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ずん胴アーチェ【5】

ずん胴アーチェ 第五話 「脅し」   作 ヒデ


住職「あなたがアーチェさんですか。話は聞いております。まあ、そこに座って下さい。」

アーチェ「あ・・あのー・・・クラースと知り合いなんですか?」

住職「まあ・・そういう事になりますね。あ、そうそう。私は住職のダイロールです。所で、修行をされるとか・・・」

アーチェ「あ、それはクラースが勝手に決めた事なの。」

ダイロール「え?まさか・・・あいつはアーチェさんが進んで修行をしたいと言っていましたが・・・。」

アーチェ「え?」

ダイロール「はい。修行のためなら坊主頭にしても構わないと・・・。」

アーチェ「坊主頭?クラース・・・そういう事だったのね・・・。」

ダイロール「あの、どうかなさいましたか?」

アーチェ「今すぐこの山を降りるわ!世話になったわね。さようなら。」

ダイロール「いけません!この寺に一歩でも足を踏み入れた場合、我々は修行者とみなしています!
       降りる事は許しません!」

アーチェ「へえ・・・じゃああんたに選ばせてあげるわ。私を山から降ろすか、黒コゲになるか、
      どっちがいい?」

ダイロール「な、何というバチあたりな・・・くっ・・・仕方ない・・・・。降ろして差し上げましょう。」

アーチェ「ありがとさん♪じゃあね!」


タッタッタッタ・・・・


ダイロール「あの子はいずれ世界を滅ぼす引き金になるかもしれん・・・・」


そして時は過ぎていった・・・・


クレス「ねえ、クラースさん。いくらなんでも17歳のアーチェに修行などさせていいんですか?」

クラース「何を言う。ライオンは谷に子を落として、這い上がってきた子だけを育てるものだ。
      17歳だからって、甘やかしてはいかん。かわいい子には、旅をさせろだ。」

チェスター「あいつはかわいいとは思えんが・・・」

クラース「ははは。確かにな。今頃坊主頭になってるかもな。」

チェスター「そこまではいかないと思うが・・・」

クラース「冗談だよ、冗談。でも本当になっているかもな。」

ミント「あ、クラースさん、あれ!」

クラース「なんだ?ん・・・・?あ、あれは!」

アーチェ「クラースゥゥゥゥ!!!よくも、坊主頭にさせようとしたわね!」

クラース「え?た、ただの冗談だよ。」

アーチェ「冗談って・・・ほんとにされたらどうすんのよ!」

クラース「まあ、落ち着け。所で、修行はしてきたんだろうな。」

アーチェ「そんなもんやってられる訳ないでしょ!」

クラース「んなバカな!寺の中に入ったら、修行が済むまで帰れないはずだ!」

アーチェ「脅したよ。黒コゲにされたいか!ってね。」

クラース「だめだ・・・こいつは修行も効かない・・・そうだ!」

クレス「どうしたんです?」

クラース「闘技場で一番強い奴と戦わせればいいんだ!そうすれば、戦うと同時に痩せるぞ!」

アーチェ「なるほど。それならいいわよ。」

クラース「よし。じゃあ敵の名前を言う。今一番強いのは、歴代一決定戦に出ている
      リッド・ハーシェルというやつだ。」

アーチェ「ふーん。でもどんな奴にも負けないわよ!」

クレス「クラースさん、1人で一番強い奴と戦わせるなんて、あいつには無茶ですよ。」

クラース「無論、お前にも同時参加させる。2人ならいけるだろ?」

クレス「ええ?僕もやるんですか?」

クラース「ああ。アーチェを頼むぞ。」

クレス「・・・・はい・・・・。」

クラース「よし!闘技場へ出発!」


                  続く

コメント

アーチェだからこそ出来ることですね、こういうのは(笑
サッパリとした彼女の性格がよく出ていて、自然と小説の世界へ入っていけました。
あと、感情符(!や?)の後はひとつ間をあけた方がいいと思います。私も小説書く時はそうしていますし・・・・・・。

続きを楽しみにしています。

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