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TOD2・・・そして・・・【2】


題:TOD2・・・そして・・・

~第2部~



作者:水希雷地



「ココがダリルシェイドだ。」

ロニが偉そうに言う。ロニが先頭。その後ろにカイル、リアラが並ぶ。

クレスタから丸2日かけて、ダリルシェイドに着いた一行。

「知ってるよロニ。」

カイルが釘を刺す。

「でも、何か前に来た時とは感じが違うわね・・・。前より活気が満ちてる。」

リアラがキョロキョロしながら言う。

「そういえばそうだね。」

カイルもキョロキョロする。

「お前らなー・・・。」

はぁとため息を吐きロニは話しを続ける。

「いいか?この町はこの間、やっとこ立ち直って復旧作業に入ったんだ。

だから、活気があってもおかしくないんだよ。」

「へぇー、そうなんだー。」

ロニの説明にカイルが納得する。

「でも、それだけじゃないみたい。兵士とか沢山いるし・・・。」

リアラが進行方向にいる兵士や騎士の集団を指差して言った。

「何か遭ったのか?ま、厄介事には首は突っ込まない様にしないとな・・・。」

「何があったのか聞きに行ってみようよ!!リアラ!ロニ!」

ロニの言葉を無視し、カイルは嬉しそうに兵士達の方へと走り出して行った。

「あんの、バカ!・・・まぁ、カイルを止めるのは神でも無理だろうからな・・・。

仕方ない、付き合ってやるか。行くぞ!リアラ!」

「ハイ!」

2人もカイルの後を追った。



「おじさん。何かあったの?」

カイルは兵士に向かって『おじさん』呼ばわりした。

お兄さんくらいの顔付きなのだが・・・。あ、怒ってるよ、その兵士・・・。

「スミマセン。コイツ、口の利き方がなってないもんで。」

カイルに追いついたロニが、カイルと自分の頭に手を当てて謝る。

「で、何か遭ったんですか?」

リアラが兵士に聞く。

「ん、あぁ・・・牢から逃げ出した奴がいてな・・・。」

ボリボリと頭をかいて答える。

「逃げ出した?!牢の扉はあんなに頑丈だったのにか・・・?」

ロニが思わず声を上げる。牢に捕まっていた時の事は覚えているようだ。

「!お前何故その事を?!関係者以外立ち入り禁止なのに!!」

「あ、いや、前にこの職業をやってた事があって・・・。」

ロニは焦りながら弁解する。まぁ、前に捕まりました。なんて言えないしな。

「で、誰が逃げ出したんすか?」

ロニが真剣に兵士に聞く。

「名無しの男だ。仮面を被った黒ずくめ奴だ。」

「「「?!(まさか・・・。)」」」

兵士が答えた瞬間、3人の顔が驚きが一変した。

「仮面の男は何をやったんですか?」

「特には何もやってないんだが、怪しかったので連行したんだ。

どんなに起こしても起きないで寝てたしな。」

兵士は答えた後、持ち場に戻る為、カイル達に背を向け走っていった。

「・・・おい。仮面の男って・・・まさか・・・。」(ロニ)

「ジューダス・・・かな?」(カイル)

「私も消滅したはずなのにココにいるんだもの。いてもおかしくないわよね・・・。」

リアラの一言に2人も納得する。

「どうすんだ?カイル。」

「うーん・・・。俺はジューダスを捜したい。でも・・・2人は・・・。」

カイルは2人の事を交互に見る。リアラはニッコリと笑って、

「私はカイルと共に歩むわ。例え、どんな結果になったとしても。

だから、カイルはカイルの思うままに進んで行って。私はそれに付いて行くから。」

と言い、ロニはフッと笑い、

「厄介事はお前の十八番だろ。もう慣れたって。お前に付いてってやるよ。」

と呆れた感じに言った。

「じゃ、決まりだね!ジューダスを捜しに行こう!!」



こうして、カイル達はジューダスを捜しに行く事に決定した。





「ダリルシェイドから一番近い町は・・・、ハーメンツバレー・・・か。

ん・・・?神の・・・・・保管・・・・・けか・・・。」

カイル達の方に歩いて来る男がいた。

カイル達とは20メートルくらいの距離で、カイルの真後ろにいる。

ボソボソと何かを言いながら地図を広げて見ている。



ドン!



