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それゆけゼクンドゥス【1】

題名 それゆけ ぜくんどぅす  ~始動~
作 ROHHI



ここはとある空間の中

ぜくんどぅす 「あ~ 退屈やな~ なんかおもろいことあらへかな~
         時の大晶霊なんて なんもおもろないわ~
         なんでワイ 時の大晶霊なんてやってんのやろ~
         こないな(このような)ことおるんやったら
         クレーメルケイジの方がずっとマシやっちゅうねん!

現在グランドフォールも収まりキールやメルディのクレーメルケイジの
大晶霊は元の場所へ戻って行き かつての様に人々を見守っているが
この ぜくんどぅす だけは違った… 

暇なのである

ぜくんどぅす 「はぁ もうワイ 時の大晶霊やめよかな
         もうやめて人間にでもなりたいわ

         …ん?待てよ 人間…か…

ぜくんどぅすの脳裏に彼にとっての名案が駆け巡った

ぜくんどぅす 「よう考えたらワイの姿は人間と変わらんやん
         人間世界に出てもっとおもろいこと探そ!
         うん こないなところもうクソ食らえや 出たる もう出たる
         よっしゃ! そうと決まれば善(?)は急げや早速人間界へ

         …っと そやセレスとインフェに分かれとったな
         う~ん 先ずはインフェからにしよ!



今後ぜくんどぅすの行動が
人々の食生活を一時的に大きく変えることを彼は知る由もなかった



― インフェリア ―

ぜくんどぅす 「ようやく着いたな… ってここはどこや!!

着くなり ぜくんどぅすはあたりの光景に驚いた
そこはGPS18.12 バロールの遥か北西の海の孤島で
見渡す限りの 海 海 海

ぜくんどぅす 「…あかん なにもあらへん 

ザッパーーーン!
そのときだった
ぜくんどぅすの真正面の海からタコ型のモンスターが現れた

ぜくんどぅす 「ほほう オクトスライミーか
         なんやお前 ワイとやるきか?

ヤル気だ

ぜくんどぅす 「体力…俗に言うHPが4888か…
         ワイのディストーで一撃やな

ぜくんどぅすが詠唱する間もなくタコは跳びかかる!

ぜくんどぅす 「甘いわタコ!

ボコっとぜくんどぅすはタコの頭部に一撃を加え
タコはあえなく気絶した

ぜくんどぅす 「やれ… 身の程を知らんタコや…

         …そやタコの相手してる場合やない
         とりあえずバロールへッと!


― 商業の街バロール ―

ぜくんどぅす 「ほぉ 行き交うのは商人が多いな
         さすが商業の町… ん?

見れば「食材屋マッピラ」の前でシェフが何か焼いている
街頭販売の様だがぜくんどぅすは作っているものに興味がいった

ぜくんどぅす 「この格好で話しかけたら引いてまうか
         ホイっと

ぜくんどぅすは服を町行く人と違和感の無いものに変化させ
シェフに話しかけた

ぜくんどぅす 「おい それはなんや?
    シェフ 「これですか?これはタコヤキです
ぜくんどぅす 「タコ?あんなん食うんか人間は?
    シェフ 「人間…って あなたも人間でしょう?
ぜくんどぅす 「えっ?あ あ あはは そやったそやった
         なに言うてんのやろなワイは ははは
         (あぶない あぶない)

    シェフ 「ははは ところで 宜しければ味見をお願いできませんか?
ぜくんどぅす 「なに ホンマ?
    シェフ 「どうぞ

遠慮の欠片もなくぜくんどぅすはタコヤキを食べた

ぜくんどぅす 「おお うまいやん これ
    シェフ 「ありがとうございます
         …ですが これはまだ完成ではないのです
ぜくんどぅす 「完成?どういうことや?
    シェフ 「はい 実は私ワンダーシェフを目指しているんです
         それでその課題として先輩のワンダーシェフに
         究極と言えるタコヤキを作れといわれたんです
ぜくんどぅす 「究極か… そりゃ大変やなぁ
    シェフ 「今食べてもらったものは 各地で売っているタコヤキと
         食材 調理法ともに何等変わりはないのです
ぜくんどぅす 「なるほど これらが究極になるよう
         工夫を施せとアンタの師は言ってるわけやな
    シェフ 「そう それでなかなか良いアイデアが浮かばなくて
         とりあえずタコヤキの材料費だけでも稼ごうと…
ぜくんどぅす 「レプリカタコヤキ作ってた…そやろ
    シェフ 「ご察しなされた通りです

シェフは話し終えると焼き終えたレプリカタコヤキを入れ物に入れ始めた
そのときのシェフの顔は 見ただけで悩みがあるのがわかるほど 暗いものだった

ぜくんどぅす (タコヤキ おごってもろたことだし
         ここはいっちょワイが力貸したるか)

ぜくんどぅす 「なぁ ワイが手伝ぉたろか?
    シェフ 「えっ? そんな悪いですよ!
ぜくんどぅす 「まぁ 遠慮すんな タコヤキおごってくれた恩返しや
    シェフ 「恩返しだなんて 本当に良いんですか?
ぜくんどぅす 「ホンマや 究極のタコヤキっちゅうのを ワイも食いたいしな
    シェフ 「あ ありがとうございます 助かります!


こうして ぜくんどぅすはワンダーシェフ見習いの手助けをすることになった


次回
それゆけ ぜくんどぅす ~探求~ に続く

ぜくんどぅす語 セレス=セレスティア インフェ=インフェリア ディストー=ディストーション


第一話 完

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