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それゆけゼクンドゥス【5】


題名 それゆけ ぜくんどぅす  ~休日~
作 ROHHI





ぜくんどぅす 「んで お前は何を企んどるんや?
   シルフ 「なんのこと?

シャンバール行きの船の甲板
リッドとウランが食堂で食事している間
ぜくんどぅすはシルフを呼び出して問い詰めた

ぜくんどぅす 「お前が何か企んどることは 知れてる
         何が望みや?
   シルフ 「望みなんてないよ
         ぼくはただ ゼクンドゥスが悪さしないように
         レムやウンディーネの代わりに監視するだけさ
ぜくんどぅす 「お前 何の権限でそないなことを…
         それにワイはこれでも時を司る大晶霊やで
         悪さやなんて そんな…
   シルフ 「どーだか
ぜくんどぅす 「はぁ もうええは監視でも天使でも好きにせい
         そのかわりウランの邪魔はすんな
   シルフ 「わかってるよ 子供じゃないんだから
ぜくんどぅす 「はぁ それこそどうだかな…

ぜくんどぅすは一瞬で悟った
こいつ(シルフ)を追い払うのは不可能だ と


   ウラン 「あれ ゼックンさん どこへ行ってたんですか?
         ルシフ君も一緒に…
ぜくんどぅす 「ちょっと 甲板で海を見とった
         リッド ワイの分も食ってええで
    リッド 「ほんとか!? んじゃ 遠慮なく
   ウラン 「どうかしたんですか?
ぜくんどぅす 「いや 気にせんでくれ
         ワイ もうちょっと甲板にいるさかい…

と言って 再び甲板へと戻っていく ぜくんどぅす
シルフは席について 用意された食事をがつがつ食べている

   ウラン 「船酔いでしょうかねぇ? ゼックンさん…
   シルフ 「ふにゃ酔い ふにゃ酔い(船酔い) 大丈夫だって!
    リッド 「そうそう 船旅に船酔いはちゅきもの(つきもの)
   ウラン 「それはそうかもしれませんが…

食べながら言うシルフとリッドの答えに
少しとまどうウランだった

ぜくんどぅす 「そう言えばシャンバールはシャンバールで
         イフリートがおったやん
         まさか奴までワイの邪魔せんやろなぁ
         あんなんに邪魔されたら熱くてかなわんわ

なんてことを言っているうちにシャンバールの地が見えてきた

ぜくんどぅす 「お あれか?


   シルフ 「陸が見えてきたよ!
    リッド 「シャンバールかぁ 久しぶりだなぁ
   ウラン 「降りる準備しましょう
         ゼックンさんはまだ甲板のよう…

ウランが言いかけたとき

ぜくんどぅす 「おう もう少しでシャンバールやな
   ウラン 「あ ゼックンさん大丈夫ですか?
ぜくんどぅす 「何がや?
         それより 準備できたんか?
    リッド 「ああ できてるぜ
         食材を買う金と それを入れるクレーメルフリーザー

クレーメルフリーザーは水晶霊の力を利用し
常温保存しにくい物や 気温の変化に弱い食材をしまっておく
晶霊冷蔵庫である

まもなくして船員が到着を知らせに来たのだが

    船員 「まもなくシャンバール港に着きますが
         現在 シャンバール港はモンスターの襲撃に遭っていると
         連絡船より情報が入りました
         皆さん もうしばらくお待ちください
    リッド 「モンスター? 大丈夫なのか?
    船員 「今 シャンバール港の建設員がモンスターと
         交戦中なのです
    りっど 「建設員って…
   シルフ 「砂漠のモンスターって強力な毒を持ってるんだよね
         腕利きの戦士でも危ないよ

シャンバールには腕利きの戦士どころか普通の戦士さえも少ない
ぜくんどぅすは…

ぜくんどぅす 「シル… もとい ルシフ!
         ちょっと…
   シルフ 「なんなのさぁ 急に
ぜくんどぅす 「建設員なんかじゃ埒があかん
         お前行って なんとかして来い
   シルフ 「な~んでぼくなのさ?
ぜくんどぅす 「ワイの技は お前みたいに
         自然界の力を利用したものちゃうんや
         モンスターは一掃できるかもしれへんが
         人間が不思議がってしまうやろ
   シルフ 「しょーがないなぁ
         じゃあ 行ってくるよ

シルフは甲板に出て元の姿に戻り シャンバール港へと向かった

   ウラン 「ゼックンさん ルシフ君はどうしたんですか?
ぜくんどぅす 「あいつなら 甲板やで
         (このままいなくなればもっとええのやけど…


― シャンバール港 ―

シャンバール港はつい最近造り出したばかりで
まだ完成していなかった
もともとシャンバールは木材や石材 鉄鋼が少ないので
他の場所よりも建設作業を進めるのが難しかった

   シルフ 「うわ! サソリの大群だ!

港のにいた人々が必死に逃げている

   シルフ 「あぁもう!
         これじゃあ呪文が使えないじゃないかぁ!

サソリと人が入り混じって 得意の晶霊術を使うことが出来ない

海だー!
海に逃げろー!
サソリは海に入ってこないぞー!

水に弱いというサソリの習性に気付いた男が叫んだ
しかし…

赤いのは海に入ってくるぞー!
そんな サソリは水に… うわぁ!

「赤いの」それはスカーレットニードル
スカーレットニードルは普通の砂漠サソリとは違い
針のある尻尾でも呼吸が可能だった


ぜくんどぅす (う~ん 一体シルフは なにやってんねん
         さっきから人が海に入ってるが…

         アイツに任せたの失敗やったかな…?
         ええい しゃーない! ワイもいったる!

結局 港に向かうことにした ぜくんどぅす
シルフは…

   シルフ 「どうしよう 全員が海に入ってくれれば…
         …ん? あれって!

シルフが上空から見たものは港を覆っているサソリとは
比にならないほど巨大なサソリが 
港から少し離れたところでうごめいていた

ぜくんどぅす 「思った以上にひどいな こりゃ!

ぜくんどぅすも駆けつけ(飛びつけ)辺りを見回した

   シルフ 「ゼクンドゥス! あれ見て!
ぜくんどぅす 「ん? なんやアレは?
         何で今頃あんなモンが…
   シルフ 「ねぇ どうすればいいのさぁ?
ぜくんどぅす 「ザコにボスは付きモンや
         あのでかいのを 倒せばザコは逃げてくはず…!

果たしてサソリ騒動を止めることが出来るのだろうか…




次回
それゆけ ぜくんどぅす ~休日2~

第五話 完

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