君と2人で見た星空【3】
あ・ら・す・じ 【君と2人で見た星空】2を読みましょう。
「またえらくテキトーな・・・・」
じゃ、本編へレッツラゴー!
「うわー思った以上に暗いなぁ」
「・・・・・・」
『ルーティ?・・・・あぁ、そうゆうことね』
「・・・・・・・」
「おーい?どうした?」
「・・・・・なんでもない」
「?」
ルーティの表情は複雑な表情だった。
そのわけは・・・・
(・・・暗いとこ・・・いやだな・・・・)
そう、ルーティ(9歳)は暗いところが苦手。
赤ちゃんのころ、母親に捨てられた場所が暗いところだったので、それがトラウマとして
まだ頭の中に残っているからだ。
「・・・・暗いところ、怖いのか?」
「!!ちっ、違うわよ!」
図星を指されたルーティは思わず声を張り上げた。
「・・・やっぱ、そうなのか・・・・」
『図星を指されたわね』
「・・・・・うぅ・・・・」
「へぇー・・・意外だなぁ・・・」
「うっ、うるさい・・・・!?」
少年はルーティの手をそっと握り締めた。
「こうやっていれば、怖くないか?」
少年はルーティの顔を覗き込んだ。
「~~~~っ!!」
ルーティの顔は真っ赤になっていた。
少年は、何で赤くなっているんだろう?、とでも言いたげな顔をしている。
「おーい、聞こえてるかー?」
「・・・・聞こえてるわよっ」
「だったら返事しろよ」
「うるさいっ」
「俺は大きい声だしてないぞ」
「うるさいうるさいうるさいっ!」
『・・・・・・ふふ』
その光景を見ていたアトワイトは柔らかく笑った。
「ん?何笑ってんだ?」
『いいえ、別に何も』
「ふ~ん・・・・」
「・・・・・・・」
しばらく沈黙が続くとなにやらミシッ、という音がした。
「!!」
「な、何?」
『いけない!モンスターだわ!』
「「えぇ!?」」
2人はそろえて声を上げた。
「ちょ、ちょっと!どーすんのよ!?あたしは攻撃できないのよ!」
『逃げないとまずいわ。けど、あなたたちの足じゃあ間に合わない!』
「・・・俺がやる」
「え?」
「俺が、この剣で敵と戦う」
少年が自分の腰にかけてある剣を指しながら言った。
「え!?」
「大丈夫。俺のじっちゃんが元兵士で、よく教えてもらっているし・・・」
『そんな!無茶よ!』
「でも!逃げても逃げ切れないんだろ?そしたら戦うしか・・・」
「で、でも・・・」
ミシッ、という音が少しづつ大きくなっていく。
「ほらっ!敵はもう近くにいる!早くしないと!」
「・・・・わかった」
『ルーティ!?』
「だって、この子の言うとおり、他に手がないじゃない!」
『・・・・わかったわ。でも、あまり無茶はしないで』
「ああ」
「・・・・・・・・」
ミシッ、という音が次第に大きくなり、ついにルーティたちの前に現れた。
「・・・・・・!」
「大きい・・・・」
『きっと、かなり手ごわいわよ』
「・・・・ああ!いくぞ!」
少年は剣をぬき、走り出した。
「はっ!!」
剣を一振り。
「やっ!」
また一振りとしていく。
「(結構強い・・・・いけるかも!!)」
ルーティが心の中でそう思っていた。
しかし、
期待は裏切られた。
「グゥゥ・・・グワァ!!」
「うわぁ!!」
少年は敵の攻撃をギリギリのところでかわし、剣を構え、走った。
しかし、
「グワァ!!」
「うわっ!!」
敵の体当たりをまともにくらい、壁に打ち付けられた。
「あっ!!」
『まずいわ・・・このままじゃあ、やるまえにこっちがやられてしまうわ』
「そ、そんな!?」
自分はただ見ていることしかできないのか?
ただ、見守ることしかできないのか?
