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それゆけゼクンドゥス【2】

題名 それゆけ ぜくんどぅす  ~探求~
作 ROHHI




ぜくんどぅすが見習いワンダーシェフの手伝いを決心したその日の夕方

ぜくんどぅす 「けっこう来るもんやな 客

シェフの持つ今日の売り上げを見てぜくんどぅすは言った

    シェフ 「ええ 私も一応シェフですからね
         一般の人よりは味に対するセンスを鍛えてますから
ぜくんどぅす 「ほぉ…

    シェフ 「ふぅ 6040ガルド…今日もなんとか元はとれた
ぜくんどぅす 「アンタ ワンダーシェフにならんでも
         今現在の儲けでやってけるんちゃうか?
         料理の腕もなかなかみたいやし…
    シェフ 「確かに 今のままでも生活には困らないでしょう
         実際 私もそういう自信はあります
         でも味の道を歩くものとしてワンダーシェフの称号は
         私の夢なんです!
ぜくんどぅす 「夢かぁ そういえばワイは夢 見たことないなぁ
         見ようと思ったこともあらへんは…

ぜくんどぅすは夢を知らない自分が少し寂しかった

    シェフ 「そういえば まだ自己紹介もしてませんでしたね
ぜくんどぅす 「あぁ そういやそやったな
    シェフ 「私はウラン ウラン・ローゼンバッハです
ぜくんどぅす 「ワイは…
         (まぁ ここでぜくんどぅす言うても大丈夫…か?
          いや待て むやみに本名出さん方がええか
          ほんなら 名前 名前 う~ん… … … … … )
         
         ゼックン(ぐふ) ゼックン言うねん よろしゅう

    ウラン 「それでは改めてよろしくお願いします ゼックンさん
ぜくんどぅす 「よ よろしく…
         (ぎゃ~ やってもうた なんつう名前や ゼックンやて?
          アホアホ ワイのアホアホ~~~!)
    ウラン 「どうかしましたか?
ぜくんどぅす 「い いや 気にしんといてくれ
         ホンマ 大丈夫やさかい は はは…

「ゼックン」 自分のネーミングセンスをギッと恨むぜくんどぅす
時の大晶霊なのに時間を戻せない自分がどこか切なかった


    ウラン 「明日は いつもより多くタコヤキ焼きます
         早くて申し訳ありませんが 明け方にバロール港に
         来ていただけませんか?
ぜくんどぅす 「バロール港… 構わへんが なんや仕入れか?
    ウラン 「はい この辺りのタコはオクトスライミーというモンスターを
         とっているんですが それがなかなか凶暴で
         腕利きの戦士を雇っても6はいぐらいしか取れないんです
ぜくんどぅす 「タコにはオクトスライミーしかないんか?
         モンスターとちゃう 普通のタコは?
    ウラン 「普通のタコはレストランとかホテルに大金で
         買い占められてしまいます 
ぜくんどぅす 「味はどっちが上なん?
    ウラン 「調理方法によって異なりますが
         タコヤキはオクトスライミーの方が向いているでしょう

ぜくんどぅすは思い出した
ここに来る前 孤島で戦ったオクトスライミーのことを

ぜくんどぅす 「ウラン オクトスライミーは凶暴なんやろ
         動物や人間を襲う習性かなんかはあるんか?
    ウラン 「習性ですか?
         オクトスライミーは浜辺にいる動物 人間にも
         奇襲をしかけてきますよ
         何人かの漁師が犠牲になったこともありますしね
ぜくんどぅす 「かなり 食い意地が張っとるっちゅうことか…
         …ほな わかったさかい 明日明け方 バロール港でな
    ウラン 「はい お願いします

ペコッと一礼するととウランは荷車を引いて去っていった

ぜくんどぅす 「さて ワイの仕事はこれからやな

初めてだった 自らの意思で自分のやりたいことをするのは
かつて無い開放感に満たされていたぜくんどぅすは
独り北西の孤島へと向かった




― 翌日 ―

    ウラン 「あの~ ゼックンさん 本当に大丈夫なんですか?
         タコが無ければタコヤキになりませんよ
ぜくんどぅす 「案ずるな ワイを信じなさい!

ぜくんどぅすはバロール港でウランを見つけるなり
タコも買わせず荷車ごとどこかへ引っ張っていった
そしてしばらく歩くと…

ぜくんどぅす 「あそこや
    ウラン 「あそこ? 海岸の自然洞窟?

海岸沿いに自然洞窟があった
この場所に自然洞窟があるのは有名だが
何も無いので普段は近くにも人っ子一人いない
ぜくんどぅすに勧められウランが洞窟に入っていくと

    ウラン 「ん? … う うわ うわ こ これ オクトスライミー?
ぜくんどぅす 「そう アンタがほしがってた タコヤキ用のタコや

そこにはオクトスライミーが3匹転がっていた
通常1匹で1日分作れてしまうほどの大きさがのタコが3匹

ぜくんどぅす 「ワイが昨日の晩にとっちめた奴らや
         港で買うよりだいぶお得やろ
    ウラン 「おどろいたぁ ゼックンさんは戦士なんですか?
ぜくんどぅす 「まぁ そんなところや それよりもはよ運ぶで
    ウラン 「はい ありがとうございます

バロールに帰る途中 ウランの家に行き2匹を
倉庫へしまった 明後日までのためである

ぜくんどぅす 「これからはタコの仕入れはワイに任せとき
         アンタはタコヤキ焼くことに専念するんや
    ウラン 「わかりました
ぜくんどぅす 「あとは人手やな
         二人ではやれることに限界があるさかい
    ウラン 「心当たりがあるんですか?
ぜくんどぅす 「まぁな 今日にでも連れて来るか…

ぜくんどぅすはニヤリと笑うと ウランに全てを任せ
いずこへと消えた



次回
それゆけ ぜくんどぅす ~再び~

第二話 完

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