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それゆけゼクンドゥス【9】


題名 それゆけ ぜくんどぅす  ~糧~
作 神条(ROHHI)



ぜくんどぅす 「…というわけや
    リッド 「やっぱりな…
         どうりで合ったことがあるような気がしたわけだ
         大晶霊って暇なんだな?
   シルフ 「ゼクンドゥスだけはね…
ぜくんどぅす 「やかましい!

ぜくんどぅす 「…とにかくワイとシルフは
         シャンバールに戻る
    リッド 「俺もいくぜ
         ネレイドの野郎にとどめを刺してやる
ぜくんどぅす 「あかん
         奴は以前のように悪の心に取り付く
         だけやあらへん!
         今奴は単純にそこらの人間に憑いて
         精神を喰い 自らのエネルギーにしとる
         生身の人間であるお前がいっても
         奴の養分になるだけや
    リッド 「でもよぉ…
ぜくんどぅす 「気持ちはありがたいが
         今回ばかりはな…
         シルフ いくで!
   シルフ 「うん!

ぜくんどぅすとシルフはリッドとウランをバロールに残し
再びシャンバールへと向かった

   ウラン 「行ってしまいましたか…
         すごい 人達だったんですね…
         あの人たちは戻って来るでしょうか?
    リッド 「大丈夫だって 大晶霊だぞ?
         ほんとなら 姿さえも見せない奴らが
         アンタのタコヤキ作りに手を貸してくれてんだ
         俺達は究極のタコヤキの研究でもして
         アイツらを待ってようぜ
   ウラン 「そうですね…


陽も沈にかけ もう夜になろうとしている空を駆ける
ぜくんどぅすとシルフ

   シルフ 「ねぇ ぼくたちでどうにかできるかな
ぜくんどぅす 「ワイらでどうにかしなくて
         誰がするんや?
   シルフ 「相手はセイファートと戦った
         闇の神みたいな奴なんでしょ?
ぜくんどぅす 「だから完全体ではない前に
         ワイらでねじ伏せとくんや

とそのとき ぜくんどぅすとシルフの前に
一筋の閃光がほとばしった

   ??? 「待ちな!
ぜくんどぅす 「げっ!?
   シルフ 「イ イフリート!?

閃光と共に現れたのは火の大晶霊イフリートだった

  イフリート 「お前たちのやろうとしていることは
         わかっているが
         お前たちだけでは役不足だぜ
ウンディーネ 「事態は既に深刻になっています
         我々大晶霊が力を合わせなければ
         解決できないでしょう
ぜくんどぅす 「ウ ウンディーネまで
ウンディーネ 「私だけではありませんよ

イフリートとウンディーネの陰からあらわれたのは

   シルフ 「うわぁ レ レムゥ?
         どうしたの翼がボロボロだよ
    レム 「皆 すまぬ…
         私の力が足らぬばかりに
         人間たちや皆をを 巻き込んでしまった…

普段の美しい6つの翼が
燃やされたような無残な姿になっていた

ぜくんどぅす 「一体 どないしたって言うんや?
         レムはなにを…
    レム 「セイファートリング崩壊後…
         ネレイドはその力のほとんどを失い
         消滅したかに思われた…
         だが奴はこの世に悪の心を持つ者がいる限り
         決して滅びることはないことは知っていよう
ぜくんどぅす 「…
    レム 「やつは気状になりそのうえ
         自らを置くバテンカイトスを作り出していたら
         自滅してしまう
         だからあえて固体と化し
         地上にとどまったのじゃ…
ぜくんどぅす 「拾った者の精神を喰らうために…か?
    レム 「やつの欠片はシャンバールにあったもの
         だけではなかった
ぜくんどぅす 「な!?
         それじゃ 他の地にも犠牲者が…
    レム 「モルル ファロース シャンバール
         そしてセレスティアにも3つ…
   シルフ 「セ セレスティアにも!?
    レム 「セレスティアの欠片は
         セレスティアの大晶霊たちが
         回収済み…
         わらわもインフェリアに残った欠片を
         回収し光の力で封印していたのだが
         日に日に増して行く闇の力が
         ついに先日 暴走してしまった
ぜくんどぅす 「ほな さっさと片付けにいかんと!
    レム 「やつはインフェリアあった欠片3つ分
         すなわち 半分完成しているで
         人間の精神を喰らうだけでその力を
         増すことができる状態じゃ
         皆 油断は禁物 頼むぞ!


― シャンバール ―

「クククッ イイゾ コノ調子デ行ケバ
 完全体ハ無理デモ 大晶霊ドモヲ倒スクライノ 力ハ
 取リ戻スコトガデキル… ムッ…

「逃げてください 味マスター!
 ここは危険です!
「…

「フフ 小娘ェ 逃ゲンノカ?

人の影の様な物体が少女に近づいていく

「うわ~~~ぁ!
 味マスター逃げてください 私は逃げます!

「死ヲ覚悟シテイル様ダナ…

ビストロ・シャンバールの広間
付き人が逃げていった今 
そこには 少女とうごめく闇だけ

「マダ幼イナガラ… 良ク泣カズニイタナ
 …死ネ!

ドォー―――ン!

闇が飛びかかったが 何かにはじき返された

「ングッ
「…爆雷陣!

バリバリバリバリバリッ!!!

「ヌオォォーーーー!!
 キ 貴様ァ タダノ人間デハ ナイ ナ…
 ン? 娘ガ 消エタ ダトォ?
「これで…
「!!

少女は闇の上空へ跳んだ
そして構えると身体中が青白く光りだした

「終わりよぉーー!

ビリバリビリビリバリバリッ!!

少女の両腕から電撃が放たれたが

「…!?
「惜シカッタガ… ココマデダナ… 死ネ!

闇は素早く少女の背後に密着し
いまにも飲み込みそうな姿勢をとった
そこへ

    レム 「聖なる矢 影を大地に縫いつけよ
         プリズムアロー!

ストッ ストッ ストッ ストッ

「グァッ 貴様ラ コンナ時ニ

ぜくんどぅす 「お嬢ちゃん 見せてもらったで
         あんなんどこで習うんや
「お兄ちゃんが使ってたのを真似したの…
ぜくんどぅす 「ま 真似?
         まいいや はよ逃げるんや
         ここは危険やさかい

と言って 少女は広間を出て行った

    レム 「覚悟は出来ているな
         本来 大晶霊が人間世界を荒らすことは
         世の摂理に反することだが…
         いたしかたあるまい

「ククク 記念すべき戦いが
 まさか人間が造った建造物の中でで行われるとはな

 ハァァァァ……

闇は深呼吸するように
空気中の晶霊を体内に取り込んでゆく

ぜくんどぅす 「またか!
  イフリート 「はやく決着をつけようぜ!
         でないとあいつ更に大きくなりやがる
    レム 「セイファートに代わって
         お前を討つ!
         皆 行くぞ!!



果たしてこの戦いの結末は…



次回
それゆけ ぜくんどぅす  ~決着~

第九話 完

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