そんな思いで少年のほうをじっと見ていると、ルーティははっとした。
「(最近できたばかりのあの技――――あれなら・・・)」
ルーティはアトワイトを取り出し、スッ、と構えた。
『ルーティ?―――まさか!!』
「アトワイト、ちょっと力かりるね」
『ルーティ!あの技はあなたの体に負担が・・・』
アトワイトがいい終わる前に、ルーティはすでに精神を集中させていた。
「・・・・・・・・・・・・ごめんね」
『ルーティ・・・・・』
「・・・・「いやしのめぐみを、ファーストエイド!」」
「!!」
少年の体が、光につつまれる。
そして、キズが少しづつ、消えてゆく。
そう、ルーティはできたばかりの技、回復術のファーストエイドを唱えていたのだ。
「・・・・大丈夫?・・・・これ、一回ぐらいしか使えないから・・・・・」
ルーティが、息を切らした状態で言う。
「ああ、ありがとう」
少年が柔らかく、微笑んだ。
「(・・・・よかっ、た―――)」
ルーティの意識はそこでぷっつりと途切れた・・・・。
―――ティ、ルーティ!
・・・誰?
―――っかりしろ!ルーティ!
誰かが・・あたしを呼んでる――?
―ルーティ!ルーティ!!
・・・・この声は・・・・
・・・早く・・・起きないと・・・・
・・・・あの子が・・・あたしを―――。
「・・・・い・・・おい!しっかりしろ!」
『ルーティ、しっかりして!』
「ん・・・・・・・・・」
ルーティはゆっくりと目蓋を開いた。
『ルーティ!』
「・・・・ここは?」
ゆっくりと辺りを見回す。
「洞窟の入り口。・・・あーよかった。目覚めてくれて」
「うん・・・・・」
『どうしたの?ルーティ』
「あのさ・・・さっき・・・・」
『?』
「・・・・やっぱなんでもない」
『そう?』
「(さっきの声・・・・あたしを呼んでたのは・・・アトワイト、よね?うん、きっとそうだ)」
「どうしたんだ?」
「う、ううん、別に・・・・」
「ふーん・・・・でも、すっかり暗くなっちゃったな。今何時だ?」
『たぶん・・・・午後10時くらいかしら・・・・』
「えっ!ウソッ!?シスターに怒られるわ・・・」
「俺も・・・じっちゃんと妹に怒られる・・・・」
『事情が事情だから仕方がないでしょう』
「まぁ・・・ね・・・・」
「あーあ・・・ま、しょうがないか。・・・ん?」
少年は空を見上げたまま目を丸くした。
「どうしたの?」
「ほら!流れ星!」
「えっ!?本当だ!すごい・・・・」
ルーティも続いて見上げる。
「きれい・・・・・」
「そーだな」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
2人はしばらくぼーっと空を見上げていた。
すると、少年がこう言った。
「・・・・確か、流れ星に願い事を心の中で言うと願いがかなうんだっけ?」
「そうなの?」
「らしいけど・・・・」
「へぇー・・・じゃあ、やってみようかな」
ルーティは空を見上げたままそっと目を瞑った。
少年はルーティのことをじっと見ていた。
「・・・・・・これでよしっと」
「何て願ったんだ?」
「・・・・教えてほしい?」
「ああ」
「・・・じゃ、耳かして」
ルーティはそっと少年に近づくとこう言った。
「・・・・・内緒」
「は?」
「秘密」
「そんなのありかよー!!」
「ありなの!」
「・・・ちぇっ」
ルーティは再び空を見上げてこう言った。
「・・・・・・・でも、本当にきれいだなぁ・・・・」
「・・・・ああ」
「ずっと見ていたいな・・・」
「でも、帰らなくていいのか?」
「・・・だって、そしたらお別れになっちゃうじゃん」
「あ・・・」
「・・・でしょ?」
「・・・きっと、いつかまた会えると思うよ」
「え?」
ルーティは少年のほうを見た。
「いや、ただのカンだけど・・・でも、そんな気がするんだ」
「・・・・・」
