約束のピクニック【4】
約束のピクニック 4
作 神条
― 翌日 ―
アーチェ「おっはよ~う!
ミント「おはようございます アーチェさん
アーチェ「あれ? オトコドモは?
ミント「まだ皆さん眠ってるようです やはりまだ疲れていたのですね
クラ―ス「私は起きていたぞ
アーチェ「うわっ クラース何やってたの?
クラ―ス「なぁに この清々しい陽の下で早朝ランニングってやつさ
アーチェ「へぇ~ うしししし♪
クラ―ス「何がおかしい?
アーチェ「歳をとると早朝ランニングしたくなる~っての本当みたいね
クラ―ス「うるさい この先何十年経っても変化しないハーフエルフにこの気苦労はわからん
ミント「でも早朝ランニングは健康にも良いですし ご年配の方だけでなくとも
習慣にしている方も多いと聞きますよ
クラ―ス「そんなミントまで私を年寄りみたいに言わないでくれ
ミント「す すみません つい・・・
アーチェ「うしししし♪ やっぱ年寄りだよねぇ?
クラ―ス「そのいちいち鼻につく笑をやめろ
クレス「おはよう なんか盛り上がっているみたいだね
ミント「おはようございます お茶いかがですか?
クレス「ありがとう もらうよ
アーチェ「聞いてよクレスぅ クラ―スってば早朝ランニングしてたんだって~
年寄りくさいよね~?
クラ―ス「・・・
クレス「早朝ランニングか 僕もチェスターと良くトーティス村でやっていたよ
アーチェ「えぇ?
クレス「重い武器を使うには全身の筋力を鍛えないとね
それに狩りで獲物を追うにも体力は絶対必要になってくるから
クラ―ス「それみろ 早朝ランニングは老若男女問わず愛されているのだ
お前もホウキにばかり乗っていないで少しは大地を歩け
そうでないと足が退化して棒になるぞ
アーチェ「ふ~んだ 棒になんかなりませんよ~
クレス「おいおい そんなこと言ってハーフエルフの寿命はすごく長いんだろ?
本当に棒になる前に歩いたほうが良いって言うのは正論だと思う
クラース「クレス アーチェの場合 少し痛い目を見ないと分からんのだろう
アーチェ「なによぉ
クラ―ス「・・・ ミント もう一杯お茶をもらおうか
ミント「はい
クレス「そういえばチェスター見なかった?
ミント「いえ見てませんが まだ眠っているのではないのですか?
クレス「僕が目を覚ましたときにはもういなかったし どこへいったんだろう?
アーチェ「寝ぼけて森にでも突っ込んでったとか
クレス「チェスターに限ってそんなことはないと思うけど・・・
クラ―ス「お 噂をすればなんとかだぞ
チェスター「よぉ みんな起きてたのか
クレス「おはようチェスター どこへ行ってた・・・って あっ
チェスター「へへ ちょいと温泉にね 良い湯だったぜ~ ばっちり目が覚めた
クラ―ス「なんだ朝湯に入れるのか? それなら私も行ってくる
アーチェ「どうせまた女湯のぞいてたんでしょ このスケベ大魔王
チェスター「はぁ? のぞかねぇよ
アーチェ「あ 返事してやんの ってことは自分がスケベ大魔王だってことを自覚してる証拠ね
ふ~ん やっぱりね~ そうなんだ~ やっだ~
チェスター「こいつ・・・
クレス(まぁまぁチェスター 今日でアーチェとも100年も会えないんだし・・・
チェスター(・・・わかってるよ
アーチェ「あ~よかった 昨日珍しく大魔王が女湯のぞいて来なかったから
今日は雪でも降るんじゃないかって心配してたんだ~
チェスター「・・・テメェ もう許さん!
アーチェ「きゃ~! スケベ大魔王だ~! 助けて~!
チェスター「ヤ~ロ~!
ドタドタドタドタドタッ
クラース「騒々しいな・・・
ミント「ピクニックに行くなら どこかで食材を買わなければいけませんね
クレス「そうだね バーベキュー向きの食材はここでは買えないし・・・ クラースさんに言っておこう
アーチェ「ねぇ ピクニックってどこでやんの?
ミント「そうですねぇ・・・ どこか見晴らしの良い丘の上とか 海の見えるところもいいですね
クレス「ベネツィア辺りが良いんじゃないかな? 気候も安定していて海も見えるから
アーチェ「んじゃ ベネツィアに決定すんの?
ミント「私は良いと思います では食材はベネツィア市で買うということになりますね
すず「おはようございます 皆さん
クレス「あ おはようすずちゃん
すず「朝食の準備ができましたから 用が済み次第こちらへどうぞ
クレス「わかったよ ありがとう
すず「・・・あの
クレス「どうしたんだい?
