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テイルズ オブ キーファイブ【21】

のことだ。それも・・200年も前の。
だけど・・いまでもうっすら覚えている記憶。

思い出―――

私のとなりで、初めはさびしそうだった君が笑っている。
ある日君はこういった。

「ねえ、レイト。
  私たち・・ずっと一緒にいられるわよね・・?」

さっきの笑顔に微笑をいれたような声で暖かく君は言った。
君が微笑むから、私も微笑んで答えてしまう。

「ああ・・もちろんだ。」

そう答えると君はさらに笑顔になる。
あの日の星はきれいだった。今でも覚えている。

忘れられない、君の言葉、君の笑顔。


まだ・・・心に記憶と共に残っている――――・・・。









Tales of Keyfaive
         第二十一話「君はまだここにいる」








キル「メルを・・・・!?」

マーリンは再び怪しい微笑みを持っていった。
同時に寒い風が流れ込みメルはぶるっと震える。

マーリン「メルさん、あなたを連れて行けばいいわけ。 
     なんて簡単な仕事なのかしらね・・。」

メルに言い聞かせるように言う、マーリン。
メルはそれを聞いてまたぞっとしてその場にしゃがみこんだ。

メル「いや・・・戻りたくないっ・・!
    ここにいたいっ・・・・!」

キル「・・。」

レイト「マーリン!
     メルを連れて何をする気なんだ!?」

マーリン「そういうことは・・その子に聞いたほうが一番
       知っているようだけど?
     かわいいそうにね・・。怖がっちゃって。」

マーリンはそのあと手を出した。

マーリン「さあ・・・その子を渡してちょうだい。
     無駄に死にたくなかったらね。」

メルは少しずつ近づいてくるマーリンの足音を聞いてまたぞっとし
「いや・・」と何回もさけんだ。

シュッ

マーリン「何?戦う気?」

キル「メルは渡さない。」


キルは剣の先をマーリンの顔に突き出した。
その瞬間みんなも構えた。

アリン「何がなんだかわかりませんが・・メルは大事な仲間なんです。
    気安く渡せませんね。」

シーナ「そうね・・育てた者としても。」

キル「何が何でも・・よくしらないやつに「はい、そうですか」って渡せるかよっ!
   それに・・ミラヌダがからんでいるなんてな・。」

メル「みんな・・・。」

メルはそっと立ち上がり、同じように構えた。

メル「私は・・行かない!
    絶対に・・行かないんだからっ!!」

マーリン「そ。」

マーリンはあきれた様な顔をしたが、今度はレイトに目を向けた。

マーリン「レイト・・あなたは、協力してくれるわよね?」


レイトは一瞬下を向いたままだったが、急に顔を上げて構えた。


レイト「悪いが・・・ミラヌダは許せない。」

マーリン「レイトまで・・私と戦う気なのね・・?
     わかったわ・・望みどおり戦ってあげる・・っ!」

その瞬間、マーリンの目が変わり同時に何か重いオーラが
マーリンの周りにあつまっていた。

キル「な・・なんだよ、これっ・・!」

メル(これは・・・・!!)

オーラに押される一方で一歩が踏み出せなかった。

マーリン「あら・・こないの?じゃあ・・こっちから行ってあげるっ!」

キル「!!?」

マーリン「あ・・でも・・私・・レイト・・あなたを傷つけたくない。
     ・・そこで見ていて・・!」

レイト「・・!っ・・!」

マーリンがレイトに向けて手を出すと、急にさっきのオーラが
レイトを包みそのままシャボン玉のように浮いた。

キル「レイト!!」

マーリン「これで、レイトは戦えない。 
      さ・・はじめましょ。」

レイトはそのオーラの中でキルたちを見ていた。

レイト(マーリン・・なぜなんだっ・・!!)

   



