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テイルズ オブ ソーサラー 【4】

始まりは『落胆』…


本当に目指したところは、こんな場所ではなかった。

もっと上を目指していた。なのに――

…詳しいことは知らないが、僕は今の親には拾われて育てられたらしい。

僕は捨て子だった…。

そんな得体の知れないものを今まで育ててくれた親に感謝した。

この名前…『ノエル』も今の親が名づけてくれた。

そして、どうやら僕にはマホウの素質があったらしい。

親は、マホウを習わせてくれた。

捨て子だった僕に無理をして、そんなことまでしてくれた。

そして僕は思った。


「偉くなって、親に楽をさせてやりたい…」


そして僕は、勉強に没頭した。人の十倍はしただろう。

学費の負担が少なく、有名なところを目指した。

しかし、僕に一つ、欠けているものがあった。

それは『魔力値』…。

必要だった魔力値、数値にしておよそ『350』

僕のそのときの魔力値、『345』


『5程度なら他と変わりは殆どない』


そう言っても規定より少ない魔力値の場合、

他の試験で100点以上の結果を出さなければならなかった。

しかし、"スフィア"の持続試験…。

規定の20秒に8秒も足りなかった…。

何故…。

誰よりも努力を重ねた!

誰よりも力をつけようとした!!…なのに…。

結局僕が行く事になったのはそこより大分レベルが低い場所。

最初は行く気になれなかった…。

しかし行こうとしない僕の様子を心配して、悲しい顔をする母を見るのはつらかった。

しかたなく僕は学校に行く事にした。…全てにおいて僕にとっては遅れている学校…。

行くのがイヤになる…僕にとってその学校は苦痛の場でしかなかった…。

でも、彼らと出会った――

クリス、リア…二人と会うことでイヤだった学校も進んで行こうと思えた。

だから僕はついていきたい、苦しくても、悲しくても、手を差し伸べてくれた君たち二人に…。

【テイルズオブソーサラー・第三話~マホウの大会?~】


「ふあぁぁ~ああ~」


欠伸から始まる挨拶失礼。

クリス・テュクルスです。

え、発音しにくい? …よく言われます。

ちなみに今はスフィアのテストの最中。

でも順番はまだなので待ち時間なのです。

いやー、眠くなっちゃうよ。

待ち時間は退屈だなぁ…。

うーん、目蓋が重く…。


「次、クリス・テュクルス」


眠りかけたところを先生の声で起こされる。

あ、もう順番ですか。

頬を両手でピシャッと叩き眠気を払う。

むぅ、けっこう痛い…。

教室の教卓の横にある扉を開けて中にはいる。

倉庫だ。

長い間あんまり使われてなくて、手を加えられてない所為か、すこしほこりっぽい。

何でいちいち倉庫に入ってテストをするのかと言うと、

スフィアは慣れない内は形成するのにかなりの集中力が必要だ。

話し声がするかもしれない教室などですると集中力が殺がれてしまうから、らしい。


「規定持続時間は朝言った通り15秒だ。…始めるぞ」

「はいっ」


先生の声を合図にスフィアを形成する。

ここのイメージもかなり大事。

魔力を体の内から練り、放出。

放出した、まだまとまりきらない魔力を固める、そしてスフィア形成。

そしてスフィアの維持の為の魔力を送る、そしてスフィアの回路を制御する。

僕の作ったスフィアは多分15秒きっかりで、消えた。

こーいう魔力のさじ加減とか制御は結構得意なんだよね~。


「規定時間15秒ちょうどか」

「ふぅ…」


ほっと一息つく。

結構疲れるんだよねー、これが。


「次――」


あ、もう次?

あわてて倉庫から出て席に着く。

僕は席に座って授業の終わりを待ちながら、

リア達に放課後なんと自慢をしてやろーか、などと考えてた。

いつも勉強とかじゃ負けてばっかだからね。


***


「で、どうだったのー?」

「…なにが?」

「む、質問を質問で返しちゃいけないんだよ、どっかの偉い人がそう言ってたよー」

「誰よ、その偉い人って…」


リアが呆れた様子で言う。


「偉い人は偉い人だよ、ところでどうだったの? スフィアの持続テスト」

「16秒よ…、そういうアンタはどうなのよ?」

「15秒ぴったり」


Vサインを突き出してみたり。


「へぇー」

「むぅ、感動が無いねぇ、折角頑張ったのに」

「あぁ、そうね、凄いわね、天才ね」

「リア酷い…」


うぅ、頑張ったのになぁ…。

悲しくなってきたよ…。


「あ、そうだ、ノエルは?」

「うっ…」


話を振るとノエルの顔が少し青ざめた気がした。

そんなに悪かったんだろうか。


「まぁ、いっか、それじゃそろそろ帰ろうよ」


なんか聞きにくいし、無理して聞くのもね…。

いつか機会があったらにしよう。


「そうね、ほら、ノエル」

「う、うん…」


***


僕たちは家へと帰る坂道を下っていた。


「あ、そういえばさー」

「何?」

「いやね、学校の掲示板にマホウの大会についてとかあったんだけど…」


どうやら、近々そんな行事があるらしい。

毎年、自分の力を試そうと結構な人数が参加するらしい。

学校側はそのためのスタジアムなんかも作っちゃっているらしいけど…。


「随分学校もやる気注いでるよねー、今年はどのくらい参加するんだろ?」

「ああ、それね…、参加するわよ」


おお、リアってこういうのには興味ないと思ってたんだけど…。


「そうなんだ」

「頑張ってね~」


と、応援ムードでいると、次にリアはとんでもない事を言った。


「何言ってんの? あんたらも参加するのよ、っていうかもう登録すませたし」


カチリ。

なんだか時間が止まったような気がした。

僕とノエルはリアの言った事を頭の中何度かで繰り返していた。

えーと、なんていったっけな。

確か…「何言ってんのあんたらも参加するのよ、っていうか登録済ませたし」って…。

そしてようやく理解出来てくるのと同時に事の重大さも理解した。

次の瞬間、僕たちは叫んでいた。


「「な、何だってぇぇーーー!!!!」」


なんか、いろいろと波乱の予感が…。

頭痛くなってきた…。


【後に書くから後書きなんだよのコーナー】


えーと、半年?ぶりの更新です。


いろいろとパソコンも調子が悪くて…。


あまり書き進める機会もなかったものですから…。


えー、なんか言い訳臭く聞こえますが、一応続けてはいくので。


これからも末永く見守ってくれると嬉しいです。


がんばりまーす。

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