すず「今日は私もご一緒させて貰ってもよろしいのですか?
クレス「もちろん 来てくれるよね?
すず「はい! では失礼します
ミント「すずちゃん 嬉しそうでしたね
クレス「うん でもすずちゃんだって人間だからね 喜んだり悲しんだりすることは当然のことだよ
ミント「そうですね
クレス「そのほうがきっと面白いだろうしね
クラース「あ~良い湯だった 運動後の温泉もまた格別っと
クレス「クラースさん 朝食の準備ができたそうです 行きましょう
クラース「そうか よし行こう
乱蔵「これはこれは皆さん 昨晩は良く眠れましたかな?
クラース「いや本当に 良く眠れただけでなく朝湯にも浸からせてもらって
そのうえ朝食まで用意してくださるとは なんとも感謝に絶えません
乱蔵「なんの 長き戦いの後ゆえ その疲れをここで存分に解消していただくこと
我ら救われた側として当然の恩義にございます さぁ 膳に着いてどうぞ召し上がってください
チェスター「ほんじゃ遠慮なくっと
アーチェ「いっただっきまーす!
― 食事中 ―
乱蔵(ところでクレス殿
クレス(はい?
乱蔵(昨夜の話 他言無用に願いたい 特にすずには・・・
クレス(ええわかってますよ すずちゃん自身の 忍者の問題ですから
乱蔵(うむ かたじけない
すず「・・・どうかしましたか?
クレス「え? い いやぁ なんでもない なんでもないんだ
すず「そうですか
― そして ―
クレス「乱蔵さん 本当にどうもお世話になりました
乱蔵「いやこちらこそ 改めてダオス打倒 大儀でありましたな
今日を最後に これまで苦楽を共にして築きあげてきた仲間との絆
過去 現代 そして未来において 一生忘れぬよう楽しむとよかろう
クレス「はい
クラース「未来・・・か
ミント「クラ―スさん?
チェスター「どうしたんだ?
クラース「ああいや なんでもないんだ・・・
乱蔵「ではもう行かれよ 貴殿らのことは決して忘れませぬぞ
クレス「さようなら 乱蔵さん どうかお元気で・・・
乱蔵「さらばじゃ クレス殿 皆さん 御達者で!
― こうしてクレス達は 忍者の里を後にした
仲間達との最後の時間を刻むために・・・
つづく
作 神条
― 翌日 ―
アーチェ「おっはよ~う!
ミント「おはようございます アーチェさん
アーチェ「あれ? オトコドモは?
ミント「まだ皆さん眠ってるようです やはりまだ疲れていたのですね
クラ―ス「私は起きていたぞ
アーチェ「うわっ クラース何やってたの?
クラ―ス「なぁに この清々しい陽の下で早朝ランニングってやつさ
アーチェ「へぇ~ うしししし♪
クラ―ス「何がおかしい?
アーチェ「歳をとると早朝ランニングしたくなる~っての本当みたいね
クラ―ス「うるさい この先何十年経っても変化しないハーフエルフにこの気苦労はわからん
ミント「でも早朝ランニングは健康にも良いですし ご年配の方だけでなくとも
習慣にしている方も多いと聞きますよ
クラ―ス「そんなミントまで私を年寄りみたいに言わないでくれ
ミント「す すみません つい・・・
アーチェ「うしししし♪ やっぱ年寄りだよねぇ?
クラ―ス「そのいちいち鼻につく笑をやめろ
クレス「おはよう なんか盛り上がっているみたいだね
ミント「おはようございます お茶いかがですか?
クレス「ありがとう もらうよ
アーチェ「聞いてよクレスぅ クラ―スってば早朝ランニングしてたんだって~
年寄りくさいよね~?
クラ―ス「・・・
クレス「早朝ランニングか 僕もチェスターと良くトーティス村でやっていたよ
アーチェ「えぇ?
クレス「重い武器を使うには全身の筋力を鍛えないとね
それに狩りで獲物を追うにも体力は絶対必要になってくるから
クラ―ス「それみろ 早朝ランニングは老若男女問わず愛されているのだ
お前もホウキにばかり乗っていないで少しは大地を歩け
そうでないと足が退化して棒になるぞ
アーチェ「ふ~んだ 棒になんかなりませんよ~
クレス「おいおい そんなこと言ってハーフエルフの寿命はすごく長いんだろ?
本当に棒になる前に歩いたほうが良いって言うのは正論だと思う
クラース「クレス アーチェの場合 少し痛い目を見ないと分からんのだろう
アーチェ「なによぉ
クラ―ス「・・・ ミント もう一杯お茶をもらおうか
ミント「はい
クレス「そういえばチェスター見なかった?