地上では、戦いが始まろうとしていた。
すでにマーリンが詠唱中だった。

マーリン「大いなる天空の中で黒き龍を召喚するもの、
      願わくばここに破壊の力とともに舞い降りれ・・!」

キル「させるかよっ・・!くらえ、烈空魔翔刃っ!!」

メル「いでよ・無数の針よ!フリーズランサー!!!!!」

キルが必殺技で攻撃をし、それをメルが追い討ちをかけるように攻撃したが・・遅かった。

マーリン「人が詠唱中に攻撃なんて・・失礼ね。
     御仕置きしてあげるわ・・・ドラゴンダークサンダーーッ!!」

天空から黒い雷が龍のように降り注いだ。

キル「ぐっ・・くあああああ!!」
メル「きゃあああああーー!」

キルとメルは同時に吹き飛ばされ、それがシーナとアリンに当たる。

シーナ「何なの・・?あの大きな力は・・っ!
    まって・・今回復するわ。」

キル「サンキュー。」 メル「ありがと・・。」

シーナ「大いなる星の守護により 
     大いなる精霊のの守護により
      今ここに 聖なる守護の力を   リバヴァリー・イリュージョン!」


シーナによって少しは回復したようだが、まだ痛みがじんじんくる。

マーリン「遅いわよ・・幻狼っ!」

キル「くっ・・!!」

キルがまた吹き飛ばされいたい顔をした。

マーリン「アハハ・・本当に簡単すぎ・・。」

マーリンが笑い出すと、アリンは難しそうな顔をしていった。

アリン「あんな・・強力な力・・前にはなかったはず。
    なのに・・・どうしてっ・・!?」


メル「・・・魔力だよ。」

アリン「え?」

メルも何かさびしそうな顔をしていった。

メル「あのオーラ、そしてあの力・・すべてミラヌダが持っていたものと同じように感じた。
   きっと・・復活したときに授けられたんでしょうね・・私みたいに。」

アリン「・・メルもなの・・?」

メル「うん・・あるよ、私の中に。
   でも、、今はこのペンダントで封印されているから。」

メルはかけてあったペンダントを取り出した。
これは以前、メルが化身となってキルと戦ったときに使ったものだった。

メル「あのちからは・・ミラヌダそのもの。
   わたしが・・やらないとね。」

キル「メル・・まさか、おまえっ・・!」




メル「このちからを・・開放するわ。」




シーナ「無茶よ!そんな・・慣れていない力を・・!」

メルは震えながらも強い目をして笑った。

メル「大丈夫、絶対・・みんなを傷つけないから。」


キルはそんな強いメルをみてちょっぴり成長を感じた。
同時に寂しさを感じつつあった。

メル「お願いがあるの・・私が合図したら・・みんなで一斉に攻撃してね。」

アリン「どうして・・?」

メル「きっとわたしだけではまだ力不足だわ。
   だから・・みんなの力が必要なの。」

キル「わかった。」 シーナ「わかったわ。」

そう答えられてメルはまた微笑をだして前をむいた。

メル「アリン・・これ、少しの間持っていて。」

メルはペンダントを放し、アリンに渡した。
その瞬間アリンはぞっとした。

渡された手からマーリンとおなじ魔力を感じたのだ。
前を向くとメルはメルの姿ではなく、ミラヌダの姿のようだった。
そして・・キルはあのとき・・メルと戦ったときを痛々しく思い出していた。

メルは一歩前に出た。

マーリン「なあに?やっとこっちにくるきになったの?」

メル「だれが・・行くもんですかっ・・!」

その瞬間マーリンがさっきだしていたオーラがメルから出てくる、
マーリンは驚いて防御の体勢をしてその圧力に対抗した。

マーリン「まさかっ・・・!!」

メル「私は・・・負けないんだからっ!!!」

叫んだ瞬間にメルは手を出し、詠唱をし始めた。

メル「天空における破壊の神よ。
     我の邪悪なる力を雷と化せ
       その雷を裁きの力に!!!

   イデゥレインド・フォール!!!!!!」

マーリン「くっ・・!」

メルは叫んだ。

メル「今よっ!!」

叫んだあと、一斉に攻撃をはじめた。

キル「魔神剣・烈破!!」

アリン「双流・風斬っー!!」

シーナ「光よ 集え ライトニング・エイクション!!」


マーリンの魔力に負けないような魔力に押しつぶされそうになり、マーリンは吹き飛んだ。

マーリン「くっ・・貴様・・くああああああああ!!」

マーリンは吹き飛ばされ、倒れこんだ。

マーリン「く・・こんなはずじゃなかったのに・・!!
      仕方ないわ、今日は引いておいてあげる。
 
        次は・・絶対に。」

突如マーリンはにらみつけ、そのまま姿をけした。

キル「っ!・・あ!」

その瞬間にレイトを包んでいたオーラが消えていき、レイトは地上に足を踏んだ。

レイト「みんな、大丈夫か!?」

シーナ「ええ・・みんなすこし傷をおったけど大丈夫よ。」

レイト「そうか・・。」

レイトはほっとした。

キル「レイトこそ・・だいじょぶなのか?
    魔力の中でいたんだし。」

レイト「大丈夫だ。特に重みは感じなかったが。」

キル「そっか・・よかった・・。」

キルもほっとしたころ、キルは次に疑問をなげかけた。

キル「にしてもさ・・ミラヌダ・・
   なんでメルをつれて来いっていったんだ・・?」

メル「・!!・・イヤッ・・!」

キル「あ、ごめんっ・・!」

アリン「たしかに・・もうメルには敵対しているはずでよね。」


メルは頭を押さえつけたが、そっと顔を上げて答えた。

メル「ミラヌダは・・きっと・・私を元に戻そうとしているんだよ・・。」

メルは急に涙を流し始めた。

シーナ「元に・・もどす?いったい、どういうことなの?」

するとメルはさっきより、怖がった顔をして答えた。


メル「私を・・・ミラヌダの体と・・同化するの・・。
   つまり・・私は・・ミラヌダの体に・・帰るのっ・・・!!」

!!!

キル「同化って・・!ミラヌダの体にまたなるってことか・!?」

メル「そうよ・・わたし・・いや・・まだ人間でいたい・・。」

メルの声がどんどん震えていく。
キルは疑問においながら肩を支えた。

キル「人間でいたいって・・」

メル「ごめんね・・。わたし・・わたしね・・



メルは一度だけ顔をあげた。




メル「ミラヌダと一度同化したら・・私・・

  
もう・・メルとして・・人間に戻れないの・っ・・!」

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