テイルズ オブ ソーサラー【3】
始まりは『憧れ』
手を差し伸べてもらえたから、
助けてもらったから、強さに憧れた。
だからこう思った。
「この人のようになる」
その人のような強い人になれる保障も無いのに、
その人のようになるという自信の無い夢に、
自信が欲しかったのだろう。
馬鹿みたいなことを聞いた。
――僕も、お兄さんみたいになれる?――
僕を助けてくれるような優しい人が、
『なれない』なんて言う筈がないのに、
その人はやはり優しくこう答えた。
――君にその想いがあるならきっとなれる――
――本当?――
――ああ、きっとね――
そういうと、その人は、
――君、名前は?――
そう聞いてきた。そして僕は、
――クリス…クリス・テュクルス!――
――クリスか…、いい名前だね――
――お兄さんの名前は?――
――僕かい?僕の名前は――
【テイルズオブソーサラー・第二話~魔術学校~】
どうも、クリスです。
突然なんですが、今、走ってます。
なんで走っているのかというと、学校に行くためです。
始業ベル5分前!学校までここから走って5分!
わかりましたね?遅刻ギリギリなんです…。
とりあえず状況はと言うと…今、街道を走っています。
学校に続く一本の大通り、学校に続く道はここしかない。
だから僕らの他にも2、3人くらいが先のほうで走っています。
やっぱ遅刻する人は、何人かいるもんだねぇ。
な~んてこっちも落ち着いてみてる場合じゃないんだけど。
リアの数メートル後ろに僕、で僕の10数メートル後ろにノエル。
体力の差をあらわした、みたいな距離関係。
リアは頭もいいし、運動も出来る。
その能力を少し分けてもらいたいよ…。
ちなみに成績は僕が中の上、、
リアとノエルは上の上、って感じだ。
っとそんな事を考えてる間に学校が見えてきた。
開け放たれた鉄製の校門が見える。
ここは「国立第13魔術師養成学校『ツクヨミ学院』」
13~17歳までの生徒がここで勉強している。
学年が4学年。
クラスは成績によっての繰り上がり制。
クラスは成績の良い順から、「ソーサラー」「ウォーロック」
「ウィザード」「ウィッチ」「メイジ」の五つ。
僕は「ウィザード」、リアとノエルは「ソーサラー」。
はあ…二人が羨ましい…。
そんな事を考えながら、校舎内に駆け込む。
そして階段を駆け上り、自分の教室に走って向かう。
「じゃあ、また後で!」
「うん、それじゃ」
リア、ノエルとは別のクラスなのでここで別れる。
そして自分の教室のドアを開け、教室の中に入る。
ギ、ギリギリセーフ…。
教室につくと呼吸を整える暇も無く始業のベルが鳴る。
やばっ、席に着かないと。
あわてて椅子に座る…毎朝こんな感じで学校に着く。
やっと呼吸が整ってきたところでさっき僕が入ってきたドアと同じドアから先生が入ってきた。
「…静かにしろ、今日の連絡をする」
まだざわざわと騒がしい教室に先生の低い声が響き渡る。
すると皆いっせいに自分の席に戻り静かに話を聴く体制をとる。
静かになったのを確認すると、先生が教卓に手を置き話し始める。
「今日は先週から言っていた通り、2時限目に"スフィア"の持続テストを行う。
規定の持続時間は15秒だ。皆、集中して行うように…」
やばい、すっかり忘れてた…そっか、今日テストだっけ…。
あ、そうそう"スフィア"っていうのは、この世界に在る『マホウ』の全ての元になるもの。
『マホウツカイ』は『魔力』っていう力を使って、"スフィア"という物質を形成する。
その形成されたスフィアの規模や『魔力量』によって、使えるマホウは異なる。
マホウを使う手順は、最初に魔力を凝固させて魔力の塊を形成する。
そうして形成したスフィアに『昌霊』を取り込みマホウの陣を描き、スフィアを開放する。
それを『詠唱』という儀式と共に行う。
ちなみに『昌霊』はマホウだけでなく、火、水、土、風などの世界の全ての元になる。
…でも、僕たちはまだマホウを使えない…教わってないだけなんだけどね。
僕ら一学年はマホウじゃなくスフィアの形成が実技のおもな項目となる。
スフィアって言うのはマホウの土台部分になる重要なもの。
ほら、土台がしっかりしてないと家もちゃんと建たないでしょ?
