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Tales of Locus【1】

~【Tales of Locus】~(未来への軌跡を辿る物語)

過去なんてない…あるのは未来だけ…
僕はあの時も過去に怯えていた…
でも……

もう迷わない――――

― プロローグ...消えたアカシ ―


グランディア国 ケレス森林。
物語はここから始まった……


「はぁ…はぁ…」
荒い息遣いを見せながら、一人の少年が森林を歩いていた。
空を見上げると、気が滅入るような灰色の空―――。
絶え間なく降り続く秋の終わりの雨が少年へ降りかかる。

「――――へ…行かなければ…」
何かの名前を言ったようだが、それは風の音にかき消される。
少年の年齢は16、7歳だろうか。
長めの青髪に深緑の瞳を持つ。
一見すると、法衣のような服を着ていた。
"バシャッ…バシャッ…"
豪雨によってできた水溜りに音が響く。
そして、それは次第に間隔が長くなっている。
「……!」
不意に少年が足を止めた。

"ガサガサッ!"
直後―――彼のすぐ後ろの木々が音を立てる。
そこから、二つの影が飛び出してきた。

「ようやく見つけたぞ…王家の生き残りめ…」
飛び出してきたのは男の兵士が二人。
双方とも、手にはサーベルを提げている。
だが、少年は何も言わずに振り向くと、
左腰から蒼い刀身の剣を抜いた。
「僕は王家の人間として…生き延びなければならないんだ…!」
瞬時に剣を構え、二人の兵士に向かって突進した――――。
ように見えたが、それは見せ掛けだった。
あと数十センチの所で飛び上がると、二人の頭上を飛び越えたのだ。
「何っ!?」
"ビュンッ!"
サーベルは虚しく空を斬り、直後に少年が背後に降り立つ。
そして―――――。

"バシュンッ!"

一刀の元に二人を斬りつけた。
「…っ!」
二人の兵士は声も上げずに倒れると、水溜りに身体を沈める。

「もう…嫌なんだ…」

意味ありげな言葉を残して、少年は走り去った。

(追手がそこまで来ている…もう時間がない…!)
未だに止む様子がない豪雨の森林を走りぬけながら、
彼はそう思っていた。
ケレス森林も終わりに近い。
もうすぐで国境付近にあるティフ山脈に抜けることができる。

それから数分後――――。

「…!」
目の前から緑が消え、代わりに灰色の空と黄土色の大地が現れた。
ケレス森林を抜けたのだ。
だが、彼は気を抜かずに走り続けた。

しかし。それが――――――。


"キィィンッ"

少年はティフ山脈の崖へ差し掛かった時、何かの音を聞いた。
次の瞬間――――!

"ドゴォォォォッ!!!"

森林の間を縫って、巨大な火球が彼を襲った。
そして――――――――。

「……っ!?うわあぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
走り続けて、急に止まることができない状況で
火球をまともに受けた少年はそのまま―――。

ティフ山脈の崖下へと転落していった………

そして――その姿を見つめる人物が一人…
マントを被った長い髪の男だった……

■物語追記■

中学生の頃から書いてたテイルズの新たなストーリー…
「小説」として公開しようかどうか悩みましたが、
今、ここにこうしてあるわけでb

あくまでプロローグなので、人物名は一つも出てきません。
ご了承をm(_ _)m

では次回、お楽しみに~♪

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