも~リッド~です、物語も後半近いですね、まだ終わりではありません。
この『Tales of Grandia』には続編が二つくらい用意されています。
読んでくれた人、ありがとうございま~す!!
これからも頑張りま~す!
ではまた、See You! {~0~]#

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