テイルズ オブ ライト&ダーク【12】
『あいつって変だよな』
『耳が尖っててエルフみたい』
『将来死神になるつもりだってよ。気取りやがってさ』
『あんなのが死神になったらこっちが困るっての』
『ほんとだよね』
いつも一人だった。
みんな聞こえる。
みんな見える。
心まで見透かせてしまう自分が、ただ怖かった。
『お前なんていなければいいのに』
そう考えている、神でもない天界人の心が見えるから
だから進んで、この役を引き受けた
もう、こんなところにいたくない
第11章 天と地を結ぶ青い玉
はあ。
「もう、いいわ。いつもの事だし。」
ため息をついて一言。
怒るのかと思った一同はほっとする。
「ロイ!大丈夫?」
ルイがロイを揺さぶっている。
「ぅ・・・・・」
ロイが目を覚ましたようである。
「ロイ!よかった~!!」
ルイは喜びのあまりさらに揺さぶる為、ロイの顔はどんどん青くなっていく。
そして・・・・・・
「ルイさん!ちょっとやめたほうが・・・・・」
ティルーは異変に気がついたのか、ルイに注意するがやめない。
ブチ
「あ~もう!揺らすな!気持ち悪いって言うのがわかんねえのか!!!!」
ロイが怒鳴る。
一方、クレアは
「クレア?だいじょぶか?」
「なんとか・・・・・・・」
「ほんとかよ」
「あ、そういえばあの女の子どうした?」
「いや、それが大変な事に」
「??」
レインが小声で言った事に、クレアは首を傾げたが、次の瞬間その意味を理解する。
その視線の先には、死神さん、ナオ。
「うそでしょ・・・・・・・」
「な?」
「じゃあ、ナオが倒したの?」
「ああ。結構派手にやってたぜ?」
「そのうちばれちゃうじゃない・・・・・・・・。とりあえず戻ってもらわないと」
「それは無理だな。この頃外出てないからストレスたまってるみたいだし、もうすぐ正式に死神として覚醒する時期だ」
「じゃあどうするのよ!」
話し合いは続いているようである。
「お前達大変そうだな」
自分のせいだとは知らないナオさん登場。
「ナオ・・・・・・・。悪いけど戻ってくれない?」
「クレア・・・・・・。無理。私これから別行動とるわ。覚醒が近いし、アウリスに会って、協力頼まないとお前達
これから生き残れないぞ。私がいくら手ぬいたって私に勝てないのに、光と闇は倒せるわけないもんな。」
そう言うと、今度はルイたちに向かって言った。
「 おい!そこのお前達!これから、光と闇はもっといろんなことをはじめるぞ。本当に光と闇を
倒したいんだったら、ここから先、北にある天地を結ぶ塔にいって、
そこにある堕天使の楔と、聖天使の剣を手に入れろ!
ただし、そこには私がいろいろな魔物を放しているし、楔と剣を守る守護獣もいる。
手に入るころには腕も上がっているだろう。
その時にまた、私はお前達の前に現れよう。
それではまた」
ナオは、光に包まれ消えた。
「なんか、俺達が手に入れたらもらいに行きますっていってるようなもんだろ?」
ロイが呟いた。
「そのままの意味だもんな。てか、自分で取るのがめんどくさいだけじゃねえのか?」
イズミも同意する。
「いや、ちょっとは神様信じてやれよ」
レインが突っ込む。
「堕天使の楔と聖天使の剣は、元はどちらも普通の天使の持ち物だったのよ。
天使は二人いて、親友だったんだけど、天地で戦争がおきそうになった時に、
戦いに巻き込まれて、片方の天使は人間を殺してしまったのよ。
そしてもう片方の天使は、巻き添えになりそうになった人間の子供を守った。
二人の正反対の行いが、運命を変え、人を殺してしまった天使は堕天使に、
そして人を守った天使は昇格して、聖天使になった。
堕天使になった天使は、親友を憎んだ。でも、その親友を憎む自分を悔やみ、自分を
戒める為に楔に力を封印し、死んだ。
そして聖天使は、自分のせいで親友を殺してしまったと悲しみ、剣で己を貫き、
また死んだ。それぞれにお互いを思う気持ちがこもっているとともに、
強大な力を秘めた者なのよ。」
長-イ説明ご苦労様でした。クレアさん。
「んで、この二つにはな、特殊な力があって、この二つが揃うと、
天と地を結ぶ青い玉を使いこなす事ができるんだ。
この玉は、神様しか使えないんだが、人間で鍛錬をつんだ者なら
使えるようになる。そのためだろう。死神もたまには考えるもんだな」
レインも長々と語る。
「でもさ、レインのその言い方さ、前にも会った事あるみたいだよ?」
「ああ、そう聞こえるな」
ロイとルイがレインに向かって訊ねる。
「そんな事は無いぞ(汗」
目が泳いでいるが仕方がない。
「ごちゃごちゃいってないで、先に進もうぜ」
イズミの一声に、皆がうなずく。
先に進もう、そこにしか道は無いのだから。
あとがき
ナルです
11章までまさかいけるとは思ってませんでした。
「じゃあ、どこまでならいけると思ってたの?」
ああ、クレアさん、もちろん5・・・・・・はっ
「ずいぶんと短い話にするつもりだったのね」
・・・・・・・・;;;;;
「それで?てんかいがおそいようだけど」
返す言葉もゴザイマセン
「戦争がおきそうになったなんてきいたこともなかったんだけど」
でも自分が言ってたんじゃん
「そう・・・・・。反論するのね」
(逃げる)
「あっ逃げた!!」
<続く>