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テイルズ オブ キーファイブ【19】


皆さんは、「青物語」というお話を知っていますか?


昔々・・とある町に青年とその妹、少女とお母さんと三人で仲良く暮らしていました。

ある日、お母さんが突如大きな重い病にかかってしまいました。

お母さんの病を治すにはベルチナの森という所の奥にある「ベルチナ草」が必要です。

青年と少女は早速出かけました。

ぐんぐんと森の中に入っていくと何か奥に光る物を見つけました。

青年と少女が見たのは天使。

その天使は青年と少女にこう言いました。

「ベルチナ草が必要ならば私を殺さなければならない。
 だが、そうすればこの世から光は無くなる。暗黒になる。
 それでもいいなら、私を殺せ。」

青年と少女は悩みました。

殺してお母さんを助けるか、殺さずお母さんを助けないか。

長い時間の末、青年と少女はその天使を・・殺してしまいました。

ベルチナ草を手に入れた二人はお母さんを助けました。

ですが、、その一年後、この世界に突如「魔王」と名乗る物が現れたのです。

魔王はすぐにこの世界を征服してしまいました。

青年と少女はこれはきっと自分達のせいだと思いました。

青年と少女はついに・・旅立ちました。

長い時を越え、ついに魔王を倒しました。

ですが、青年は・・その戦いで、仲間とそして妹と母を無くしました。


数ヵ月後、青年は旅立ちました。。。

そして、二百年後・・・青年は新たなモノ・・「仲間」を得ました。




お気づきになりましたか?

そうです。青年の名は・・・・・・

























テイルズ オブ キーファイブ
                 第十八話 風と海と空と君と









メル「ここが、首都・スレムザン・・・・・・・!!」


キル達は、突如現れたかざなを追い払い首都・スレムザンに来ていた。
首都というだけでさすがに盛り上がりを見せている。
商店、屋台、劇場など・・・・・・。
キルやメルは、首都にくるのは初めてだったので好奇心が大きかった。


メル「ねえねえ、キルキル!ほらほら見て見て!!屋台、屋台だよーー!!」

キル「おおお!劇場とかあるのかよ!!すっげー!!」


田舎モノ丸出しの二人;

シーナ「・・遠足じゃないのに・・・。」

レイト「まったくだな。」

アリン「きゃあーー!!メルメル!ほら、すっごく可愛いw」

メル「あ、本当だーー!!」

レイト「・・・・アリン・・・・。」

さすがにこれにはレイトも飽きた。

キル「なあなあ、ちょっとだけ自由行動しねぇか?」

シーナ「は?」

メル「あ、それいい!大賛成!」

アリン「私も。」

シーナ「あのねぇ・・・、貴方達・・緊張感ないわけ?」

キル「大丈夫、大丈夫だって!王様は逃げねえよ。」

メル「そうそう。時間無断したぶんあとで急げば良いじゃない♪」

ノリノロのキル達にさらに飽きれるシーナとレイトだが・・・。


レイト「ま、ああ言ってる事だし・・いいんじゃないか?」

シーナ「・・そうね。まあ、少しくらいなら・・・」

キル 「やりぃ!!」

シーナ「ただし、勝手に首都外に出ないこと、事件を起こさないこと。いいわね?」

『は~い!』

その大きな声は町中に広がり、やがて三人は姿を消していた。

シーナ「まったく、そろそろ大人かなと思えばあれだモノね。」

レイト「・・・お母さんに見たいになってるな。」

シーナ「怒るわよ」

レイト「・・・・すまない・・。」







―――――――――――――――





その頃、キルはとある屋台でひと時を過ごしていた。


キル(へぇー・・都会ってこんなもん売ってるんだなー・・・。)

