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ハーフエルフだから。

ぼくはハーフエルフだ。

そんなことを気にしたことはなかった。
でも、さいきんすこし気になる。


とうさんとかあさんは、エルフと人間。
ぼくは、ハーフエルフ。


どちらともちがう、
かぞくの中で、ぼくと同じ『しゅぞく』はいない。


ぼくがまじゅつをつかえること、
へいきなかおして見てるけど、
人間にとってそれはとてもコワイモノでしょ?
エルフにとってそれはただべんりなモノなのに。


だんだん、ズレはじめたの、
ぼくがまじゅつをつかえてからかなあ、


なんでぼくはハーフエルフなんだろう?
ぼくがもしもいなかったら、みんななかよくしてくれたのかな。


*

十数年後、家族は別れた。


俺が成人した事もあって、もう家族じゃなくなった。
血の繋がりはあるけど。
父と母にはどうでもいいことらしい。
俺も、家族に興味なんて無くなった。


これから、永い時を過ごす事になる。


いらない、でも迫って来る時、
過ごさないといけない、ハーフエルフだから。
エルフの血が流れる以上、しかたがない。


俺が自分を否定するのは簡単、でもそれは、
両親を認める事になりそうだから。


さあ、これから何をしようか、
もう何にも興味が無い。
とりあえず、アルヴァニスタに行こう。
あそこはハーフエルフが多いから。


*

また数十年経った。

私は魔術の研究をしている。
あれから、私はだいぶ変わった。


時を越え、世界を救う者達に会った。
また、会う事になりそうだ。


エルフの者は集落で暮らしているため、もう会う事は無いだろう。
おそらく、まだ生きているだろうが。


それから、思いついたことを少し、ここに書き記しておこうと思う。
ハーフエルフについてだ。

ハーフエルフはこの世に多く存在する。
あの者達にも1人いた。
だが、親に捨てられるハーフエルフも多いのが現状だ。

まず、人間とエルフの、違いは何処だろうか。

分からなくなってきたんだ。魔術が使えようが使えまいが、関係ないのではないか。
2つの血を持つハーフエルフは、一体何なのだろうか。


そして、もう1つ。
ハーフエルフだからできることだ。

現在、エルフはユミルの森にいる。
我らは入れないが、人間と離れて暮らすエルフを、外に出す事は出来ないだろうか。

エルフの干渉を受けようとしない人間と、エルフを、引き合わせる掛け橋になれるのではないだろうか。

昔のような世の中に、永い時をかけて、我々はしていきたい。

私は、ハーフエルフだから。


                        ルーングロム

~あとがき~
こんにちは、G・スラッグと申します。
2作目となります『ハーフエルフだから。』は、夜中に急に思いついた作品です。
ハーフエルフの人の話を書こうとして、これはデミテルさんになるはずでした。
そして、「ハーフエルフならアーチェかルーングロムさんだろう、なんでデミテルさん?」
と、思い、ルーングロムさんに変更、この作品が生まれました。
My設定大有りのこんな小説を読んでくださり、ありがとうございます。
長文失礼いたしました。

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