「うわっ・・・と、ごめん。全く前を見てなかったから・・・。大丈夫?」

ぶつかってきた男が言った。

その男はカイルと激突したのだが、カイルもその男も一緒にコケタのだ。

「うん。別に平気・・・だと思う。そっちは平気?」

立ち上がりながらカイルはその男を心配する。

その男も立ち上がって、

「大丈夫、大丈夫。」

と、笑いながら言った。

「ハイ、これ。」

男がコケタ瞬間に落とした地図をリアラが手渡す。

「あ、ありがとう。」

男はニッコリ笑ってそれを受け取った。

「あ、それ、地図ですよね?一人旅ですか?」

男が受け取った物を指差してカイルが聞く。

「いえ。2人で旅してるんですけどね。ちょっとはぐれてしまって・・・。」

男は恥ずかしそうに言った。

「あ゛~~~!!!!!いた~~~~!!!!!!!!」

男の後ろから女の人の大きな声が聞こえた。(鍵カッコの後に何故全部「男」が・・・?)

「あ、クリエス・・・。」

「何処行ってたんだ?探しちまっただろうが!あそこで待ってろって言ったろ?!」

クリエスと呼ばれた少女(?)は、思いっきり男言葉を使いながら男に言い寄る。

「ゴメン。聞いてなかった。」

『あはは』と笑いながら男は弁解(?)する。

「お前はいっつもそうだよなー・・・・。」

クリエスは『はぁ』とため息を吐き、頭をかいた。

「ん?その人達は?」

カイル達を見て、男に問う。

「あぁ、ぶつかってしまったんだ。」

男は紹介を一言で終わりにした。

「どうせお前は本か何かを読んでて前見てなかったんだろ。」

大正解!と、カイル達は思った。

「えぇっと、私の名はクリエス。で、こっちの男はサイラス。あなた達は・・・?」

クリエスが自己紹介を済ませ、カイル達の自己紹介を求める。

「俺はカイル!カイル=デュナミス!で、そっちの2人が」

「ロニ=デュナミスだ。」

「リアラと申します。」

「カイルにロニにリアラね。3人で旅してるの?」

「ええ。まぁ。」

クリエスの問いにリアラが答える。

「・・・。君達、良い眼してるね。」

カイル達の顔をじっと見た後、クリエスは一言そう言った。

「「「え?」」」

3人は呆然としながら声を揃えて言った。

「いや。君達とはまた何処かで遇えそうな気がするな・・・・。予兆というやつかな?」

少し悲しそうにクリエスは眼を閉じて話す。

「さてと、私達はそろそろ行こうか。サイラス。」

クリエスはさっきの表情とは一変して自信満々な顔でサイラスに話しかける。

「えぇ、行きましょうか。サヨウナラ。皆さん。」

「うん。じゃあね。」

サイラス達と別れを告げ、カイル達はその日はダリルシェイドに泊まる事になった。





「また、遇えると思う・・・か・・・。」

カイル達と別れた後、クリエスはボソリと言った。

「『遇えると良いな』とは思っていないのでしょう?」

サイラスが耳打ちをする。

「―!!―・・・そうだな・・・。遇ったら・・・悲しくなってしまうからな。

殺さなくてはならなくなるか・・・。それとも、殺されるか・・・。」

クリエスは頭を抱え、薄く笑みをこぼしながら言った。

「でも、それでも、我々は足を止める事は・・・考え込む時間はありませんよ。

分かっていますよね?」

強い意志を表すサイラスに、クリエスは『コクン』と頷いた。



~第3部へ続く~







――――あとがき―――――

オリキャラ登場しましたねー。

このオリキャラは私が書いているオリジナル小説の中に出てくる人達です。

そういえば皆さん知ってます?

『遇う』っていうのは偶然に出会うって意味だって。

知らなかった人、これで知識アップ!知ってた人、まぁ・・・ね!(何が?

ジューダスとの再会がー・・・。

再会を3部くらいに出したいですね。

でも、絶対感動的なシーンにはならないと思うが・・・。

でもでも、第3部、読んでくれたら幸いです!

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