初めてなキルにとって全て興味津々だったのだ。

やがて、風がすうっと横切った。
同時にキルは下を向きぼそっと言った。


キル「かざな・・・か。
    なんなんだろう・・・、あいつ。」

かざな「あたしに何か?」

キル「あ、そうそう。なんかさ急に襲っていて
    俺についてもらうとか・・・って・・・・お前!!!」

横にいるのはまさしく自分を襲い、連れ去ろうとしたかざな。。

かざな「ふふ。。そんなに驚くもの?」

キル「何だよ、また俺をさらおうってか!?」

キルは剣を構えようとするがかざなはそのまま話し始める。

かざな「ばか言うな。あたしは別に今はそんなつもりはない。
     ちょっと、ばかり・・・下見さ。」

キル「下見・・?」

変に思った。あれほど自分を連れ去ろうとした者が
あっという間に別の人物になってるようにみえたのだ。


かざな「ま、あいさつ・・ってとこかな。
     どう?ちょっと、話しない?自由行動のお邪魔だけどね。」

怪しい・・と思ったけど、彼女の目は普通に見えた。
前と違って黒くない、赤い瞳。


キル「ま、いいけど。
    ちょうど暇だったし。」

かざな「そう」

かざなはそう言うと町の隅にある小さな店に案内した。
















「おお、かざな。久しぶりだな。」

かざな「昨日会ったばかりじゃないの。」

「アハハ、まったくだ。」

店主らしき男がかざなに話し掛けた。
キルには親しい仲間のように見えた。
ぼーっと見ているとかざなは端っこの席に座り、
キルも座った。


キル「話・・って何だよ。」

かざな「まあまあ、そう慌てないで。
     マスター、いつものやつ二つお願いね。」

マスター「あいよ。」


キルはかざなをじっと見た。
みたことの無い服装、緑の髪、そして赤い瞳。

かざな「・・・・その様子じゃ、本当に何も知らないらしいね。」

キル「知らない?どう意味だ。」

かざな「・・・・ふふ。まあいい。別に今言っても変わらないしね。
    ところで、キル。自分の生まれた所とか・・両親を知ってるか?」

キル「両親?生まれた所?
    知ってるに当たり前だろ。
    俺は、サニア村出身で両親は戦で死んじまった。それだよ。」

かざな「本当にか?」

少し微笑みをみせる。
それを見るにキルは少しばかり冷や汗をかいた。

キル「な、何だよ。本当のこと知ってるみたいな顔しやがって。」

かざな「知ってるさ。」


キル「!!!」


かざなは微笑を消した。

かざな「あたしは、お前以上にお前をちゃんと知ってる。」











マスター「へい、お持ちどうさま。」

かざな「ありがと。」


マスターが運んできたのは、水色の綺麗なドリンク。
目を奪われるようにひかり、吸い込まれそうだ。


キル「何だ・・これ?」

かざな「知らないのか?これは・・・サファイアベルチナ草の特製ドリンク。」

キル「サファイアベルチナ草?ベルチナ草ってあの「青物語」にでてくる?」

かざな「あれは幻の「ベルチナ草」。
     これはそれが進化した「ベルチナ草」の「サファイアベルチナ草」。」

キル「サファイア・・・・。聞いたことねぇな。」

かざな「当たり前。サファイアベルチナ草は最近見つかった物だものね。」

キル「・・・・・・・・・。」


キルはぼんやり考えてみた。
考えれば、よく自分の事を知らない。

母の顔も、父の顔も知らない。
昔から、戦でお前は両親を亡くしたのだと言われずっとそう思ってきた。
育ってきたところもサニア村。生まれたところもサニア村。
そうずっと思ってきた。

けど・・・・・分からなくなった。
本当にそうなのか?ほんとうに・・両親は死んだのか?
本当に、サニア出身なのか・・・。





キル「お前は、本当の俺のことを知っているみたいだな。」

かざな「いまさら、気づいた?結構、理解力ないのね。」

余裕な表情でドリンクを飲むかざな。


バンッ
立ち上がるキル。同時に机を勢いよく叩く。

キル「お前は、知っているだろう!?
   俺の両親は誰か!?出身はどこか!?俺は、何なのか!?
   どうなんだよ!!」





かざなは一度ゆっくり目を閉じ、再度目を開け言う。


かざな「キル、今のお前にあたしは何も言えない。」

キル「なっ!?」

かざな「力とか・・そう言うのじゃない。
     まだ、早すぎるんだよ。「本当」を知ることに。」

キル「・・・・・俺は・・・・俺は・・・・・。」


バサ

!!


かざな「マスター、はい。」

マスター「毎度。」

かざなは、立ち上がり歩いていった。
同時に、キルは立ち上がり自分も歩く。

キル「待てっ!!まだ、話の途中だろ!!」


かざな「話?・・話はもう終わっただろう?
     言ったでしょ、「今のお前にあたしは何も言えない」と」

キル「じゃあ、俺に・・・俺に何がしたいんだよ!お前は!」


かざな「・・・さあ。どうだろうね。
     最後に言っておくけど、今度は本気でお前を連れて行く。」

キル「・・・・・・何だよ・・・。」



がらがら。
かざなは風の如く去っていった。
キルも店をでて、皆のいる宿屋に向かっていった。


変な  感情と友に。







――――――――――――――――――――――

宿屋にはいると入り口付近でメルがいた。


メル「あ、来た来た。」

キル「もう帰ってたのか。」

メル「うん。
   キルのほうが早いと思ってたのにね。 
   劇場でもみてたの?」

キル「ん・・・まあ。そんなとこだな。」

メル「そっか。」


キルはメルに案内され階段を上っていく。







『まだ、早すぎるんだよ。「本当」を知ることに』




キル(何が・・・何が早いんだよ・・・。)




その夜、キルはずっと考えていた。

かざなのいった「本当」の意味を・・・・・・。





【十九話に続く。】







あとがき


こんにちわ。または初めまして。
どうもです。ユユンでございますー^^
あっという間に十八話です。やりましたー!
今回はキルメインの話になってしまいましたがいかがでしたでしょうか?
かざなを一応登場させてみて変かなー・・と思ってたのですが
結構いい雰囲気になって良かったです。
次回は、王様に会いに行くキル達を書きます。
そこで待ち受けてるのは・・・・?でひ、ご期待ください。
では、また。

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