ミント「いえ見てませんが まだ眠っているのではないのですか?
クレス「僕が目を覚ましたときにはもういなかったし どこへいったんだろう?
アーチェ「寝ぼけて森にでも突っ込んでったとか
クレス「チェスターに限ってそんなことはないと思うけど・・・
クラ―ス「お 噂をすればなんとかだぞ
チェスター「よぉ みんな起きてたのか
クレス「おはようチェスター どこへ行ってた・・・って あっ
チェスター「へへ ちょいと温泉にね 良い湯だったぜ~ ばっちり目が覚めた
クラ―ス「なんだ朝湯に入れるのか? それなら私も行ってくる
アーチェ「どうせまた女湯のぞいてたんでしょ このスケベ大魔王
チェスター「はぁ? のぞかねぇよ
アーチェ「あ 返事してやんの ってことは自分がスケベ大魔王だってことを自覚してる証拠ね
ふ~ん やっぱりね~ そうなんだ~ やっだ~
チェスター「こいつ・・・
クレス(まぁまぁチェスター 今日でアーチェとも100年も会えないんだし・・・
チェスター(・・・わかってるよ
アーチェ「あ~よかった 昨日珍しく大魔王が女湯のぞいて来なかったから
今日は雪でも降るんじゃないかって心配してたんだ~
チェスター「・・・テメェ もう許さん!
アーチェ「きゃ~! スケベ大魔王だ~! 助けて~!
チェスター「ヤ~ロ~!
ドタドタドタドタドタッ
クラース「騒々しいな・・・
ミント「ピクニックに行くなら どこかで食材を買わなければいけませんね
クレス「そうだね バーベキュー向きの食材はここでは買えないし・・・ クラースさんに言っておこう
アーチェ「ねぇ ピクニックってどこでやんの?
ミント「そうですねぇ・・・ どこか見晴らしの良い丘の上とか 海の見えるところもいいですね
クレス「ベネツィア辺りが良いんじゃないかな? 気候も安定していて海も見えるから
アーチェ「んじゃ ベネツィアに決定すんの?
ミント「私は良いと思います では食材はベネツィア市で買うということになりますね
すず「おはようございます 皆さん
クレス「あ おはようすずちゃん
すず「朝食の準備ができましたから 用が済み次第こちらへどうぞ
クレス「わかったよ ありがとう
すず「・・・あの
クレス「どうしたんだい?
すず「今日は私もご一緒させて貰ってもよろしいのですか?
クレス「もちろん 来てくれるよね?
すず「はい! では失礼します
ミント「すずちゃん 嬉しそうでしたね
クレス「うん でもすずちゃんだって人間だからね 喜んだり悲しんだりすることは当然のことだよ
ミント「そうですね
クレス「そのほうがきっと面白いだろうしね
クラース「あ~良い湯だった 運動後の温泉もまた格別っと
クレス「クラースさん 朝食の準備ができたそうです 行きましょう
クラース「そうか よし行こう
乱蔵「これはこれは皆さん 昨晩は良く眠れましたかな?
クラース「いや本当に 良く眠れただけでなく朝湯にも浸からせてもらって
そのうえ朝食まで用意してくださるとは なんとも感謝に絶えません
乱蔵「なんの 長き戦いの後ゆえ その疲れをここで存分に解消していただくこと
我ら救われた側として当然の恩義にございます さぁ 膳に着いてどうぞ召し上がってください
チェスター「ほんじゃ遠慮なくっと
アーチェ「いっただっきまーす!
― 食事中 ―
乱蔵(ところでクレス殿
クレス(はい?
乱蔵(昨夜の話 他言無用に願いたい 特にすずには・・・
クレス(ええわかってますよ すずちゃん自身の 忍者の問題ですから
乱蔵(うむ かたじけない
すず「・・・どうかしましたか?
クレス「え? い いやぁ なんでもない なんでもないんだ
すず「そうですか
― そして ―
クレス「乱蔵さん 本当にどうもお世話になりました
乱蔵「いやこちらこそ 改めてダオス打倒 大儀でありましたな
今日を最後に これまで苦楽を共にして築きあげてきた仲間との絆
過去 現代 そして未来において 一生忘れぬよう楽しむとよかろう
クレス「はい
クラース「未来・・・か
ミント「クラ―スさん?
チェスター「どうしたんだ?
クラース「ああいや なんでもないんだ・・・
乱蔵「ではもう行かれよ 貴殿らのことは決して忘れませぬぞ
クレス「さようなら 乱蔵さん どうかお元気で・・・
乱蔵「さらばじゃ クレス殿 皆さん 御達者で!
― こうしてクレス達は 忍者の里を後にした
仲間達との最後の時間を刻むために・・・
つづく