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『Tales of Lux』~光の涙~【3】


第二章  『旅立ち』  


まずはどこに行こうか、''セイレーンの都''なんてあるのかどうか確かめよう。
そうして僕達は隣町の図書館まで来た。

関係のありそうな本を洗いざらい出して調べてみるが、やはり無い、広い図書館を全
部調べても見当たらないんじゃないかと僕は不安になった。
と、その時だ、ケットが何か見つけたらしい。
それは古くて重い色褪せた本だった、破れて使えなさそうな大昔の人が信じていた神
話に関する本だ。
さっそくケットと僕はその本を丁寧に開き、 中を覗いた。
ページを開いてくと、あった、''セイレーンの都''だ。


セイレーンの都
この世には人と別な二人が存在している。
それは光と闇にも表せられる、精霊と霊魔はかつての妖精と魔物だった、此処に『フ
ィーネ』と『レイズ』がある事は幸福であり、絶望でもある。
過去を永遠に埋葬する国、セイレーンの都、それは邪悪をかき消す力を持っている。
そして終わりは復活を告げる、復活は死をもたらす。


と、ここで終わっている。
正直彼らにはわからなかった、理解できないが、霊魔の他にも精霊がいる事がわかっ
た。
それと過去を埋葬する、何の事かは不明だ。
そして文字道理セイレーンの都は霊魔を消す力がありらしい、だが何かセイレーンの
都には不吉な予感もある。
とにかく、二人はこの先未知の世界に行くのと同じなのだ、そして図書館からその本
を借りると言って二人は出て行った、だが本当は返さないつもりだ。
『まずはどこに行こうか~』
ケットは腕を後ろに組みながら、呑気に歩いている。
『そうだな、ヒントも無いからな.......困ったなぁ』
途方も無く、時間は刻一刻と過ぎていく。

ただ町並みを眺めながら、時間は過ぎて夜の深い闇が訪れた。
二人は安い宿屋に泊まった、今日だけでもかなり時間がかかった様だった。
『セイレーンの都かぁ、どこにあるんだろう?』
レイアはため息を尽きながら言った、部屋の明かりがほのかにも明るかった。
窓を見ると薄暗い町並みが見えて来る、彼はセイレーンの都だなんて無いのではと思っ
た、がしかし、突然ドアをノックする音が鳴り響いた。
誰かと開けると見知らぬ男だった。
『すまない、違う部屋だったな、失礼』
そう言うと男は静かに去って行った。
二人はただうなずくだけで何も言わなかった、そして夜は過ぎていく。
『なぁ、俺達どうなるんだ?』
ケットがあまり出さない弱々しい声で言った。
『僕はあのとき.......本当に人を殺してしまった、もう後戻りはできないさ』
レイアはさり気なく呟いた、真夜中の事だった。
『もう寝るか.........』
ケットがそう言うと彼は布団の中に入った。
『お休み........』
レイアは心の中でこう言った。
"ありがとう........"
そして二人は夢に溶け込んだ。

僕は夢を見た、どこかの風景だ、砂が辺り一面を覆っている、砂漠の様だ。
何か塔のような物がある、黒くて崩れかけた塔だ。
ここに何かあるのだろうか、行ってみないと分からないが、とにかくそこを目指せと
言うのか、僕には何か意味ありげにもこの夢が終わっていった。

次の日

『さって、今日は俺達どこに行くのか......』
ケットは呆れた声で朝日に向かってこう言った。
『地図はない?』
僕は寝起きのケットに聞いてみた。
ケットはカバンの中から世界地図とここら辺一帯の地図を持ち出した。
僕は落ち着き払って世界地図を見た、ここからすぐ南に行くと砂漠地帯がある、だが
その砂漠はよく遭難者と行方不明者が後を絶たない『ゼルビス砂漠』だ、大昔は森林
だったらしい。
『ここに行こう..........』
ケットは眠たい目をこすりながらその指差された場所を見た。
『ん!?........冗談じゃないだろ!!死ぬ気か!?』
たしかに自殺行為に等しい、だが僕は夢を信じてみる事にしたんだ。
『冗談じゃないさ、僕は本気だ』
ケットは黙った、そして彼はとうとうこう言った。
『はいはい、行くしかないんだろ.......分かってるよ』
僕はまたケットに悪い事をしたと心の中で呟いた。
こうして出発したのは朝の九時近くだった、爽やかな涼しい風が舞い込んで来る。
街を出て馬車に乗って楽々南下していく、今頃は僕の事で学校も近くの住民も騒いで
るはずだ、なぜなら僕は人殺しだからな。
『何落ち込んでるんだよ、もっと元気だせって、楽しい旅だろ?』
ケットはそう言ってくれると、不思議とクスっと笑ったしまった、何だかおかしい気
分だ。
段々といつも見なれた街の風景は消えて、森が見えて来た、この森を抜けると『ゼル
ビス砂漠』だ。
『ここからは自分の足で行ってくれ、すまないな』
僕達は馬車から降り、それからお金を払って歩き出した、薄明るい森の中へと。
少し湿った空気が漂う森は何かうっそうとしている。
小鳥が鳴き、虫が飛び回ったりと当たり前の森だ、とそこに飛び出した一匹の黒い猫
がこっちを見つめてくる。
その猫はどこかで見た猫だ、丸く可愛い眼をした猫だ、たしかにどこかで見た。
僕はどこで見たかと思い出そうとしていた、その時だった。
猫が手招きでもしているのか、尻尾をゆらゆらさせながらどこかに向かって行く、僕
らは好奇心のままにその猫を追ってみた。
そうしている内に、どこに着いたかと言うと、崖だった、だがその先には温風を運び
砂塵を舞いらせながら人をも殺してきた砂漠が間の前に広がっていた。
そこは『ゼルビス砂漠』だった。
猫はまた歩き出した、僕とケットはこの猫に誘われるままについていった。


そしてこの先、僕らは残酷な真実と、もう止める事の出来ない運命に振り回されるの
であった。



あっとっがっき!
どうもリッド~です、ここまで読んでくれた方ありがとうございます!
これからも宜しくお願いします~! 
                  ``(’。_。)/<どうも~

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