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星の数だけ物語がある【1】


夜。寒い日だった・・・・・・
僕は眠れず夜中ずっと起きていた。
丘に登って夜空を眺めていた。
「キール・・・・眠れないのか?」
「メルディ・・・・」
丘に現れたのはセレスティア人のメルディだった。
彼女は僕の隣りに座るとペットのクィッキーを間に置いた。
「・・・・お前こそ。眠れないのか?」
「・・・はいな。ちょっと考え事してたよー・・・そしたら、な・・・」
ちょっと間をおいてから彼女は再び口を開いた。
「キール。メルディが事・・・・どう想ってるか?」
「はへ!?」
あまりの恥ずかしさに僕は思わず変な声を出してしまった。
これは・・・告白のチャンスなのだろうか・・・・・
『好き』と言えば彼女はどんな風に返事をするだろうか。
そんな事を考えると顔が熱くなってきた。
「キール・・・・?」
「あ・・・その・・・だな・・・・僕は・・・・」
言葉にならないほど動揺していた。
「・・・バイバ!?キール・・・上!」
「上?」
僕が上を見ると沢山あった星が数々に消えていった。
一つも残らず空に吸い込まれて言ってしまった。
「キール!メルディ!」
後ろから声がした。
僕が後ろを向くとファラとリッドが走ってきた。
「どうなってんだ!?星がいっぺんに消えちまったぞ!?」
「分からない・・・突然の事だからな」
内心ホッとしていた。
返事を考えると決心が鈍るからだ。
とりあえず僕は今の問題で気を紛らわそうと考えていた。
「なんか・・・・嫌な予感がするね」
「あぁ。」
ファラとリッドが会話をしている中、僕はメルディをじっと見ていた。
彼女は混乱に満ちた表情をし、クィッキーを抱きしめていた。
その時・・・・
「タ・・・ケテ・・・」
「!?」
僕達四人は突然声がして驚いた。
後ろを振り返ると誰もいない。
声はずっと聞こえてくる。
「セカイヲ・・・・救ッテ・・・星々・・・ヲ・・・タスケ・・・テアゲテ・・・」
そう聞こえてきた。
「・・・・また世界を救えっつ~のか?」
「私達の力で世界が救えるならなんだってするよ!」
『アリガトウ・・・・マズ・・・ファロースサンニ・・・イって・・』
そこで声は途切れた。
 星が消え、暗闇に満ちた空を、僕たちは歩き出した。
途中、メルディが僕に声をかけてきた。
「キール。さっきの返事・・・・・あとでな♪」
「//////)!!!!」
思い出すとまた顔が熱くなってくる。
メルディは「てへへ」と笑うとファラの隣へと戻っていった。


 ──星の数だけお話がある・・・・・
   ただ、ほんのちょっと見れないだけ。
   貴方が本当にお話を・・・物語を見たいと願うのならば、
   きっとページは開かれるよ・・・・──


              ≪続く≫

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