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運命の記憶~平和な世界~【1】


         
     運命の記憶~平和な世界~

第壱話『はじまりはじまり』



英雄ってなんだろう?
世界を救うのが英雄?確かに父さんたちは18年前に世界を救ったけど
今の世界があるのはもっと『別の何か』があるような気がする――――



「てぇい!やぁ!」
ここはクレスタ。今日も孤児院の庭で英雄スタン・エルロンとその息子カイル・デュ
ナミスが剣の修行に励んでいる。
「はぁっ、とうっ!!ハァ、ハァ……」
「どうした?もう終わりか?」
「くっ、まだまだ!でやぁぁぁぁっ!」
ガキンッ!カイルの放った強烈な一撃が油断していたスタンの剣を弾き飛ばす。
「な!しまった、くっ」
「ハァ、ハァ、ハァ……」
バタッ、渾身の一撃を放ち力を使い切ったカイルは思わずその場に倒れこむ。
それを見たスタンはすぐにカイルの側にかけより、
「お、おい!大丈夫か?カイル!?」
「へ、へへ…父さん、これでやっとオレの勝ちだね……」
「ああ、降参だ。まいった、俺の負けだよ。」
そこに現れたのはロニ・デュナミス。元々はデュナミス孤児院に住んでいたが、成人
してから働きだした。元々、人柄がよく心根も優しい彼は町の人も好かれておりすぐ
にパン屋に住み込みで就職が決まった。まぁ、街の女性全員にナンパしてふられ、ス
カートをめくって殴られた話は別にして、だ。
「こんにちはー。おお、カイル今日もがんばってるじゃねーか。ほれ今日も持ってき
たぜ、ていっても売れ残りだがな」
と言いロニはパンの入った大きな箱を地面に降ろした。本人は売れ残りなどといって
いるがこれは、彼の「やさしさ」なのだ。
「あ…ロ、ロニ」
「おう!ロニか。いつもすまないな。今度、ゆっくり遊びに来てくれよ。そのときは
またたっぷりしごいてやるぞ?」
ロニも孤児院にいた頃はスタンに基本的な戦術、格闘術などを習っていたのだ。はじ
めは剣だったが本人の希望で斧になった。ルーティは『修行』と称してその斧でロニ
に薪割りをさせていたが……
「は、はい!」
言うなりロニは照れと嬉しさで飛んで店まで戻っていった。
「よし、じゃそろそろ休憩いするか、ロニが持って来てくれたパンも…」
言い終わる前に孤児院から子供がでてきてあっという間にパンを運んでいってしまっ
た。
「早くしないと食いっぱぐれるな、こりゃ」


「でさぁ、水を頭からかぶった後小麦粉の袋ひっくり返して大変よぉ。思わず油で揚
げちゃうくらいに」
「ははは、そりゃガゼルさんらしいや」
「……………………」
「ん?どうしたのカイル、暗い顔して」
「父さん、母さん俺、旅がしたいんだ。この世界を自分の目で見て周りたいんだ。」
ルーティとスタンは顔を見合わせ
「はぁー、そりゃぁあんたの血が流れてるんだものいつかはこう言うと思ってたけ
ど」
「まぁ、しかたないさ決め手たろ?前から。」
「わかったわ……」
「母さん……」
「よし。カイル!旅に出なさい。ちゃんと稼いでくるのよ~♪」
「ルーティ、真面目に」
「………、あのね、カイル。実は決めてたのよ。スタンと二人で。アンタはいつか必
ずこういうこと言い出すんじゃないかって思っててね…そのときは黙ってアンタを見
送ることにしていたのよ。」
「母さん……父さんも………」
「あーあ、にしても時間がたつのは早いわねー。この間「見送る」って決めたのにも
うアンタが旅に出る、なんて言い出すんだもの。」
「カイル、一つだけ条件がある。その旅でたった一つでいい。たった一つでいいから
お前にとってかけがえのないものを見つけてくるんだ。」
「かけがえのない…もの……?」
「俺からはそれだけだ。あ!あと、旅の準備はしたか?そうだ、これを持っていけ俺
がリーネを出るときに持っていった剣だ。」
「いいの?父さん、そんな大事な物を!?」
「ああ、がんばってこいよ。」
「カイル、私からはこれ、一応、旅に必要な物が入ってるから。旅の栞もね」
「ありがとう、母さん。」
「ちゃんと…無事で帰って来るんだぞ………」
「あんまり無理しちゃだめよ………」
「分かってるよ、『ただいま』を言うために『行ってきます』っていうんだ。」


                           


                               だから
――――――
                    
                                      
          行ってきます――――――






晴れた空。蒼い空。浮かぶ雲。白い雲。流れる風。澄んだ空気。
広い草原の真中に一人の少年が立っている。
「んんーーーーー」
少年は大きく背伸びし新たな一歩を踏み始める。
「よし、まずは近場にあるラグナ遺跡に行くかぁ、あそこなら道は知ってるし、前に
調べ尽くされてたから、そこめで危険なものもないだろうし。えーと、たしか森の中
をいくんだよな」

カイルが森の中をガサガサと音をたてながら探索している―――と言うより迷ってい
る。
「えーと、ん?こっちだっけ?あれ、この木さっき見たような」
もう、完全に「迷子」状態だ。
「んん~、おかしいなぁ、地図だとこのあた―――」
言い終わる前にカイルは後ろから両手を抑えられ口をてで抑えられた。
かろうじて見えるその指は浅黒い色をしている。
「んん、んーーんんんん~~~~~~~~!!!!!!!」



第壱話『はじまりはじまり』 終わり
第弐話『ともに・・・・・・』に  続く






あとがき(と称した言い訳)

どもーS・Dです。久しぶりに小説かきました。この話はTOD2クリア後のロニと
二人で冒険するときの話です。(ロニでてないけど)
ゲームではモンスターの類は出てきませんが小説ではガンガンでますよぉー(鬼)カ
イルもさっそく襲われてるし(笑)
あ、あとできれば掲示板に感想などを書いてくれるとS・Dが勝手に喜んで製作速度
が1.5倍ほどUPします。(当社比)
ではでは~
      
                                      
2004年1月

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