« Tales of Destiny2 神の瞬き【1】 | メイン | Tales of Destiny2 神の瞬き【3】 »

Tales of Destiny2 神の瞬き【2】


PHASE1:終わりの始まり


(ここは・・・・・)

(何も無い・・・・・そうか・・・・僕は・・・・・・)

・・・・・・ん

(僕は・・・・今度こそ消えるんだ・・・・・・)

・・・・・ゃん

(体の感覚がない・・・・・だろうな、僕は、もう消えてしまったのだから・・・・
・何も、ないのだから・・・・・)

・・・・・ちゃん

(?・・・・何も・・・ない?)

・・・・・っちゃん

(じゃあ、ここで何も無いと感じている、この・・・・僕の意思は・・・・・?)

『坊ちゃん!!』

「・・・・・シャル?」

聞きなれた声を聞き、ジューダスの目が覚めた。花畑のようだった。

『気がつきましたか?坊ちゃん』

手に持ったソーディアン・シャルティエの声。

「ここは・・・・どこだ・・・・僕は・・・・消えたはずでは・・・・」

立ち上がり、よろけた。めまいがする。右手を額に当てた。

「と・・・とにかく・・・・ここは・・・・・」

『さぁ・・・・・近くに街があるようですが・・・・・』

「では・・・・そこに・・・・・」

見れば、ジューダスの後方の花畑の向こうに、街が見える。比較的大きな街だ。

「あれは・・・・アイグレッテ・・・・・だな」

ふらつく足を懸命に動かし、一歩一歩、確実に歩んでいく。

「しかし・・・・なぜ僕は・・・・消えたはずじゃないのか・・・・・?」

彼は歩きながら、考え続けた。意識ははっきりしていた、だが、足取りは重い。

「これが・・・正しい歴史・・・・?いや・・・そんなはず・・・・僕はすでに死ん
でいるは・・・・・ぐっ!!!」

突然めまいが、強烈な痛みとなり、ジューダスの頭の中を駆ける。もはや、歩くこと
はおろか、立っていることさえできなかった。

『坊ちゃん!?』

「くぅ・・・・・・っ!!ああぁぁぁぁ・・・・!!!」

(な・・・んだ・・・これ・・・・は!?・・・・・・うあぁぁぁぁ!!!)

《僕は・・・・・》

(!?)

《僕は・・・・消えたく・・・・ない》

頭の中で、声がこだました。それは、明らかに、自分の、ジューダス自身の声。

《消えたくない・・・・消えたくない・・・・きえたくない・・・・キエタクナイ・
・・・・》

(だ・・・・ま・・・・れ・・・・)

《僕は・・・・僕はぁぁぁっ!!》

「黙れ!!!」

痛みが、消えた。

「はぁ・・・・・はぁ・・・・・今のは・・・・・・」

全身から冷や汗が流れていた。目を見開き、肩で呼吸をする。

『坊ちゃん・・・・・』

シャルティエの心配そうな声も、ジューダスの耳には届かない。ジューダスは今、必
死に、生まれた感情を振り払おうとしていた。

恐怖。

何に対しての恐怖か、わからない。だが、今、自分は恐怖を感じている。必死にそれ
を払おうとしている。

「・・・・・・・はぁ」

大きく息をつき、立ち上がる。仮面の下は、いつものクールな表情に戻っていた。

『もう、大丈夫ですか?』

シャルティエが聞いた。

「ああ・・・・・大丈夫だ・・・・」

(だが・・・・・)

しばらくうつむいた後、ジューダスは顔を上げ、前方のアイグレッテを見据えた。

「行くか、シャル。・・・・また、よろしくな」

『はい。また坊ちゃんのお守りとなると・・・・疲れそうですがね・・・・・』

ジューダスとシャルティエは苦笑。

「僕だって、お前の小言はいい加減ウンザリだ。神の眼に突き刺した時は、絶対これ
で最後だと思ったんだがな」

『ま、またご一緒できて、楽しいですよ、坊ちゃん』

「言っていろ、行くぞ、日が暮れる」

『はい』

ジューダスはアイグレッテに向けて歩き出した。

ここから、彼の旅が始まる。これは、運命に導かれた、物語。


あとがき~~
ハイ、ジューダスの旅立ちです!こっからどう物語が展開するのか・・・・
錬はまだ考えてなかったりします~(ぉ
あ、プロローグを続編ありって書くの忘れちゃったんですけど・・・・とりあえず、
続くものなので・・・・すいませんです・・・;;

コメントする