それと同じようにスフィアの形成がしっかりしてないと、マホウも上手く発動しない。
だから、一学年のうちにしっかりスフィアを制御できるようにして、二学年からマホウの授業。
…一学年からマホウが使える人もいるけどね、リアとか、ノエルとか。
僕も少しは使えるけど、基礎のファイアーボールくらいしか使えないし…。
ま、一年のうちはスフィアの形成に集中しますよ。
「…それでは今日の連絡を終える」
先生が教室から出て行ったのと同時に教室が騒がしくなる。
僕も先生を追うように教室を出た。
***
「…そんなわけなんだよ、リアとノエルは何時間目?」
僕が問いかけている相手はリアとノエル。
問いかけている場所は僕たちのクラスがある4階の廊下の端の方。
聞いている内容は勿論スフィアの持続テストの時間割。
「今日は4時限だから私達のクラスは"ウォーロック"と合同で4時限目」
「いいなあ、合同。こっちも合同だったら先生の長い話聞かなくて済むのに」
「そう思うんだったら、勉強してクラス上げなさい」
「くう、痛いところを…」
リアは言う事がいつも厳しいんだよなー。
「ま、スフィアの持続苦手ってワケじゃないんだけどねー」
「私は普通ね」
「リアの普通っていつもいいじゃん」
「僕は…苦手かな…」
「ありゃ、そうなの? ノエルってこうゆうのリアより得意そうなもんなのに」
「確かに以外ね」
――キーン コーン カーン コーン
「あ、ベルだ」
「それじゃ、またあとでね」
「ん、じゃね、リア、ノエル」
そして教室に戻ろうとすると、窓の外のあたりから何かの視線のようなものを感じた。
あわてて窓の方を振り向いても何もいなかった。
「…気のせいかな?」
とりあえずその場から足早に去り、教室へ向かった。
***
「ふう…危ない危ない。あやうく見つかるところでしたよ…勘の鋭い子供だ…」
そこは学校の校舎の4階の高さほどの木の枝の上。
「まあ、見つかっても対処法はいくらでもありましたがね」
その木の枝の上にのっていた『人』はそこから飛び降り、
ふわりと地面に着地した。
「しかし…あの三人…微かだが、"ラグナロク"の波動が…
だが、いままでそんな波動は……まあいい、とりあえずは報告ですね…」
その『人』が何かを呟くと、その『人』の周りに黒い光が現れた。
「さあて…彼らと次に会うのはどんな舞台ででしょうかね…」
その『人』は黒い光につつまれ、その姿を消した…。
【後に書くからあとがきコーナー】
かなーり時間が掛かったけど、なんとか投稿したー。
文量少ないくせに何こんな時間掛けてんだよ、ってお思いの方には全力で土下座します。
そう思ってくれる人さえいなかったら泣きます。
あとがきから先に見るよって人はとりあえず本編にも目を通してみてください。
万が一、面白いと感じてくださる神がいましたら、
その2ヶ月後くらいにここに訪れてみて下さい。
そのくらいには次の話が書き込んであるかもしれません。
…あ、面白いも何も序盤だからわからないか。
そして文章の表現のおかしいところがあった、脱字を見つけた、自分なりの感想を持った。
等の上記にあてはまる方は遠慮なくコメントを。
とりあえず目を通した人は次の投稿まで首を長ーくして待ってやって下さい。
2ヶ月、いや、もしかしたら3ヶ月後に……ああ、すいません!
ブラウザの戻るボタンを押そうとしないで!!
…これ以上後書きが長くなるとウザイとおもうのでこの辺で。
それでは次回!
【テイルズオブソーサラー・第三話~マホウの大会?~】にてお会いしましょ~。