テイルズオブジアビス ~魔界戦記~【4】
~本編~
「今度こそ、全力で来い」
レクサスはもう一度右手一本で剣を構える。ルークも剣を構え直す。
(これは本気でやらないと無理だ。それでも勝てるかどうか・・・。とりあえず、相手の攻撃を受けないようにするしかないな)
「行くぞ!」
再びルークはレクサスに向かって走り出す。間合いに入った瞬間彼は消えた。
「後ろか・・・」
レクサスはすぐに振り返る。ルークの斬撃が迫る。そう、ルークの奥義<飛燕瞬連斬>だ。
だが、それは受け止められる。そしてレクサスの反撃の一閃。しかし、それは命中しなかった。
ルークは体勢を低くしてかわし、すでにレクサスの懐まで来ていた。
「くらえ!烈破掌!」
右手でレクサスに掌底を打ち込む。だが、それはかすりもしなかった。彼はバックステップで後ろにい回避していた。
「魔神剣!」
レクサスが剣を振る。それだけで、衝撃波が発生し、ルークはまたもや吹き飛ばされる。
「ぐっ・・・!」
何とか起きあがるルーク。だが、全身に激痛が走る。それに、目の前では信じられないことが・・・!
「おいおい、ウソだろ?」
ガイは唖然としている。ガイだけじゃない。皆もそうだ。
地面が抉れているのだ。原因はレクサスの魔神剣だろうが、普通の魔神剣でこんなことがあり得るのだろうか?
「つ、強いなんてもんじゃないよ~!」
アニスが思わず叫ぶ。
「やめさせましょう!こんな戦い!私たちは兄さんを止めなければならないのよ!?」
ティアはほとんど泣きそうな声だった。
「このままじゃルークがやられちまう!」
ガイが片刃を抜き、ルークに駆け寄る。
「待ってくれ、ガイ!」
だが、ルークは剣に支えにして立つと、ガイを制止する。
「今は止めないでくれ!俺はまだ戦える!」
「バカ言え!これ以上やったら・・・」
「わかってる!」
ルークのその一言でガイは押し黙る。
「わかってるさ。俺に勝ち目が無い事なんてさ・・・。でも、ここで引き下がったら、俺はヴァン師匠にもアッシュにも笑われる。所詮、俺はアッシュのレプリカで屑なんだって・・・。そんなのごめんだ。だから、頼むよ」
ルークのその思いにガイは仕方ないと言い、
「わかった。でも、お前が死にそうになたら、俺が必ず助ける。お前が何と言おうと、お前を死なすわけにはいかないからな」
ガイは片刃を鞘に収めて言う。
「ガイ、ありがとう」
「もういいのか?」
レクサスが待っていたかのように言う。
「ああ。待たせたな・・・行くぞ!」