「きっと、信じていれば・・・いつか、さ」
少年は大人びた表情で空を見上げた。
ルーティは自分の心臓が早くなるのを感じた。
「・・・そうだね。あたし、信じてる。きっとまた会えるって」
少年はルーティのほうを見た。
「・・・ああ」
「・・・また会えたら、星空、見ようね」
「・・・そうだな」
2人は顔を見合わせると、クスリと笑った。
星空は2人を見守るかのようにきらきらと輝いていた――――。
「・・・・・というわけ」
「ひゃ~すごいです!たった1日でそこまでいくとは・・・私も、早くウッドロウ様と・・・・」
「・・・チェルシーさん?」
「しかし、ルーティにそんなことがあったとは・・・」
「もう、その方とは出会ったのですか?」
「うーん・・・・」
ルーティは少し考え込んでからこう言った。
「・・・・ううん」
「そうなんですか・・・・」
「えー!会ってないんですか!?そんなのだめです!!」
「チェルシー、これは私たちが口を出すことではない」
「ぶー」
「あはは・・・もういいでしょ、チェルシー」
「はいっ!ルーティさんありがとうございました!」
「いや、お礼を言われるほどじゃ・・・・あたしちょっと風にあたってくるね」
「はい、わかりました。気をつけてくださいね」
「うん」
そう言うと、ルーティは部屋を出た。
「・・・・なんて、言っちゃったけど、多分もう会ってるのよね・・・」
ルーティは、はぁ、と息をついた。
「・・・・あたしの初恋の人・・・多分・・・・アイツ、よね・・・覚えてないと思うけど」
ルーティは、ふとあることに気づいた。
「そういえば・・・たしかこの日だったわよね。アイツと始めてあった日・・・」
「あ、ルーティ!」
「あら、スタン。何?」
「ルーティに用事があってさ、探してたんだよ」
「ふーん・・・で、用事って?」
「うーん・・・ここでは言えないし、ちょっと外に来てくれないか?」
「いいけど・・・(一体なんなのかしら?・・・まさか・・ま、ありえないわよね)」
「おーい、早くー」
「はいはい」
ルーティはスタンにせかされながらも外へと向かった。
「何?用事って」
「・・・・ルーティは、覚えてるかな?」
スタンが空を見上げて真剣な顔で言う姿にルーティはどきっとした。
「(え・・・ちょっと待って、まさか・・・)え・・・っと・・・」
「うーんと・・・今から・・・えーっと・・・」
スタンがなにやら考えてるようだ。
そこにルーティがこう言った。
「・・・9年前?」
「あ!そうそう・・・って」
「・・・覚えてるよ・・・ちゃんと・・・」
ルーティもスタンと同じように空を見上げる。
「約束・・・したしね」
「ルーティ・・・・」
ざぁ、と夜風が吹く。
それはとても冷たい風。だがそれがまた心地よかった。
そして、星空はいつまでも2人を見守っていた―――。
あとがき
イエーイ!お話終了!
「何言ってんだか・・・・」
でも、やっぱりこうゆうことでしたね、ルーティさん。
「なっ・・・・」
「スタンさんが初恋の人ですかぁ~」
あ!ゲスト勝手にででくるな!
というわけで今回のゲストはチェルシー=トーンさんで~す。
「よろしくです♪」
いや~今回の小説、書いてるこっちが恥ずかしくなりました///
「読んでるほうも恥ずかしいですよ。・・・・恥ずかしくなるの作者だけかもしれないけど・・・」
ガーン!
「そうですよそうですよ!!!」
「って、フィリア!?」
「私だって・・・スタンさんのこと好きなんですよ!?作者!なぜ私とスタンさんの
小説を作らなかったのですか!?」
だってスタフィリ嫌いだもん。私の中では論外。
「がーん・・・・」
というわけで、君と2人で見た星空はこれで終わりですが、
次回策も、もう考えてあるのです!
「今度はミックスらしいけど・・・」
というわけで期待して待っていてくださ~い!
Byドリーム